ロンドンに1年留学するとしたら、費用はいくらくらい必要なのでしょうか。
本記事ではロンドン留学の費用をご紹介します。教育機関ごとの学費はもちろんのこと、留学準備にかかる費用、ロンドンでの暮らしの特徴や物価を参考にした生活費といった内訳を解説します。
ロンドンの生活費はイギリスの他の都市よりも割高になる傾向があります。ここでは、ロンドン留学で費用を抑えながら生活するコツもお届けします
最後まで読み進めていけば、ロンドン留学のためにどのくらいの留学資金を準備すればいいのかがはっきりわかるほか、ロンドンでどんな留学生活を送りたいかがイメージできるようになります。ぜひ参考にしてください。
気になる国のパンフレットがもらえる!
※2021年2月現在の為替レート(1ポンド=144円)にて計算
ロンドン留学の費用合計・1年間の目安

語学留学
ロンドンで語学学校に1年間通った場合の総費用は約360万円~400万円ほどです。
例:語学学校:マルバンハウス インターナショナル(Malvern House International)
ジェネラルイングリッシュコース (週15時間 フルタイム)授業料 | 9600ポンド (約138万2400円) |
入学金 | 110ポンド (約16,000円) |
教科書 | 140ポンド (約20,000円) |
入学許可証 | 21ポンド (約3,000円) |
ホームステイ代 (1人部屋/2食付き/ゾーン3) | 9840ポンド (約144万円) |
ビザ・保険・航空券代など | 30万円~40万円 |
現地交通費・おこづかいなど | 60万円~80万円 |
中学/高校留学
ロンドンで中学や高校に在籍した場合の総費用は約500万円~700万円です。
例:私立ボーディングスクール/ハロウスクール(Harrow School)
年間授業料(寮費/食費含む) | 42600ポンド (約614万円) |
申込料 | 350ポンド (約5万円) |
入学金 | 500ポンド (約7万円) |
ビザ・保険・航空券代など | 30万円~40万円 |
現地交通費・おこづかいなど | 60万円~80万円 |
専門学校留学
専攻内容や学校運営形態(私立/公立)などによって異なります。ここでは私立のインテリアデザイン専門学校を例にご紹介します。この場合、一年間の費用合計は約480万円~500万円です。
例: ケーエルシー・スクールオブデザイン(KLC School of Design)
インテリアデザイン フルタイムコース一年 | 19445ポンド(約280万円) |
家賃(ルームシェア) | 約70万円~100万円 |
食費(自炊・外食) | 約40万円~70万円 |
ビザ・保険・航空券代など | 30万円~40万円 |
現地交通費・おこづかいなど | 60万円~80万円 |
大学留学
大学の学費は専攻内容や大学によって異なります。ここではランキング上位校の文系学部を例にご紹介します。1年間の費用合計目安は約500万円~600万円です。
例:キングスカレッジ・ロンドン(King’s College London)
経済学部 | 20790ポンド(約300万円) |
家賃(ルームシェア) | 約70万円~100万円 |
食費(自炊・外食) | 約40万円~70万円 |
ビザ・保険・航空券代など | 30万円~40万円 |
現地交通費・おこづかいなど | 60万円~80万円 |
その他施設利用料や教科書代などがかかります。
大学院留学
大学院の学費は専攻内容や大学院によって異なります。1年間の費用合計目安は約400万円~800万円です。ここではキャリア重視系大学院の建築学部を例にご紹介します。
例:ウェストミンスター大学(University of Westminster)
建築コース | 13000ポンド(約187万円) |
家賃(ルームシェア) | 約70万円~100万円 |
食費(自炊・外食) | 約40万円~70万円 |
ビザ・保険・航空券代など | 30万円~40万円 |
現地交通費・おこづかいなど | 60万円~80万円 |
その他、書類発行手数料などがかかります。
ロンドン留学で授業料以外に必要となる留学費用の内訳

授業料以外に必要となる留学費用の内訳を見ていきましょう。
ビザ
一年間留学できるビザの種類と申請料金は次のとおりです。ビザ申請ルールは頻繁に変更になるため、申請料や申請条件については最新の情報をチェックしましょう。
- Student Visa (学生ビザ) 348ポンド(約5万100円)
長期留学生向けビザで、ビザの有効期限はコースの期間によります。
- Child Student Visa 348ポンド(約5万100円)
4歳〜17歳対象の学生ビザ
- Youth Mobility Scheme (YMS) Visa (ワーキングホリデービザ) 244ポンド(約3万5130円)
最長2年間滞在でき、就労可能なビザです。
IELTS受験料
2万500円〜2万9400円
学生ビザを申請する場合は、英語力を証明する必要があります。
留学時に受講するコース内容によって、どの種類のIELTSを受験するかは異なり、上記が当てはまらない場合もあります。
