日本では 12 月 25 日を過ぎたら一気に年末モードですが、イギリスや英連邦の国では、クリスマスの翌日はボクシング・デー(Boxing Day)という祝日があります。
ボクシングといっても、スポーツではありません。ボクシング・デーは、もともとはクリスマスも仕事をしなければならなかった使用人や郵便配達員のための休日で、彼らにも箱(Box)に入れた贈り物が渡されたことに由来します。
ボクシング・デーは冬のバーゲンセールが始まる日としても有名
ボクシング・デーは日本の正月セールに似た感じで、大幅な値下げバーゲンセールをします。
ブランド物バックなどを定価の50%-70%で売り出す事もあり、早朝から多くの人が入り口前に列を作って待ちます。店は通常よりも早く開店しますが、イギリス子供服で人気のNEXTと言う店はなんと朝5時からオープンします。70 % オフの商品を買うために、深夜から並んで待っている姿は、日本の福袋を待つ人達と同じですね。
イギリスの冬の風物詩とも言えるこのボクシング・デーのバーゲン
しかし、最近のイギリスはちょっと様子が違います。
あるお店では、ネットでオンライン・セールを、しかもクリスマス・イブからスタートしています。又、実店舗でも年々このセールがクリスマス4日前から前倒しし、最後の駆け込み客を捕まえようと必死になっているようです。
また、クリスマス3日前くらいから、クリスマスカードや飾りなどが70%オフをする事があり、賢い客はこの時に来年の為にカード100枚入りボックスを破格で購入します。
時代はオンラインショッピング、イギリスの買い物事情
オンラインショッピングは混雑した街へ行かなくても良く、本当に便利。しかし、あの雑踏の中へ飛び込んでいくのも、ボクシング・デーのバーゲンの楽しみと言う人もいるでしょう。筆者も一度店頭でのバーゲンに参戦したことがありますが、朝から店内には袋をいくつも下げた人々でごった返し、少しずつしか歩けないほど大盛況でした。
クリスマスは家族と過ごす大切な時間、しかしインターネットに奪われてしまうの?という議論がイギリスで交わされています。英紙ガーディアンの記事“Retailers kickstart Boxing Day sales … on Christmas Eve”では
「昔はテレビの前に座っていたが、今はスマホといったガジェットに代わっただけ。」
「買い物に出かけるのとは違うので、取り立てて騒ぐほどのことじゃない」
など、といったものまで、さまざまな意見が飛び交いました。
ちなみに筆者の意見は、マウスやタブレットをボクシングのごとく連打しながら、暖かい室内で家族とどっちがいいかなんてワイワイ話すのはバーゲンに出かけるより、楽でなかなかいい時間が過ごせるのと思う派です。
ずっと欲しかったあのアイテムが、「最大 70 % オフのチャンス! 早い者勝ち」なんて書いてあるのを見たら、気になって仕方がないのも人間の性。どんな風に過ごされるにしても、年末年始が皆さんにとっていい時間になりますように!