外務省は日本とマルタの間でワーキングホリデー協定に関する話し合いが開始し、加速化すると発表しています。
現時点では正式な協定締結はまだ行われていませんが、合意に向けた動きは着実に進んでおり、取材では前向きな話し合いが進んでいることが外交関係筋から伝わっています。
協定が結ばれるとどうなる?可能になること一覧
ワーキングホリデー制度がスタートしていない現時点でも、すでにマルタでは3か月以上滞在する長期留学生であればアルバイトが許可されています。
そのため、今すぐにでも仕事しながらマルタに長期滞在することは問題なくできるのですが、ワーキングホリデーが導入されればさらに自由度が高い制度になるものと予想されます。
現時点での2つのビザの違いを見てみましょう!
▼ワーホリと留学、比較早見表
留学 | ワーホリ(※予測) |
3か月~上限なし。 3か月未満の短期留学生はアルバイト不可。 | 他ヨーロッパ各国のワーキングホリデーでは約1年間の滞在が可能 |
語学学校で週15時間以上の授業を受講しながら、放課後や週末に働くことができる | 語学学校に通いながら、放課後や週末に働くことができるし、語学学校に通わなくても働くことができる。 |
働けるのは週20時間まで | 時間上限が設けられるかは未定。 多くの他国事例で上限はないが、時間数や同一雇用主など一定の条件を設けている国も一部あり。 |
滞在の主な目的は「学習」。 | 滞在の主な目的は国際交流と自由な滞在。 |
開始時期の予測
他国とのワーキングホリデー協定では、協議開始から1〜2年後に制度が発足する例が多いです。早ければ来年早々にスタートする可能性もあるでしょう。
ただし、なかには協議開始から一向に進展が見られない国もあります。たとえばイタリアとは協定の署名まで行われているにも関わらず、約3年の間、具体的な続報がもたらされていません。イタリアとマルタは国同士の距離が近いだけでなく、その「のんびり具合」もちょっと似ているため、ちょっと心配ですよね。
ワーキングホリデーは二国間の相互協定なので、協議スピードは日本とマルタ双方の積極性や社会状況にも左右されます。
マルタは日本からの留学生や旅行者を含む訪問者を増やしたい意向を持っている国のひとつ。その意味でも、ワーホリの早めの開始も期待したいところです!
想定されるマルタワーホリの年齢制限・滞在条件とは?
他国の協定(例:フランス、ドイツ、スペイン等)を参考にすると?
一般的に日本とのワーキングホリデー協定では、次のような条件が多くの国で共通しています。
- 年齢:18〜30歳
- 滞在期間:最長1年間が一般的(最長2年~3年という国もあり)
- ビザ申請時に健康診断・犯罪経歴証明などの提出が必要な場合あり
マルタとの協定でも、これに近い内容になる可能性が高いと予測されます。
どんな過ごし方が一般的?
ワーキングホリデーとはそもそも、若い世代の人たちが旅や交流を通じてお互いを理解することが目的の制度です。アルバイトや通学は、その滞在の助けとなるために認められているにすぎません。
そのため、ワーキングホリデー期間中の過ごし方も人それぞれ自由に組めるのが魅力のひとつ。「語学学校に数ヶ月通って、その後アルバイトを始める」のもいいし、「街を移動しながらアルバイトや学校へ行く」「アルバイトでお金を貯めたら旅をして、また違うバイトをする」といった柔軟なスケジュールが組めます。
ワーホリをキャリアに活かす
ワーホリ制度の本来の目的は交流ですが、実際はワーホリをうまく活用してその後のキャリアに活かしている人も多くいます。
現地で見つけた仕事をベースに海外での就労ビザにつなげたり、日本に帰国する際にも職務経歴としてアピールし、グローバルな業界に就職する人もいます。
マルタのワーホリ制度が始まったらできること【予想】
「学ぶ×稼ぐ×楽しむ」
マルタは、世界有数の語学学校大国!
