開発学を学ぶ留学とは?特徴と卒業後の就職、海外の大学・大学院ランキングなどを徹底解説!

国際機関やNGOなどで人道援助や国際協力の仕事を目指す人にとって、開発学(Development Studies)は必ずチェックしておきたい学部です。

刻々と変化を続ける社会課題に対応するため、開発学で学ぶ内容は多岐にわたります。文化、生態学、経済、政治、組織、教育、医学、保健などさまざまな視点から学びます

ここでは開発学を学ぶ留学をしたい人のために、開発学の特徴と、開発学で人気の高い世界の大学をご紹介します。ぜひ将来の選択のための参考にしてください!

開発学で学べる内容とは?

開発学を学ぶ海外大学・大学院留学

開発学とひとことで言っても、大学・大学院によってアプローチ方法はさまざまです。

古くはアフリカ、アジア、ラテンアメリカの貧困に焦点をあてた研究がメインでしたが、グローバル化が進んだ現在では地域間の関係理解やコミュニケーションも重視するようになっています。

現実の課題には複雑な要素が絡まり合っているものです。そのため開発学では多様な学問分野を学びます。

人類学、経済学、社会学、政治学、地理学をベースにしつつ、心理学、法律、経営、自然科学、歴史、農学、工学など、分野同士を融合して学ぶ場合もあります。

さらに、メディア、紛争、持続可能性、経済、教育、経営、社会正義、グローバルヘルス、気候変動など、幅広い専門分野に目を向ける大学が多いです。

開発学の授業の例を見てみよう

開発学部に入ったときのイメージがしやすいように、ロンドン大学SOASの学部課程「BA Global Development」のカリキュラムを例として見てみましょう。

学部課程での目的

学部課程では貧困、不安定、不平等その原因と対応策に関する理論や知見を基礎から学びます。世界各地で日々進行中の社会・経済・政治的な課題について、多角的に理解を深めます。

2年次には、選択制の海外留学プログラムに申し込むこともできます。

カリキュラム

1年次

必修グローバル開発アプローチ
グローバル開発の諸課題
開発のための批判的思考
開発の政治経済学入門:概念と動向
開発の政治経済学入門:トピックと地域事例
開発研究の理解
選択経済原理(マクロ)
経済原理(ミクロ)
世界における人類学入門(A)
世界における人類学入門(B)
グローバルヒストリー入門1
グローバルヒストリー入門2
国際関係論入門I
国際関係論入門II

2年次

必修「上側」からと「下側」からの開発主体
「上側」からと「下側」からの開発:事例研究
主要な開発思想家1
主要な開発思想家2
選択ワーキングプアと労働
地球の未来:環境と開発
開発の政治
開発経済学
経済生活の人類学
開発と紛争

3年次

必修変化を実現する1
変化を実現する2
選択自主研究プロジェクト
ジェンダーと開発の課題
国境と開発の課題
グローバル強制移住
開発実務インターンシップ
移民とディアスポラ:脱植民地主義的アプローチ
人類学と気候変動
グローバル経済政策
中国と世界の開発
紛争・権利・正義

SOASでは、学生自身が自主的に学ぶプロセスを重視。国際開発の実情や政策に対する自分の考え、反応、批判的な視点を養うことを大きな目的としています

最終学年には卒業論文または実習を履修することになります。

修士課程ではコースが細分化

SOASの修士課程(MSc)では下記のようにコースが細分化され、より専門性を高めていく設計になっています。(これ以外にオンラインのみの修士コースやポストグラデュエートディプロマのコースもあります)

  • 環境・政治・開発
  • グローバル開発
  • グローバル開発(ジェンダー)
  • グローバル開発(労働とアクティビズム)
  • グローバル政治経済
  • グローバル・サステナビリティ
  • 人道支援・援助・紛争
  • 移住・モビリティ・開発
  • 国際開発研究
  • 暴力・紛争・開発

