入国条件にワクチン接種を求める国が増えてきています。私が留学しているカナダもワクチン接種完了者に対する入国条件緩和を実施しており、9月7日以降は観光での入国も可能になるなど大幅な緩和策が発表されています。
医療従事者だった私は、医療従事者枠にて早めのワクチン接種をして、すでにカナダに留学生として入国しています。その経験に基づいて、前回の記事ではワクチン接種完了者の渡航前準備についてお伝えし、用意する書類や事前準備についてご紹介しました。
今回は、実際の出国・入国手続きや入国後の生活状況についてお伝えします。
※編集部注:本レポートは2021年7月27日の渡航事例に基づいています。
出国手続きから乗り継ぎまで
入国72時間前PCR検査
カナダ入国には出国72時間前にPCR検査を受けることが義務付けられています。また、カナダの場合、陰性証明書は英文で発行してもらう必要があります。この英文証明書はPDFでも認めている国もあるそうですが、何かあった時のためにも紙面にて手荷物として持ち込むことをお勧めします。
経由便利用の場合は、『経由地からカナダへの便が出発する72時間前以内』となるため、さらに注意が必要です。
空港内にも検査会場があり、検査を受ける事が可能です。
私は、都内のクリニックにて渡航日前日に検査を受けました。渡航日前日の10時に検体採取し、午後3時に陰性結果とともにメールにて英文の陰性証明書を発行していただきました。
注意していただきたいのは、空港内のPCR検査会場も、海外渡航用PCR検査を実施しているクリニックも事前予約が必要な場合が多いことです。(私は検査を受けた都内には英文陰性証明書を発行する医療機関が数多くありましたが、それ以外の地域ではさらに予約が取りづらい可能性もあります。)
チェックインカウンターでの出国手続き
PCR検査の英文陰性証明書が準備出来たらチェックインを行います。
現在、世界的にもコロナウイルスの影響で入国審査が厳しくなっています。従って、入国出来ないといった事態を避けるために、各航空会社で独自の規定を定めている場合が多いです。
私が利用したキャセイパシフィックでは、各項目で入国要件を満たしているか一つずつ確認していきました。グランドスタッフさんがカナダのボーダーへ直接電話でやり取りを行ったりする場面も見られ、チェックインにはおよそ1時間かかりました。
私は搭乗時刻ギリギリになって、ようやくチェックインが完了しました。空港には早めに到着し、余裕を持ってチェックインすることをお勧めします。
乗り継ぎ国での滞在方法
私は香港経由でカナダへ入国しました。香港での滞在時間は4時間程度でしたが、コロナウイルスの影響もあり、トランジット時間があっても乗り継ぎ国への入国は出来ません。私は次の便の搭乗口付近で4時間家族や友人と電話をしながら過ごしました。
カナダ入国手続き
入国審査
カナダに到着しました。入国手続きについてお伝えします。
キオスクという端末にてパスポートのスキャン等を行います。各場所にスタッフがおり、誘導に従えば間違いなく手続きが出来ます。
持ち込み荷物についての危険物の有無や、滞在期間などの質問に答えるとレシートが発行されます。そのレシートを持ったまま、入国審査の列へ並びます。
入国審査官からは、
・どこの学校に通うか
・コロナウイルスワクチンは接種しているか
を聞かれました。入学許可書を見せるとスムーズでした。
ワクチンについては接種したことを伝えると、未接種の渡航者とは別に、ワクチン接種完了者専用の書類を渡されました。

学生ビザの発給
学生ビザは入国時に発給してもらうため、immigrationというレーンに進みます。私は夜の9時50分着の便でしたが、40人程度発給場所に待機している渡航者がいました。そのため学生ビザ発給までは40分程度時間がかかりました。
ビザ発給が終わり、内容を確認後、預け荷物を受け取り入国時のPCR検査に進みます。
Flyclearの登録
まずPCR検査を受ける前に、結果を閲覧するためのオンラインサイト「Flyclear」に登録します。
Flyclearは事前登録も出来ますが、ワクチン接種完了者はどこまで登録すれば良いか分からなかったため、私は現地のスタッフと一緒に登録しました。入国審査の際に渡されたワクチン接種完了者の説明が書いてある書類はスタッフが確認できるよう、手に持って移動します。
入国時PCR検査
Flyclearの登録が終わったら、入国時PCR検査になります。
8月9日からは、ワクチン接種完了者の入国時PCR検査は不要になり、無作為にて実施と変更になりました。しかし、私の入国時は全員必須でした。
PCR検査は口腔内粘膜と鼻腔粘膜両方からの採取でした。結果は2-3日以内にメールにて届き、メールで届いたURLからFlyclearのサイトへログインし、確認という手順になります。
ワクチン未接種者は、PCR検査後8日目に採取する「PCRホームキット」を受け取って入国します。
スタッフが瞬時にワクチン接種完了者か見分けるためにも、入国審査時に貰った書類は最後まで手に持って移動します。PCR検査にも列が出来ており、採取終了するまで20分程度かかりました。
便が到着してから空港を出るまで要する時間は、到着便の時間帯や曜日などで大きく差はあると思います。私の場合、便が夜9時50分に到着し、空港を出たのは夜中0時頃でした。
入国後の生活
滞在先への移動方
無事入国出来たら、タクシーにてAirbnbで予約した家に向かいました。隔離がある方はホテルまでバスが運行している場合が多いです。空港からの公共交通機関の利用は可能であるため、私はタクシーにて滞在先に向かいました。
滞在先での過ごし方
ワクチン接種完了者は基本的に隔離不要ですが、入国時のPCR検査の結果が分かるまでは外出は出来ません。そのため滞在先内にて過ごすことになります。
食料は、DoorDushやUberEats等のアプリを利用しました。人との接触を避けるため、玄関前への置き配達注文にて食料を調達し、過ごしました。PCR結果が来るまでの2日間は、時差ボケもあり寝ている事が多かったため、あっという間に過ぎました。

PCR検査結果の確認
私の場合、検査を受けてから48時間後にメールにて結果通知が来ました。メールの内容に沿って
自分でFlyclearのサイトにログインし結果を確認します。陰性の結果を確認したところで、ようやく外出が可能になります。しかし、その後陽性になった場合のために、念のため入国後14日間で接触した人は把握しておく必要があります。
政府サイトのとおりに行動すればスムーズに入国できる
以上が7月末にワクチン接種完了の上で渡航したレポートです。
現在は政府の入国措置も変更されている部分が多くあるため、私が渡航した時期と異なる措置がなされている場合が多いです。
さまざまな措置がなされていますが、各国の政府サイトを一つずつ確認し、その通りに行動すれば心配なく渡航できると思います。
これからワクチン接種を完了してからの渡航を考える留学生さんが多くいらっしゃると思います。あくまでも一つの参考として、ご覧いただければ幸いです。