16歳以下の申請者、YMSビザは英語力の証明が必要ありません。
パスポート申請料
1万1000円(5年)/1万6000円(10年)
航空券
往復 約10万円〜20万円
閑散期はさらに安く、繁忙期は20万円を超えることもあります。
航空会社や経由地、乗り継ぎ時間などによっても金額に差が出るので、こまめにリサーチをし、ベストな日程を組みましょう。
通信費
1年 約1万300円〜17万2800円
必要に応じて通信料を買い足していく「パッケージプラン」と月々上限まで使える「長期契約」があります。
プリペイドSIM (Pay as you go) | 月額例 約6ポンド(約860円)〜約25ポンド(約3600円) |
契約式 | 月額例 10ポンド(約1440円)〜100ポンド(約1万4400円) |
短期留学の人や気楽に使いたい人は1か月ごとにパッケージプランを購入し、通話、テキストメッセージ、インターネットが利用できます。イギリスで購入したSIMを利用するには携帯電話がSIMフリー端末を持っていることが必要です。
データ通信量によって価格は上下しますが、通話・テキストは無制限という嬉しいプランも一般的です。
ちなみに私は現在月々10ポンド、データ通信量6GB、通話・テキスト無制限で快適に過ごしています。
一方、携帯電話本体の購入料金・データ通信・通話/テキスト料金を長期契約して月々支払う方法もあります。最初に頭金を支払い「契約期間最低2年以上」など縛りがありますので、長期留学の人に向いています。
家賃/滞在費
イギリス、特にロンドンは家賃が高いことで有名です。
その中でも中心部近くのゾーン1、2内は割高。快適な学生生活を送るのに、部屋選びは慎重に行わなければいけません。
タイプ別の家賃相場をお伝えいたします。
●ホームステイ
費用目安:1か月あたり約400ポンド(約5万7600円)〜1000ポンド(約14万4000円)
ホストファミリーと一緒に一つ屋根の下で生活するホームステイ。キッチンやトイレ、シャワールームなどの設備は共用であることが一般的ですが料金を追加して専用のプランを選ぶこともできます。家賃に朝食や夕食が含まれているプランを選べば食費の節約になります。
●フラットシェア
費用目安:1か月あたり約400ポンド(約5万7600円)〜1200ポンド(約17万2800円)
ロンドンは日本でいうアパート型の物件が多く、建物をシェアするフラットシェアはかなり一般的です。
キッチン共用の寝室一人部屋タイプや、部屋にキッチン、トイレ、シャワールームが備わったスタジオもあります。
●ルームシェア
費用目安:1か月あたり約300ポンド(約4万3200円) 〜 500ポンド(約7万2000円)
家賃の高いロンドンにぴったりのスタイルです。一部屋を二人でシェアできれば、家賃をぐっと抑えられます。気の合う友人や、一緒に気兼ねなく快適に暮らせるパートナーが見つかれば利用してみても良いのでは。
フラットやルームシェアの場合、家賃に光熱費やインターネット代が含まれているかを確認するのが必須です。物件によっては、光熱費の一部を別途請求されることもあるため、注意が必要です。
また、物件のタイプによっては敷金にあたるデポジットを入居前に支払います。金額は最低1週間〜1ヶ月分の家賃です。
●学生寮
費用目安:1か月あたり約600(8万6400円)ポンド〜1000ポンド(14万4000円)
寮の形態は2タイプあります。学校独自の寮(在学生のみが入居可能)、または学生なら誰でも入居できる寮(どの学校に通っていても入居可能)です。
学校の寮であれば、多くの場合通学は徒歩圏内。交通費いらずです。寮によっては食事や清掃代が含まれています。中学/高校のボーディングスクールは全寮制で、学費に寮費(食事含む)が含まれます。寮生活自体も学業の一部なのです。
交通費
ロンドン市内に住む18歳以上の学生は、コース期間中であれば通常の定期料金が30%割引となる学生オイスターカード(18+Student Oyster Photocard)が利用可能です。ロンドン市内を運行する地下鉄、鉄道、バス、トラムが乗り放題となり、通学にも観光にも大活躍します。
せっかくロンドンに住むのであれば、見所がいっぱいあるゾーン1を含んでいる定期がおすすめです。
▼年間定期代(10歳以下の学生は無料)
18歳以上
ゾーン1−3 | 1184ポンド(約17万500円) |
ゾーン1−2 | 1008ポンド(約14万5000円) |
ゾーン1 | 1008ポンド(約14万5000円) |
手数料 | 25ポンド(約3600円) |
11–17歳 (通常大人料金の半額)
ゾーン1−3 | 848ポンド(約12万2000円) |
ゾーン1−2 | 724ポンド(約10万4300円) |
ゾーン1 | 724ポンド (約10万4300円) |
手数料 | 10ポンド(約1440円) |
ロンドン市内を安全に運転できる自転車もおすすめです。料金は30分2ポンドで、距離の制限はありません。学生は25%割引メンバーシップに加入し、年間67.50ポンド(約9720円)で利用できます。
海外旅行保険
費用目安:15万円〜20万円