開発学部の全体像について、ちょっとイメージが湧いたでしょうか?
ただし、この例はあくまでもSOASの場合。
各大学でアプローチが異なるので、自分の目指す道と合致する大学を探すことが大切です。

途上国の課題を解く力。
世界を学んで、キャリアへつなげる


開発学

大学・大学院は一生のうちの貴重な財産。
決して何回も行けるわけではありません。
だからこそ、世界中のあらゆる選択肢を比較して、後悔のない選択をしていただきたいです。

予算内におさめたい
奨学金で検討したい
就職・転職に活かしたい
〇〇の資格を取りたい
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開発学を学ぶ意味

開発学を学ぶ海外大学・大学院留学2

イギリスの開発学協会「Development Studies Association」では開発学を学ぶ意味について「次のような問いを追求するため」そして「これらの疑問を日頃から持っている人には、ぜひ開発学を学んでみてもらいたい」としています。

  • なぜ経済成長はより大きな不平等をもたらすことが多いのか?
  • 地球を犠牲にすることなく、生活水準を向上させることができるのか?
  • デジタル革命で雇用はどうなるのか?
  • 人種、性別、年齢、民族性、性的アイデンティティーは、政策やプログラムの影響にどのような違いをもたらすのだろうか?
  • なぜ権威主義的なナショナリズムが台頭しているのか、そしてそれに対して何ができるのか?
  • 国際的な移民はどのように管理されるべきなのか?

海外大学では、教わるだけでなく「主体的」に関わることが日常的に求められます。
あなたの「なぜ?」が世界を変えると考えて、上記の問にも取り組んでみるといいかもしれません。

卒業後の就職

開発学を学ぶ海外大学・大学院留学4

NGOや慈善団体、社会的企業、国際企業、地方および国の政府、援助機関、政策シンクタンク、国連機関、世界および地域の開発銀行、そして欧州連合や西アフリカ諸国経済共同体など、さまざまな場面での活躍が期待されています。

公的機関でのキャリアを模索する人はほとんどが修士課程以上に進みます。
公的機関では2年以上の実務経験を必須とされるケースも多いため、社会人経験を積んでから大学院に留学する人も少なくありません。

ここでは卒業後のキャリアの例を職種別・産業別にご紹介します。

職種例産業例
企業・政府系コンサルタント
地域開発員
開発担当者
外交官
経済開発アドバイザー/オフィサー
経済政策アナリスト
エコツーリズムガイド/エージェント
外務員
ファンドレイザー
ガバメント・リレーションズ・アドバイザー
入国管理官
インテリジェンスオフィサー
国際支援活動家
国際コミュニケーションの専門家
国際政策アナリスト
国際ユースワーカー
マーケットリサーチャー
平和・人権活動家
政策・ポリティカルリスクアナリスト
プログラムアナリスト
プロジェクト・コーディネーター
リサーチアシスタント/リサーチャー
教師/教授
ボランティアコーディネーター/リクルーター
事業開発
コミュニティセンター
災害対策・救援
経済開発
教育
行政
人権
入国管理局
国際ビジネス
国際開発
国際識字率向上団体
国際救援
非営利団体・NGO
政策活動家
公衆衛生学
公共政策
研究開発
観光
都市・地域計画

※これらのポジションの中には、別途トレーニングや資格・教育が必要なものもあります。

開発学で有名な海外の大学とランキング

開発学を学ぶ海外大学・大学院留学6

開発学分野のトップ50校と、今年は50位に入っていないけれど例年評価の高い世界各国の大学を紹介します。

イギリスとアメリカは開発学が盛んな国のトップ2で、上位10位以内にはこの2か国の大学が多数入っています。しかしこの2か国以外にも南アフリカ、オランダ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリアなどでも盛んに研究されています。

