カーティン大学は1966年に設立された比較的新しい大学です。年々評価が高まっており、創造性あふれる活気に満ちた環境とユニークな学校カリキュラムが魅力です。
留学生対応に高い評価があるだけでなく、急速に世界規模で拡大している国際的な大学でもあります。現在、キャンパスは西オーストラリア州の2都市(パース・カルグーリー)、マレーシア、シンガポール、ドバイ、モーリシャスにあります。
ここではカーティン大学の学部、特徴、費用、入学条件についてご紹介します。また、世界的に有名なデザイナー、ジミー・チュウ氏が監修に参加しているファッション学部の模様やキャンパスの様子を取材しましたので合わせてご紹介します。
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カーティン大学の難易度や偏差値、ランキングは?
オーストラリアの大学入試は筆記試験ではないため、偏差値制ではありません。書類審査と最終学歴の内申点に大きな比重があります。
難易度の目安として偏差値の代わりとなるのが世界ランキングです。年々順位が上がっているカーティン大学の最新総合ランキングは世界で230位(QS世界大学ランキング2020)です。
入学要件については後述しますが、もともと必要な英語条件が6.5だったところ、近年6.0に緩和されました(学部によって異なります)。少し入学難易度が下がったことは朗報ですね。
日本の高校を卒業してからカーティン大学に入りたい人は、ファウンデーションコースという「大学進学準備コース」を経て進学するのが一般的です。高校の成績や英語力に自信がない人でも、ファウンデーションコースでしっかり学び、規定の成績を修めればカーティン大学への入学は大いに可能性があります。
現在、ぐんぐんとランキングを上げているカーティン大学。10年後にはかなりの難関校になっている可能性もあり、今はチャンスとも言えます。
カーティン大学の学部
学部一覧
下記の学部のもと、細かい学科に分かれています。
農業、環境、持続可能性 | Agriculture, environment and sustainability |
建築と建設 | Architecture and construction |
芸術とクリエイティブ産業 | Arts and creative industries |
ビジネス、管理、法律 | Business, management and law |
文化、社会、先住民 | Culture, society and Indigenous |
教育 | Education |
エンジニアリング、鉱業および関連技術 | Engineering, mining and related technologies |
健康 | Health |
情報技術 | Information technology |
物理科学と数学 | Physical science and mathematics |
理工系、看護学などが人気
カーティン大学は2010年に改名されるまでは『カーティン工科大学』でした。そのため、現在も理系科目には定評があります。
特に世界基準で評価が高いのが『鉱物・鉱山工学』で世界第2位(2019)、次いでは地球・海洋科学でトップ40、建築/建築環境、教育、スポーツ関連の学部などがあります。
留学生から人気が高いのが看護学科で、日本で正看護師として3ヶ月以上の勤務経験がある人は1年間でオーストラリアの看護学部卒業資格が得られるという「ナーシング(看護)コンバージョン」コースにも注目が集まっています。
即戦力を育てる方針
カーティン大学の指針として、学生に卒業した時点で即戦力となれるスキルと知識をつけさせることがあげられます。
模擬病棟、株式市場のトレーディングルーム、デジタルマーケティング代理店など、テクノロジーを駆使して実際の職場が再現されています。
ファッション学部にはジミー・チュウ氏監修プログラムも
(※2016年取材当時)
「ジミー・チュウ(JIMMY CHOO)」の創始者のひとり、ジミー・チュウ氏から直接ファッションの授業もカーティン大学では受けられます。
チュウ氏は「私が父から教わったように、若い人に伝えたい」として、インターンシッププログラムを実施しています。学部主催のファッションショーから1名を選抜し、チュウ氏自らが一年間、この学生のメンターになります。
チュウ氏はカーティン大学全体の「グローバル・アンバサダー」ならびに、カーティン大学人文学部の特別教授をつとめています。もちろん常駐しているわけではありませんが、多忙極まるチュウ氏が、そこまで学生のために力を尽くす理由は何なのでしょう。チュウ氏はインタビューでこう語っています。
「靴デザイナーであり、師である父を、私はずっと尊敬してきました。そして、今度は私のスキルをお見せする番なのです。私のハートと知識を社会に還元し、学校に還元し、若い人たちに学んでほしいのです。」
Throughout my career I have always respected my father, a shoe designer, and my teacher for giving me a skill,I now want to show people this skill. I want to put my heart and knowledge back into society, back into school and the young people so they can learn something.
