【世界の中学・高校レポート】ネルソン女子中学・高校/ニュージーランド・ネルソン

まだ女性が教育を受ける権利が確立されていなかった1883年。ネルソン女子中学・高校(Nelson College for Girls)は、4人の女性教師によって設立されました。ダニーデン、クライストチャーチに次ぎ、ニュージーランドで3番目に古い歴史を持つ公立女子中学・高校です。

学校があるのは校名が示すとおり、ニュージーランドのほぼ中央に位置する街、ネルソン。別名「サニー・ネルソン(Sunny Nelson)」とも称されるネルソンは晴天率が高く、海と緑に守られた穏やかな地域です。ネルソンはアート文化が根付く街でもあります。南半球をはじめ欧州などから多くのアーティストたちがこの地に定住し、クリエイティブな活動と交流が行われています。

自然と文化の薫り豊かなこの街の老舗高校「ネルソン女子中学・高校」をガイドしていきましょう。

▼学校は、街の中心部や海から程近い丘陵地にあります。
ネルソン女子中学・高校

▼女子学生への教育を率先して行ってきた歴代の校長たち

30年に渡る留学生受け入れ実績

ネルソン女子中学・高校が留学生の受け入れを開始したのは1990年代。早くから国際教育の重要性に着目し、30年に渡って留学生受け入れを実施してきました。全校生徒約1100人のうち、約50~60人の留学生が常時在籍しています。

留学生の顔ぶれは多彩で、ドイツや北欧をはじめとするヨーロッパ、タイ・中国・香港・日本・ベトナム・韓国などのアジア諸国から留学生がやってきます。

▼留学生が入学初日からお世話になるのが、このインターナショナルハウス。ネルソン空港で寮のスタッフ、もしくはホストファミリーに出迎えられたのち、ここでオリエンテーションを受けます。

学校になじめるまで一人ぼっちにならないよう『バディ』と呼ばれるニュージーランド学生が留学生をサポートします。入学後は数日間、バディがつきっきりで学校生活を送り、落ち着いてから各自の授業へと入っていきます。

▼インターナショナルハウス内では、正規の授業についていくための英語の授業が行われています。

インターナショナルハウスでは留学生以外に、難民の学生も学習しています。実はネルソンは難民支援に対して積極的にかかわる街なのだとか。日本人留学生も、難民としてニュージーランドに渡ってきた学生たちと、英語クラス等を通じて交流を持ちます。同年代でありながら境遇の違う学生たちとの触れ合いが、グローバルマインドを育てていきます。

▼ネルソン女子中学・高校では創立以来『アカデミック・スポーツ・カルチャー』のバランスを重視した教育を行ってきました。この日の体育館ではニュージーランドの国民的スポーツ、ネットボール(※)が行われていました。

(※ネットボール:イギリス連邦の国・地域を中心に世界70カ国でプレーされているスポーツ。バスケットボールをベースに女性選手向けに改良されている。)

▼大講堂

公立校ならではの多様性

ネルソン女子中学・高校の学生たちは、見知らぬ私たち取材チームにも元気にあいさつをして通り過ぎていきます。礼儀正しくさわやかな彼女たちの振る舞いを見ていると、一見「お嬢様学校」かのようにもみえるものの、校長のキャシー・エウィングさんによれば実際には多様な学生の集まりなのだそう。

(エウィング校長)
「学生たちはバラエティに富んでいます。ネルソン女子中学・高校は公立校なので、富裕な家庭出身の学生もいれば、経済的に恵まれてない家庭の子もいる。ただ、ひとつ共通していると私が思う特徴は、みなフレンドリーで、自分のやりたいことを一生懸命やる子たちだということです。

日本から来る留学生のみなさんが、こちらに来る前に準備できることと言えば、自己紹介とあいさつができる英語力をつけておくことですね。あと、少しだけニュージーランドってどんな国なのかを知っておくと、スムーズに生活に入りやすいと思います。とはいえ、日本とネルソンは天候も環境も大きく違うわけではありません。すぐに生活に慣れますよ。」

ピンク色のドレスがよく似合うエウィング校長ですが、校長は単に「ピンクが好き」でこのドレスを着用しているのではありません。ネルソン女子中学・高校の校長という立場上、ピンクのドレスは大事な意味を持っているのです。

その理由は、ネルソン女子中学・高校で導入している『ハウス』制度。『ハウス』とは学生同士の結束を高める学内チームのようなもので、下級生から上級性まで、学生はみなどこかのハウスに所属します。

ネルソン女子中学・高校の各ハウスは赤・青・黄・緑・紫の5つの色に分かれています。校長がピンクを纏うのは、そのいずれの色にも加担していないことを示すためなのです。

▼学生寮はキャンパス内にあります。入寮生は『紫』に所属するのだとか。

留学生は入寮しても良いし、ホームステイもできます。現在、寮生とホームステイ生の割合はほぼ半々。どちらの滞在先を好むかは出身国によって傾向があるそうで、不思議とドイツ人留学生はみなホームステイを選ぶのだとか。

▼寮内にはピアノのほかエレクトーンが置いてある広いラウンジがあり、音楽を楽しむこともできるようです。

▼寮をはじめ校内を案内してくれた日本人留学生のRIKOさんとAYANOさん。

二人のインタビューが「ぜんぜん内向きじゃない日本の若者たち【ニュージーランド編】」に掲載されています。ぜひご覧ください。

《まとめ》ネルソン女子中学・高校に向いているのはこんな人!
・留学生受け入れ体制がしっかりした学校に行きたい人。
・多様な学生たちと友だちになりたい人。
・海と自然あふれる街で高校生活を送りたい人。
・歴史ある高校で学びたい人。
・女子高に行きたい人。

ネルソン女子高校ホームページ http://www.ncg.school.nz/

続きはこちら >> 『【世界の専門留学レポート】ニュージーランド・ラグビー留学『ゲームオン イングリッシュ』

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取材協力:
ニュージーランド大使館 エデュケーション・ニュージーランド
ニュージーランド航空

文: 若松千枝加(留学プレス編集長・留学ジャーナリスト)

ネルソン女子中学・高校
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