とりわけ「農業」「アフリカ」など専門性を持って学びたいと考えている人は、英米だけでなく大学それぞれの特色にも目を向けてみるといいでしょう。

大学選びの参考にしてみてください。(参照:QS世界大学ランキング

1位~50位

順位大学名国名
1サセックス大学イギリス
2ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)イギリス
3オックスフォード大学イギリス
4ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)イギリス
5マンチェスター大学イギリス
6ケンブリッジ大学イギリス
7ハーバード大学アメリカ合衆国
8ワーヘニンゲン大学オランダ
9シンガポール国立大学(NUS)シンガポール
10ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)イギリス
11ケープタウン大学南アフリカ
12カリフォルニア大学バークレー校アメリカ合衆国
13コロンビア大学アメリカ合衆国
14オーストラリア国立大学(ANU)オーストラリア
15コーネル大学アメリカ合衆国
16スタンフォード大学アメリカ合衆国
17メキシコ国立自治大学(UNAM)メキシコ
18リーズ大学イギリス
19プリンストン大学アメリカ合衆国
20マサチューセッツ大学アマースト校アメリカ合衆国
21キングス・カレッジ・ロンドンイギリス
22シェフィールド大学イギリス
23エラスムス大学ロッテルダムオランダ
23イーストアングリア大学(UEA)イギリス
25ウィットウォーターズランド大学南アフリカ
26ジャワハルラール・ネルー大学インド
27ロスアンデス大学コロンビア
28ライデン大学オランダ
29東京大学日本
30エディンバラ大学イギリス
31バース大学イギリス
31クイーンズランド大学オーストラリア
33チリ大学チリ
34ブリティッシュコロンビア大学カナダ
35ジョンズ・ホプキンス大学アメリカ合衆国
36ユトレヒト大学オランダ
37北京大学中国
38チリ・カトリック大学チリ
39トロント大学カナダ
40パリ第1大学(パンテオン・ソルボンヌ)フランス
41メルボルン大学オーストラリア
42イェール大学アメリカ合衆国
43カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アメリカ合衆国
44清華大学中国
45ジュネーブ高等国際開発研究院スイス
46南洋理工大学(NTU)シンガポール
46マギル大学カナダ
48アメリカン大学アメリカ合衆国
49京都大学日本
49ニューカッスル大学イギリス

50位以降の人気大学

大学名
アメリカ合衆国ニューヨーク大学
デューク大学
ジョージ・ワシントン大学
シカゴ大学
ミシガン大学アナーバー校
ブラウン大学
カリフォルニア大学デービス校
ボストン大学
タフツ大学
ペンシルベニア州立大学
イギリスウォーリック大学
ダラム大学
レディング大学
バーミンガム大学
ブリストル大学
オーストラリアシドニー大学
モナシュ大学
ニューサウスウェールズ大学
オランダアムステルダム大学
フローニンゲン大学
デンマークコペンハーゲン大学
オーフス大学
コペンハーゲン・ビジネススクール
ドイツボン大学
ゲッティンゲン大学
フンボルト大学ベルリン
フランスパリ・サクレー大学
シアンスポ
スウェーデンルンド大学
ストックホルム大学
スペインマドリード・コンプルテンセ大学
マドリード自治大学
南アフリカプレトリア大学
ヨハネスブルグ大学
ブラジルサンパウロ大学
リオデジャネイロ連邦大学
カンピーナス州立大学
コロンビアコロンビア国立大学
ハベリアナ大学
アルゼンチンラプラタ国立大学
ペルーペルー・カトリック大学
香港香港大学
韓国ソウル大学
ノルウェーオスロ大学
アイルランドトリニティ・カレッジ・ダブリン
ニュージーランドマッセイ大学
タイチュラロンコン大学
インドネシアガジャ・マダ大学
ガーナガーナ大学
ウガンダマケレレ大学

開発学部に入るには?

