留学奨学金にチャレンジ!選考体験記(1)「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」~小柳美紗(アメリカ留学生)

「返済不要型の奨学金で海外留学できたらな・・・」「でも留学奨学金は選考基準も競争率も高く、私ではムリ・・・」そんな風にお考えではありませんか。

私も、簡単に通過できる選考ではないと考えていましたし、実際誰でも簡単に通過できるものではないでしょう。しかし、私は短期留学を含め、奨学金の選考を4回受け、幸いにも現在、奨学金を頂いて留学をすることができています。

本記事では、留学奨学金に関心をお持ちの人向けに、数ある返済不要型の奨学金のうち、「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」と「トビタテ!留学JAPAN」の選考を通じて得た体験を2回に渡ってシェアしていきます。

今日は「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」編です。現在、私は、この「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」からの奨学金を頂いて留学をしています。留学の奨学金選考で重視されるポイントを、2018年度選考の実体験をもとにお送りします。

「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」とは?

「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」は、その名のとおり経団連が主催している奨学金です。1人当たり、100万円の奨学金が提供されます。

採用人数は30名と少ないですが、帰国後には経団連が主催するキャリアフォームに優先的に参加できるという特権があります。私のように4年次を休学し、留学する学生にとっては、かなり有難い特権付きの奨学金です。

書類選考で気を付けた「ビジネスでどう日本に貢献するか」

一次選考の書類選考では、500字以内の二つの設問と、最終合格のための規定のスコアの提示(IELT5.0もしくはTOEFL ibt 61点)があります。英語の資格は、高いスコアでなければ不利だと考える人もいるかもしれませんが、提出時に規定のスコアちょうどしかクリアしていなかった私も通過できました。

書類選考で最も重要となってくる「記述」については、私が挑戦したときは以下の二つの設問事項でした。

■ 留学を通じて学ぶことが「あなたが日本企業で働き、国際的な事業活動において活躍する」という将来の自己のキャリアにいかに繋がるかについて、「留学中に必ず成し遂げたいこと」、「習得したいこと」を含め、具体的に入力してください。(500字以内)

■ これまでの学生生活で、特に力を入れて取り組んだこと(500字以内)

この二点について、「合格者としてのアドバイス」と「実際に私が何を記載したのか」を書いていきます。

一つ目の設問に対しては、経団連ということもあり、「どのようにビジネスの場面で日本に貢献していくのか」について焦点を当てる必要性がありました。

私の場合、「法律」という分野で活躍したいというのがあったため、企業法務という立場で、「留学がなぜ必要なのか」を熟孝しました。私は、企業法務部でインターンシップをした経験からイメージを膨らませました。

自分から積極的に、社会で働く両親や大学の教授に見ていただき、アドバイスを頂くように心掛けていました。

私のように、特化した分野で選考を進めていく人は、その分野を知らない方にも、うまく伝わるかどうかも気にしたほうがいいでしょう。

実際に私が記載した内容を要約すると以下の通りです。

■ 留学を通じて、“Made in Japan”ブランドを守れる人材になりたい
■ この志を抱いたきっかけである、在日留学生の言葉
■ 資格試験、長期インターンシップの経験を通し、「なぜ留学にいくのか」という自身の導き出した答え
■ 実際に何を学んで帰ってくるのか
■ 留学の経験が将来どう活きていくのか

二つ目の「これまでの学生生活で、特に力を入れて取り組んだこと」の設問に対しては、日本の大学で留学生向けのボランティアスタッフを行っていたこと・短期留学の経験から「行動力」と「グローバル人材」であることをアピールしていきました。

なぜ、この二つをアピールしたかというと、実際に、留学をするイメージが私の中でできているか、審査官にこのイメージを与えられるかが最も重要だと思ったからです。

そう考えた理由は、一度は行っていた就職活動経験にあります。当時人事の方から採用のポイントとして一番重要な点は「『この子と働くイメージを持てるかどうか』だ」とお話していただいたように、留学の奨学金においても「この子は、留学地でも頑張っていけるか」という点が審査の基準の一つになると私は考えます。

実際に私が記載した内容を要約すると以下の通りです。

■ 今まで実施してきた課外活動(日本語授業ボランティア、短期留学)
■ その実施までにどう考え、どう行動してきたのかのプロセス

面接対策には事前の練習を

書類選考に通過すると、書類提出から約1か月後に面接選考の案内通知が届きます。面接は、約20分ほどで経団連会館で行われました。

私の面接の際は、男性三人に面接をしていただきました。雰囲気を見る限り、経団連に参画している、全く違う会社の社員の方だろうなと感じました。

▼面接を実施した経団連会館

質問されたのは、基本的な留学内容以外に、私は以下のようなことも聞かれました。

■ 実際に短所で苦労した経験
■ 学びたい分野について
■ 学びたいと書いてある学問について、現地で具体的にどう学んでいくのか
■ 留学で一番の壁となるものは何だと思うか
■ 帰ってきたらどう活動していくのか
■ 弁護士にならないで企業法務部員になる理由
■ 書類選考で書いた内容(例:日本の財産を守りたい)に思い至ったきっかけは?

全体的に、圧迫面接という印象はありませんでした。

私の場合、志望理由書を読みこんでから面接をしているのか、一から何をしたいかを問われることはありませんでした。そのため、質問は特に流れのようなものがあったわけではなく、「唐突に志望理由書にあるんですけど…」というような感じでポンポン話題は変わっていきました。

事前に読み返していたからよかったものの、テンポが速いこともあり、質問の意図を理解するのに苦労しました。私は、意図が分からないときは、確認をするようにしていたので、もし分からなかったら、下手に的外れな答えをするより、聞いた方がいいでしょう。

とっさにその場で組み立てられるように色んな人に面接の練習を頼んだ方がいいと思いました。特に、審査員は、社会人の方なので、書類選考と同様に、社会人の方に手伝っていただくのがより効果的です。

奨学金選考を通じて、留学する意味を考えられる

書類選考、面接選考、どちらも共通しているのが、「なぜ留学が必要なのか」という問いです。

この答えは、留学の大きな原動力になります。奨学金選考は金銭面の支えになるだけでなく、「考えるきっかけ」になると思います。是非、挑戦してみてください!

次回は、トビタテ留学Japanの体験記についてお話します。

▼私の留学地 ベルビューカレッジで咲いていた桜

文:小柳美紗(アメリカ留学生)
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