一般の人でも海外現地で活動できる「海外ボランティア」。プログラム内容によっては滞在費や食費などが込みになっていたり、海外で意義の高い活動ができたりなど、旅行とはまた一味違った魅力がある海外ボランティアは、近年人気が高まっています。
海外ボランティアはさまざまな団体や企業がプログラムを提供していますが、ボランティアという性質上、提供元によって現地での対応方法やスタッフ、滞在方法などが異なります。海外ボランティアをするならできるだけ格安で、そう考えている人も多いと思いますが、価格だけで選ぶのは危険です。
海外ボランティアの選び方のポイントについて、基本や費用と合わせてご紹介します。
海外ボランティアに興味がわいたら
海外ボランティアの基本
まずは海外ボランティアの基本について見ていきましょう。海外ボランティアは、学び中心の「スタディツアー」と、活動中心の「ボランティアプログラム」に大別することができます。
それぞれどのような内容なのでしょうか。
海外ボランティアには大きくわけて2種類ある
海外ボランティアは、大きく分けて次の2つに分けることができます。
【海外ボランティアの種類】
ボランティアの種類 | 内容 | 宿泊先 |
スタディツアー | 学びが中心。 ガイドがつくことが多く、バスなどでボランティア先の施設を訪問し、視察や交流・ワークショップなどをおこなう | 主に市内のホテル |
ボランティアプログラム | 活動中心。 現地スタッフと共に生活を体験しながら、衛生活動や文化交流、看護・建設などのボランティア活動をおこなう | 主にホームステイや団体指定の滞在施設 |
海外でのボランティア活動では国境を越えて助け合うという貴重な体験をすることができ、旅行や留学では得られない発見もあるでしょう。一方、旅行者気分で活動中に写真ばかり撮っていたり、ボランティア同志で話ばかりしているケースも見受けられます。
海外ボランティアでは、ボランティアの一員として活動していることを忘れずに意識しましょう。
格安海外ボランティアの選び方
海外ボランティアの行先やプログラムなどには数多くの選択肢があります。海外ボランティアを選ぶ際に費用が気になる人も多いと思いますが、安さだけに飛びつくのは危険です。格安でも安心して海外ボランティアを選ぶポイントはどこにあるのでしょうか。費用感も合わせて確認していきましょう。
海外ボランティアにかかる費用の目安は?
海外ボランティアのプログラムにはさまざまなものがあります。多くの場合、プログラム費用に航空券や現地の宿泊費や食費などの生活費、ボランティア以外の学費(学生ビザの場合)は含まれていません。ただしボランティアの種類によっては、ボランティア中の宿泊や食費が無償で提供されるケースもあります。プログラム費用に何が含まれているかを確認し、滞在期間中にトータルでどれくらい費用がかかるのか、しっかり把握しておきましょう。
またボランティアだけでなく、語学学校とセットになっているプログラムなどもあります。ボランティアの内容・期間・費用・行先など、優先順位を決めて選んでいきましょう。下記は海外ボランティア費用の目安となりますので、参考にしてみてください。
【国別海外ボランティア費用の目安】
国名 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 半年 | 1年 |
アメリカ | 15~40万円 | 25~90万円 | 50~145万円 | 80~270万円 |
カナダ | 15~45万円 | 30~80万円 | 50~125万円 | 100~210万円 |
オーストラリア | 15~45万円 | 30~90万円 | 60~145万円 | 100~270万円 |
ニュージーランド | 15~40万円 | 30~80万円 | 50~120万円 | 90~210万円 |
イギリス | 15~50万円 | 30~100万円 | 50~170万円 | 100~330万円 |
ハワイ | 20~50万円 | 50~110万円 | 90~170万円 | 170~330万円 |
格安海外ボランティアはどう選ぶ?