英語力

求められるスコアは大学によって異なりますが、一般的に学部課程では、IELTSで6.0〜6.5、TOEFL iBTで80〜90以上、トップランク校ではIELTS 6.5〜7.0以上を求めるケースもあります。

大学院課程では、IELTSで6.5〜7.0、TOEFLのiBTで90〜100以上が目安です。

英語以外の言語要件はほとんどの大学では必須とはされていませんが、フランス語圏やスペイン語圏の大学であったり、のちのフィールドワークを想定したプログラムでは、第二言語能力が評価されることがあります。

どんな科目を履修しておくべき?

高校から学部課程に進む人であれば、課外活動が入試選考で有利になる傾向があります。NGOやボランティア団体での活動、フェアトレードや国際交流に関わるサークル活動、開発途上国や多文化環境でのホームステイ・留学経験などに積極的に関わっておけば、出願時の小論文や面接で熱意を伝えられます。

大学院課程の場合、学部時代に特定の専攻や科目を履修していなくても出願できる大学がほとんどです。ただし、次のような科目を勉強しておくと、のちのち役に立つ場面が多くなるので、日本語で勉強しておけるうちに履修しておくのがおすすめです。

  • 経済学
  • 統計学・データ分析
  • 社会学
  • 政治学
  • 地理学
  • 環境学
  • 人類学・文化研究

大学院課程の「社会人経験」要件

修士・博士課程の開発学プログラムでは、学術的な素養に加えて、実務経験が重視されることもあります。ただし、必須ではなく「2〜3年以上の経験があると望ましい」とする大学が多いです。

出願時に職務経歴書(CV)や推薦状を提出しますので、自分の経歴の棚卸しや、推薦状を依頼できる直属の上司や協働したプロジェクトリーダーなどとの交流も密にしておくのがおすすめです。

学費と奨学金

学費

年間の学費は国や大学によってさまざまです。アメリカやカナダの学部課程は4年間、修士課程が2年間、一方イギリスやオーストラリアの学部課程は3年間で修士課程は1~2年間…という具合に、トータルの学習年数も異なります。

年間の費用だけでなく全体の年数での費用も考慮しながら、志望校を選んでみてください。

学部課程(年間)

英国約270〜390万円
米国約450〜750万円
オーストラリア約300〜450万円
カナダ約220〜400万円
ドイツ約0〜30万円
スウェーデン約150〜250万円
オランダ約120〜220万円

大学院課程(年間)

英国約270〜490万円
米国約450〜900万円
オーストラリア約330〜500万円
カナダ約200〜440万円
ドイツ約0〜30万円
スウェーデン約150〜300万円
オランダ約130〜250万円

奨学金

奨学金については、各国政府が実施するものや大学が独自に実施するもの、国内の財団が実施するものやJICA関連奨学金など、いくつかの選択肢があります。

各国政府の奨学金フルブライト(アメリカ)、チーヴニング(イギリス)など
大学独自の奨学金成績優秀者を対象とするものと出身家庭の経済状況を考慮した資金援助があります。
志望する大学で留学生を対象とした奨学金があるかチェックしておきましょう。
日本の財団や地方自治体の奨学金日本学生支援機構、経団連、柳井正財団、中島記念国際交流財団、笹川平和財団、船井情報科学振興財団ほか多数
JICA関連奨学金ABEイニシアティブ、JDS(人材育成奨学計画)

奨学金の応募には早期準備が不可欠です!
大学への出願締め切りより数ヶ月早く締め切られるものも多いため、1〜2年前から情報収集を始めることをおすすめします。

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開発学を学ぶ海外大学・大学院留学3

開発学が盛んな大学の特徴は、いわゆる「エリート大学」ばかりではないことです。

国をまたがって併願対策をしたり、学費で有利な大学を選んだり、興味のある分野に特化している大学を選ぶなど、他の学部と比べて開発学留学はしっかりとした情報収集と、自分の興味との向き合い方が格別に大切だと言えます。

後悔のない進学準備。綿密に進めよう!

グローバル化が急速に進む現在、社会課題は日々多様化しています。

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