オンライン留学レポート/アメリカの大学のオンライン授業を体験してみて

私は交換留学で去年の秋から今年の夏までアメリカに滞在予定でしたが、新型コロナの影響により、日本の大学の方針で4月に急遽帰国しました。帰国後は、留学先であるカリフォルニア大学サンタバーバラ校のオンライン授業を継続して受講する「オンライン留学」するか、または春学期から日本の大学に復学するか、という2つの選択肢が与えられ、私は前者を選びました。

オンライン留学は大学にとっても学生にとっても初めての試み。どれくらいコミュニケーションがとれるのか、どのくらい理解できるのか、当初は手探りの面もありました。

しかし、実際に受講し始めてみるとオンライン留学ならではのメリットがあることに気づきました。アーカイブで復習できたり、少人数でのディスカッションを通して対面と変わりなくコミュニケーションがとれたり、さまざまな発見がありました。一方で、アメリカとの時差や機械トラブルといった、デメリットもありました。

本記事ではコロナ禍で注目されるようになった「オンライン留学」のメリットやデメリット、そしてその他カリフォルニア大学サンタバーバラ校で施されている工夫などを紹介していきます。

Zoomを使ってのオンライン授業

カリフォルニア大学サンタバーバラ校では、基本的にZoomを利用して行われます。最近日本でも急速に知名度が上がりましたね。

教授にとっても生徒にとっても初のオンライン授業でしたが、経験を重ねるうちに皆慣れてきた様子が伺えます。Zoomならではの機能を非常に有効活用しており、時には教授がPower Pointを画面共有してレクチャー、時にはブレイクアウト機能を使った少人数のディスカッションをします。

原則、ライブの授業への参加が推奨されていますが、私のように国外在住で時差により参加が難しい場合は、ライブ授業が録画されたものを後から視聴します。好きな時に視聴できるとはいえ、課題等の提出期限は現地・国外の生徒ともに同日なので、常に遅れを取らないよう留意する必要があります。

オンライン留学のメリット:「アーカイブ機能」で復習できる

Zoomを使えば教授もPower Point等を共有しながら授業ができ、ブレイクアウト機能によって少人数でのディスカッションもできるため、対面とさほど変わらないコンテンツの授業が可能です。

受講していると、対面にはないオンライン留学ならではの利点もあることに気付きました。基本的に、録画されたレクチャーの動画は授業のサイトにアップされ、アーカイブとして残るので何度も見返すことができます。テスト勉強をしたり授業内容を復習する際、非常に便利です。

またアーカイブ動画は再生速度を変えたり、巻き戻しができます。話すのが速い教授の授業は0.5倍速で聞いたり、重要な箇所は巻き戻してメモを取ったりと有効活用できるのです。

オンライン留学で感じた3つのデメリット

一方、オンライン留学には対面には敵わない側面もあります。

1つ目は「時差」です。ディスカッションにも参加するためには、アーカイブ視聴よりやはりライブの授業に参加したいところ。ライブ授業でなければ、授業中に直接教授に質問をしたり、発言をすることもできません。

私は帰国してから2週間ほどは、ディスカッションに参加できるよう週2で午前1時から午前5時までライブの授業に参加するようにしていました。しかし、やはり昼夜逆転生活を2週間も続けるのは体力的に厳しくなりました。3週間目からはアーカイブ動画を追いかけ視聴し、不明点があれば教授やTA(teaching assistant)にメールで聞くようにしました。

2つめはオンラインならではの機械トラブルやミュートなどの問題。

教授が全員に質問を投げかけて生徒が答える際、複数人が同時に話してしまうという状況を幾度か経験しました。また初めの頃は、画面共有に手間取ったり、急にミュートになってしまうといった機械トラブルや、ミュートし忘れている生徒宅の生活音や犬の鳴き声が聞こえてくることもありました。

3つめは伝えにくさと寂しさです。

アメリカの大学は、グループワークが多くオンラインでもそれは不変でした。授業外で主体的にコミュニケーションをとりながらプロジェクトに取り組んだり、プレゼンテーションの準備をしたりします。
 

▲グループメンバーとミーティングの時間をSNS上で調整。

ここで感じたデメリットは、対面に比べてプレゼンテーションで思いを伝えにくいこと、そしてせっかく良い仲間に出会えても対面で会うことができないといったことです。

留学生が受講しやすくなる工夫も。

カリフォルニア大学は多くの留学生を受け入れており、帰国した生徒が多くいます。国外留学生も不便を感じないよう、様々な工夫がなされていました。

例えばグループワークをする際はタイムゾーンの近い生徒が同じグループになるように振り分けられ、時差の弊害がなるべく軽減されるよう配慮されました。アジア圏にいる生徒同士、ヨーロッパ圏にいる生徒同士で組まれるといった具合です。

また毎週決まった時間にティーチングアシスタント(TA)がオフィスアワー(Office Hour)という、生徒が事前に予約をし自由に質問や相談をできる時間を設けています。普段なら週2で1日約2時間が基本ですが、留学生を考慮し、同じ2時間でも1日でも昼と夜に1時間ずつ設けられるようになりました。

オンライン留学だと留学の価値が半減すると思いきや、思っていたよりも弊害は少なく、オンラインならではの利点もあると実感しました。

教授との双方向のコミュニケーションはライブ授業ならではの価値ですが、授業外の時間でTAに質問をしたり、グループワークに取り組んだりとオンライン環境を有効活用できていると感じます。

留学の醍醐味の一つである、多様な背景や価値観を持つ学生に直接出会うということはできません。しかし、世界中に人脈が広がることは確かですし、将来実際に留学先の国に遊びに行った際に会うことも、今の時代難しいことではありません。

コロナ禍で生まれた新しい概念「オンライン留学」は今後さらに発展していくと思います。このような機会を最大限に活用し、オンライン留学を通して現地の授業を体験してみるのも悪くないのではないでしょうか。
 

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