Curtin Universiy Media Release, 2015/04/21
▼チュウ氏のメンターシップを勝ち取ったマロリーさん(2015年)
マロリーさんはインターンの模様をインスタグラムに#meandchooにて公開。ファッションの最前線で得た貴重な体験の数々をシェアしているので、関心のある方はぜひチェックを!
職歴が3年以下でも入学可能なMBA
カーティン大学ビジネススクールはオーストラリア最大級のビジネススクールのひとつ。70か国以上から来た15,000人の学生が在籍しています。同ビジネススクールでは大学・大学院を通じて多彩なプログラムを開講しています。
そのうち、注目のコースが「MBAグローバル(2年間)」。職歴が3年以下でも、大学卒業資格(学士号)を持っていれば出願することができるMBAです。MBAグローバルコースでは、管理職候補への道筋を短縮すべくリーダーシップやマネジメントについて実践を通じて学びます。
一方、3年以上の職歴がある方には1年で修了できる「MBA」コースがあります。中間および上級管理職を対象とし、産業界を背負ってたつ人材の育成を目指します。
▼筆者が訪問したときは、最先端のSNS解析ツールを使った市場のターゲット分析が行われたところでした。元は「カーティン工科大学」であった同大だけに先端技術に強みを発揮します。
国際的でクリエイティブな校風
カーティン大学は100カ国以上の国々から約17,000人もの留学生を受け入れています。世界中にキャンパスを持ち、世界を舞台に多様な活躍ができる学生を輩出することを目指しています。
その証としてカーティン大学ではしばしば「きみは、世界にどう影響する?(How will you impact the world?)」という言葉が聞かれます。
そんなカーティン大学のキャンパスは、創造性にあふれています。いま、カーティン大学の校舎の壁は、次々とアート作品へと塗り替えられているのです。もちろん、アーティストは学生自身。




大学名の由来は第二次世界大戦中/後を率いた第14代首相
カーティン大学の名前の由来は第14代オーストラリア首相であるジョン・カーティン。第二次世界大戦時の首相で、戦後はイギリスとの関係強化などオーストラリア経済・外交の発展に尽力した人です。
▼その名が冠されたアート・ギャラリーはオーストラリア国内でも充実の設備と作品数を誇ります。
カーティン大学の学費
学部により異なりますので、ここでは代表的な学部についてご紹介します。詳しくはカーティン大学HPを参照してください。
2022年度 | 1年間の授業料 |
ビジネス系学部 | 29,200豪ドル (約250万円) |
人文系 | 29,000豪ドル (約240万円) |
エンジニアリング系 | 35,700豪ドル (約300万円) |
カーティン大学への留学方法
留学生の入学基準は以下のとおりです。(参考:カーティン大学公式サイト )学部により異なりますので、希望の学部で必ず検索をしてください。
<英語能力>
IELTS Overall 6.0~6.5(全モジュールで6.0以上)
TOEFL iBT overall 79以上(Writing section 21以上、Reading section 13以上、Speaking section 18以上、Listening section 13以上)
Pearson English Test overall 58以上
※薬学・健康・看護・幼児教育等の専攻およびビジネススクールでは上記以上の英語基準が別途定められています。
※英語力が不足している場合は付属学校 Curtin English にて準備できます。
<最終学歴>
準学士号相当。日本の高校卒業後すぐに進学したい場合は、併設のCanning College他で開講している進学準備コースを経て入学できます。
カーティン大学で自由な気風を満喫しよう
カーティン大学は理系・工学系コースだけでなく、ヘルスケア、看護、アート、ファッションなどの分野で人気が高い大学です。MBAでも革新的なプログラムを導入し、新しいことが好きな学生にとっては毎日が刺激的な大学生活になるでしょう。
メインキャンパスのある西オーストラリア州は暮らしやすく、都市と自然が融合した美しい街。第二の故郷といえる場所になるに違いありません。
カーティン大学への留学に興味がある方は、この記事を参考にしながらぜひ充実した留学生活を手に入れてください!
取材協力:西オーストラリア州政府
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取材: 若松千枝加(留学プレス編集長)