イギリスの大学院進学を考える際、どうしても課題になるのがIELTSのスコアではないでしょうか。規定のスコアまであともう少しなのに、なかなかクリアできない・・・と悩む方は結構多いものです。今回は、そんな悩みを抱えた方にぜひ知って頂きたい、本コース前にアカデミック英語を学ぶ「プレッセッショナルコース」を紹介します。
西 梨月(イギリス大学院生) テーマ:留学、イギリス、大学院留学、他 高校、大学時代に2度交換留学を経験。大学在学中には貧困問題に興味を持ち、途上国でボランティアを行う。 大学卒業後、人材サービス会社で営業を経験[…]
プレセッショナルコースとは?
イギリスの大学院では、コース規定のスコアに少し満たない状態で出願しても、条件付き合格(conditional offer)がもらえる場合があります。これは、入学までに規定のスコアをクリアできたら入学を許可する、という条件がついている仮合格のことです。本合格を手にするためには、IELTSのスコアを上げなくてはいけませんが、なかなか一筋縄ではいかないものです。
そこで選択肢のひとつにあがるのが、各大学が提供する「プレセッショナルコース」への参加です。プレセッショナルコースとは、主に大学院の本コースに進む前にアカデミックライティングやプレゼンテーションなどを学ぶコースで、コース修了時までに規定のIELTSスコア以上に学力を伸ばすことを目標にしています。
足りていないIELTSスコアに合わせて、約2~30週間の受講期間が設定されているのが一般的。例えば、規定のスコアに0.5点足りなければ5週間コース、1点足りなければ10週間コースに参加する、というようなかたちです。もちろん、すでに規定のスコアに達していて、合格をもらっている方もプレセッショナルコースに参加することができます。
プレセッショナルコースで学ぶ内容
では、プレセッショナルコースでは具体的に何を学ぶのでしょうか?
授業や課題をこなしていくために必要なリスニング、スピーキング、リーディング、ライティングを総合的に学びますが、最も重点的に学ぶのは、アカデミックライティングです。
本コースでは、課題として論文を書いて提出することが多く求められます。アカデミックライティングの構成に始まり、文献やデータの探し方、要約、引用、効果的な表現、批判的な分析方法など、今後論文を書くにあたって必要なことを全て教えてくれます。コース修了までに、2000~3000字の論文提出が課題になっていることもあり、実践的に学ぶことができます。
その他にも、プレゼンテーションやディスカッションの練習、リスニングやリーディングの練習もあり、総合的にアカデミック英語を習得することが出来ます。
プレセッショナルコースのメリット&デメリット
プレセッショナルコースのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
メリット
・本コースに進む前にしっかりとアカデミックライティングの基礎を学べる
・事前に学校の施設や図書館、使えるリソースを知ることが出来る
・事前に友人や知り合いをつくることができる
・本コースほどスケジュールがタイトではないので、町の様子を見て回る時間がある
・受講者はネイティブではないので、あまり引け目を感じずに英語に慣れることができる
デメリット
・費用の負担(授業料と寮や宿泊費)
・早めの渡英が必要
・プレセッショナルコースと本コース開始までに1~2週間、期間があく場合がある
プレセッショナルコースに参加するためには、本コースのスタートよりも早く渡英をする必要があります。しかし、時間をつくれる方にとってはイギリスでネイティブスピーカーや留学生と交流しながら、しっかりアカデミックイングリッシュを身に付けられるという心強さを手に入れられます。有意義な本コースのスタートのためにはプレセッショナルコースの受講も検討してみる価値があるでしょう。