ニュージーランドの水族館ボランティアで考える「動物と人間の共存」~Rie Kawata(ニュージーランドでワーホリ中)

ニュージーランドへのワーキングホリデーを決めたとき、前職(水族館飼育員)の関係柄、動物園や水族館などの飼育施設や自然に暮らす動物たちに会うということを目的のひとつとしました。訪れる町に動物に関わりのある施設があるときは訪れるようにしています。
 
今回お届けするレポートはニュージーランドのウェリントン動物園とネイピアにある国立水族館。そこには「ありのまま」をみせる展示がありました。
 

ウェリントン動物園

ニュージーランドの首都、ウェリントンのシティ中心部からバスで約20分のところにある、ニュージーランド最古の動物園がウェリントン動物園です。
 
この動物園には敷地内にベット・イン・ザ・ネスト(Vet in The Nest)という動物病院があり、誰でも訪ねることができます。毎日時間を決めて動物たちの治療や健康管理を公開。私が訪問したときはミーアキャットのマイクロチップや健康チェックを行っており、マイクでどのような処置をしているのかを解説してくれました。
 
また、獣医さんに質問することも可能です。手術室や処置室、海辺の動物のためのリハビリプールなど、充実した施設があります。
 
動物園で実際に行なっている処置や手術について、公開している施設を日本ではなかなか目にしません。入口の看板では時間と処置内容が告知されており、興味があれば見学できます。こういった処置を隠さずに見せることで、動物園でどのように動物の健康を維持しているのか、動物園の役割についてビジターに学んでもらうきっかけを作ることができるのでしょう。
 
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ニュージーランド内の多くの飼育施設ではキウィ(kiwi)を飼育しています。ウェリントン動物園でもキウィが飼育されており、ここには保護された個体がいます。キウィエリアのエントランスに、片足を失ったキウィがいました。キウィ・トーク・タイム(Kiwi Talk Time)での飼育員さんの説明によると、罠にかかって足を切断したそうです。彼は保護され展示飼育されています。野生復帰は難しいですが、片足でもジャンプしながら移動し、元気に暮らすキウィに会うことができました。
 

ナショナルアクアリウム・オブ・ニュージーランド(National Aquarium of New Zealand)

ニュージーランド北島の東海岸ネイピアにはナショナルアクアリウム・オブ・ニュージーランド(National Aquarium of New Zealand)という国立水族館があります。
 
水族館と言ってもイルカやアシカはいませんし、華やかなショーもありません。ここではキウィ(Kiwi)やブルーペンギン(Blue Penguin)、サメなどの魚たちに会うことができます。この水族館にはところどころでビジターに環境問題を訴えかけるような展示を行なっています。
 
例えば、ウミガメの水槽の隅にはウミガメの内臓のレントゲン写真を載せていて、胃の中にはプラスチックやビニール袋などのごみが写っています。その隣のパネルには海に浮かぶビニール袋とクラゲが一緒に写った写真があり、「あなたはクラゲとビニール袋を見分けることができますか?ウミガメたちはできません」との呼びかけがあります。
 
ここのペンギンたちは何かしらの理由によって保護された経歴をもっています。外敵のアタックにより目を損傷していたり、漁獲ネットが絡まってどちらかのフリッパーを失っていたり、今後野生で暮らしていくことが難しいと考えられる個体ばかりです。彼らの紹介パネルの横には、環境問題を訴えかけるボードが展示されています。1日3回ペンギンたちのご飯の時間に、飼育員さんがペンギンたちの紹介も行なっています。
 
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今回、私はボランティアワーカーとして数日間水族館のお仕事のお手伝いをしてきました。そこで飼育員のスタッフさんに保護個体を展示することについてお話をうかがいました。
 
「保護したペンギンを展示することで、ビジターによりダイレクトにわかりやすく環境問題を伝えることができます。これが、ビジターひとりひとりの行動を変えるきっかけになってくれればいいなと思います」と、素敵な笑顔で答えてくれました。
 
自然との距離が近いニュージーランド。海岸を歩いていると、動物たちについての看板を目にすることもあります。
 
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この海やビーチは私たち、人間だけが暮らす場所じゃなく、動物や生き物たちも一緒に暮らしています。彼らが何かしら私たちの悪影響を受けているということを学んでもらう、知ってもらうということをとても重要だと感じているニュージーランドの動物施設。だからこそ、ありのままの彼らの姿を見せることでビジターに訴えかけているのでしょう。
 
文:Rie Kawata(ニュージーランドでワーホリ中)
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