現地で病気やケガをした場合、イギリスの医療機関NHSに支払う金額をビザ申請時に支払えば、NHSの病院で受診できます。しかし、予約に時間がかかったり、実際に診てもらうまで待たされることが多くのが現状です。
海外旅行保険に加入していれば、ロンドンの日系医療施設ですぐに受診でき、英語力に不安な方にもおすすめです。また、海外旅行保険は紛失や盗難、器物破損、飛行機遅延などもカバーしているため、海外留学の際は必ず加入したほうがいいでしょう。
食費
費用目安:1年間 約55万3000円〜207万3600円
寮費やホームステイ費に食事が含まれていれば、支出する食費は自分のおやつや昼食、友人との外食などに限られます。
ここでは自炊の場合の食費についてご紹介します。
例:平日自炊し、週末外食した場合の食費
スーパーで5日分の食材購入 | 1週間 30ポンド(約4320円)〜100ポンド(約1万4400円) |
外食 2日間 | 1週間 50ポンド(約7200円)〜200ポンド(約2万8800円) |
1週間合計 | 11,520円〜43,200円 |
1か月合計 | 約4万6100円〜17万2800円 |
自炊の場合、物価高のロンドンでも、工夫次第では食費を安く抑えられます。スーパーでは各国の料理に使える調味料なども豊富で、料理のバリエーションが広がります。
各スーパーのオリジナルブランドの食材にも注目してみてください。庶民派スーパーのオリジナル食材はかなり低価格で購入でき、クオリティーも安定しています。
故郷の味が恋しくなったら日本食材店へ。食材によって値幅が広がりますので、中華や韓国の調味料で代用するなど工夫しながら節約することができます。
外食は決して安くありませんが価格帯はピンキリです。コーヒーとサンドイッチのみのリーズナブルなランチボックスなら5ポンドほどで十分足ります。
しかし、おしゃれなカフェやレストランとなると、一回の食事につき最低20ポンド〜30ポンドぐらいは見ておくと安心です。
また、イギリスでは、会計に食事代の他サービスチャージ(通常食事代の10%〜12.5%)が加算されます。
娯楽/旅行
費用目安:約22万8000円〜132万8000円
勉強の合間にほっと一息。留学中のロンドン観光も楽しみの一つですね。有名施設への入場料も滞在中の予算として頭に入れておきましょう。
例えば世界遺産のウェストミンスター寺院の入場料は、学生なら18ポンド、16歳以下は9ポンドです。
また、ロンドンでは常に魅力的なイベントが目白押しです。
特に、ミュージカルやコンサート、バレエなど芸術に触れるには最高の街です。イギリスといえば、サッカーやラグビー、テニスなどのスポーツも有名です。本場で熱い戦いを目に焼き付けましょう!
パブやバーでは定期的にライブも行われ、ビール片手に楽しい夜を過ごせます。ビールは1杯4ポンド(約580円)~6ポンド(約860円)です。
近隣諸国への旅行も欠かせません。時期や目的地によっては驚くほど安く旅行ができてしまうので、ぜひ体験してみてください。語学学校で企画されている遠足も比較的リーズナブルな価格設定がされています。
買い物
ロンドンは素敵なお店がいっぱい!ついつい財布の紐が緩んでしまいます。
リミットを決めておかないとどんどん出費してしまうので、ショッピングに使える額はあらかじめ決めておくと使いすぎを避けられます。
高級紅茶詰め合わせセット | 15ポンド(約2160円) |
紅茶用カップアンドソーサー | 50ポンド(約7200円) |
アンティーク雑貨 | 5ポンド(約720円)〜100ポンド(約1万4400円) |
イギリス製革靴 | 80ポンド(約1万1500円)〜250ポンド(約3万6000円) |
服一着 | 10ポンド(約1440円)〜100ポンド(約1万4400円) |
留学生活の流れをイメージしてみよう

ロンドン留学を準備する段階で実際に自分が学校に通い、生活をする様子を想像してみると自分の出費の目安がわかります。
・家から学校までどれくらいかかるところに住むのか。交通機関は使う必要があるのか。
・放課後や休みの日はどのように過ごすか。
・朝昼晩の食事はどんなものを食べたいのか、外食の頻度はどれくらいか。
・欲しいものや行きたい旅行先、やりたいことはあるのか。
通いたい学校を軸に生活スタイルを決定したり、諸々の予算を割り出していくと良いでしょう。すると、必要のない費用や反対にもっと必要な費用も見えてくるはずです。
留学を成功させるために!準備は費用チェックから始めよう

ロンドン留学の費用は決して安くありませんが、高いお金を払う価値のある、素晴らしい経験が味わえます。そして、ロンドン留学に必要な費用や生活費を細かく知ると知らないとでは、生活の質が全く違ってきます。
しっかりとイメージができれば、自然とお金の流れも把握でき、安心して余裕を持った学生生活が送れるはずです。どんなものにどれくらいのお金を使えばいいのか、事前に把握している方が、お金も時間も無駄遣いせずに済むはず。
留学の計画を始めた時点で、すでに留学はスタートしています。飛行機に乗って現地に到着する自分を想像しながら、ワクワク気分で準備を始めましょう!