海外ボランティアを選ぶときには、「提供事業者のタイプ」と「提供歴」をまずチェックします。提供事業者のタイプのうち、大学のボランティアサークルやNGOなどのボランティア団体、現地団体は比較的費用がリーズナブルです。
提供歴については10年以上が目安となり、長ければ長いほど安心です。費用だけで選んでしまうと、現地で何かあった場合に対応できないなどのトラブルに見舞われる可能性もありますので注意してください。そのほか旅行代理店やボランティアエージェントなどの場合は、日本での会社運営費や人件費、広告宣伝費も含むためその分の費用がプラスになりがちです。
下記に海外ボランティアを選ぶチェックポイントをまとめていますので、参考にしてください。
【海外ボランティアを選ぶポイント】
主宰者・提供者 | ・JICA、国、NGO、大学(ボランティアサークル)、旅行会社、学校(研修)、留学エージェントなど ・提供者には「直営」「代理」がある。代理の場合は手数料などがかかる場合も・旅行業登録があると基準を満たしている一定担保となり安心 |
提供歴 | ・10年以上が目安 ・社歴ではなく海外ボランティアの提供歴をチェック |
実績・レビュー | ・参加者数や体験談 ・できるだけ多くの体験談があると良い |
安全性 | ・プログラム自体に無理がないか(ボランティア内容と派遣人数など) ・主宰団体・提供団体は不足の事態に対応できる規模であるか(対応人数など) ・現地スタッフ(どんな人が現地で対応するのか) |
補償 | ・提供事業者がどのような補償体制 ・中止時の対応 |
海外ボランティアで何ができる?
海外で可能なボランティアには、次のようなさまざまなプログラムがあります。
支援目的型
多くの方がボランティアと聞いてイメージするのが、このタイプです。このタイプはアジアやアフリカを中心に、生活や教育・医療面などを支援します。具体的には食べ物や医療などを配布したり、医療機関で手伝いなどをします。日本では想像もつかないような生活の方々をボランティアで支援することで、多くの学びも得られるでしょう。
災害ボランティア型
地震、台風、津波などの自然災害時の復旧作業に従事するボランティアです。個人で赴くことも可能ですが、大規模災害の場合は国や政府が主体となってボランティアを募ったり、指示を出したりすることもあります。地震や津波などがボランティア中に再来する可能性や、二次災害の可能性もありますので、十分な注意が必要です。
介護・育児ボランティア型
子供達の放課後や老人ホームでのボランティアをするタイプです。日本の介護・育児ボランティアのイメージ同様、介護ボランティアでは老人ホームや障がい者施設で介護を支援し、育児ボランティアでは放課後のアフタースクールや幼稚園・保育園などでボランティア活動をおこないます。
人とのコミュニケーションが基本のボランティアなので、ボランティアを通じた語学力アップも期待できます。
講師・教育ボランティア型
海外の学校で、日本語教師のアシスタントをしたり、子どもたちに日本文化を教えるボランティアです。教えてあげたことを子どもたちができるようになっていく姿に、きっと感動を覚えることでしょう。こちらもコミュニケーションをとりながらのボランティアとなるため、語学力アップが期待できます。
環境・動物保護型
アフリカやオセアニアを中心に、自然豊かなエリアでは海をきれいにするボランティアや、森林保護などのボランティアもあります。ボランティアをしながら環境問題を体感することができ、自然の大切さを改めて考えるきっかけになるでしょう。動物保護方は野生動物などの保護センターや、捨て犬・捨て猫を保護するシェルターなどでのボランティア。動物好きにはもってこいのボランティアと言えるでしょう。
格安海外ボランティアはポイントをしっかり見極めて!
ボランティア活動を通して社会的意義の高い活動をしながら、海外生活や現地の人々とのコミュニケーションも楽しめる海外ボランティア。ボランティアという特性上、滞在費が安いプログラムもありますが、ボランティア活動はボランティアの対象となる人やモノ、ボランティアの運営団体、現地スタッフ、ボランティアをする人と、多くの人たちが関係します。
費用だけで選んでしまうと、現地で何かあった場合や、渡航前に連絡がとれなくなる、事前の説明と異なるボランティア活動に従事させられるなど、トラブルの原因になりかねません。
ボランティア主宰する団体・提供する団体のポイントを見極め、費用と信用度、プログラム内容のバランスをしっかりチェックしましょう。
(留学プレス編集部)