「語学学校は英語力を伸ばすところ」と思われがちですが、マルタの場合は個性豊かな語学学校自体を経験して、楽しむのもおすすめです。
学校はそれぞれリゾート感あふれるガーデンやプール、カフェなどを併設していたり、エーゲ海や世界遺産などマルタの奥深い名所を訪ねる遠足なども充実。
なかにはキャリアにつながるコースを持っていたり、アートや料理などマルタの文化そのものを身につけられるコースもあります。
いろんな国籍の友達を作り、学校以外の時間でアルバイトも経験すれば「学ぶ×稼ぐ×楽しむ」が同時に実現します。
仕事探し事情
マルタの主要産業は観光業。特に夏のシーズンには、ホテル・レストラン・カフェでの求人が増える傾向があります。
また、マルタ特有の業界が「iゲーミング」。iゲーミングとはオンラインカジノ関連の仕事のことを指します。
マルタはラスベガスやマカオのようにカジノが合法で、巨大産業となっています。オンラインカジノはマルタの成長分野のため、関連する求人が多数あります。
英語力はどのくらい必要?
マルタの公用語はマルタ語と英語です。マルタ語はほぼ必要なく、日常の生活や仕事では英語力があれば大丈夫です。
希望業界にもよりますが、マルタで仕事を得るためには最低でも中級レベル以上の英語力は身につけておく必要があります。
ワーホリ開始までは「留学」または「ノマドビザ」
ワーホリがすぐにでも開始されればこんなに嬉しいことはありませんが、こればっかりは政府間協議のため、朗報を待つしかありません。
施行を待つ間に年齢上限を迎えてしまう人もいるでしょうし、自分のキャリアや結婚、介護など人生の分岐点を計画するうえでも、代替手段も検討しておきましょう!
長期留学ビザで働く
上述の表でもお伝えしたとおり、マルタに3か月以上留学する人には学生ビザでアルバイトが許可されています。
現在「マルタで働いてみたい」「働きながら一定期間マルタで暮らしてみたい」という人の第一選択肢が学生ビザとなっています。
学生ビザでマルタで働くためには学生ビザで渡航し、現地で就労許可を申請します。
語学学校のなかにはアルバイトや就労のためのサポート窓口を設けていたり、履歴書作成のサポートや面接対策などさまざまな形でマルタでのアルバイトを応援するワークショップを開催する学校もあります。
語学学校を選ぶ際には、そういったサポートが充実しているかを目安に検討するのも重要ですね!
ノマドビザでリモートワーク
ヨーロッパを中心に、リモートワーカーが滞在できる「ノマドビザ」を発給する国が増えていますが、マルタは「元祖ノマド大国」のひとつ。
マルタには「Nomad Residence Permit」という1年間のノマドビザがあり、マルタ国外の仕事をするデジタルワーカーで一定以上の収入がある人を対象に発給しています。
30歳までの年齢上限があるワーキングホリデーと異なり、ノマドビザ取得者は年齢も多種多様。世界各国から多くのノマドワーカーがマルタで仕事をしながらリゾートライフを送っています。
日本とヨーロッパの時差をうまく使いながら、マルタで語学学校に通いながら日本の仕事をするなんてことも可能!使い慣れている日本語でリモートワークしながらの留学生活も、選択肢のひとつとして検討してみては?
費用を抑えてマルタ留学するには?
マルタの生活費・家賃相場
家賃は都市部で月600〜800ユーロ程度(シェア含む)が目安。食費・交通費・通信費を含め、月800〜1,200ユーロ程で生活が可能です。ヨーロッパ諸国の中では、比較的リーズナブルな物価と言えるでしょう。
アルバイトで得られる収入目安は?
マルタの最低時給は週218.78ユーロ(2025年)、日本円で約36,000円です。平均時給も約800円~とさほど高い時給ではないため「海外でがっぽり稼ぐ」「バリバリ働く」ということを目的としている人には、マルタはあまり向いていないかもしれません。
どちらかと言えば「のんびりとリゾートライフを送りたい」「日本を離れて世界の人と楽しく交流したい」「ヨーロッパのなかでも治安が比較的良く、海を見ながら暮らしたい」といったリラックス派に向いていると言えるでしょう。
収入面ではさほど期待できないため、現地でどの水準での生活を送りたいかにもよりますが、1年間マルタにワーホリで滞在するのであれば最低でも約100万円~150万円ほどの貯金は持っておくのがおすすめです。
マルタに興味が湧いたら
マルタのワーキングホリデー制度はまだ正式には始まっていませんが、水面下での協議は進行しているようです。早めの導入が期待されますね!
制度が始まれば、費用を抑えて英語を学び、仕事も体験できる大きなチャンス。ワーホリの最新情報を含め、代替手段や語学力の準備、費用情報などもチェックしておきたいですね。
マルタに興味を持っている方には留学各社がそれぞれ入手している最新情報をお配りしています。この機会に、ぜひ入手しておいてくださいね!