8月のイギリスは夏真っ盛り。イギリスの夏は、夏と言っても真夏日は数日で、基本的にカラッとしていて気持ちが良く、一年で一番いい季節です。日没も夜9時くらいと、日が長いことも嬉しい!
そんなイギリス・ロンドンの夏は、通常であれば観光客でにぎわいを見せているはずですが、今年はコロナウイルスの影響で通年とは様子が異なります。新たなコロナウイルス感染者数は減少傾向、ロックダウンも緩和されつつある中、ロンドンでは人々はどのように夏をエンジョイしているのでしょうか。
野外アクティビティーやテムズ川散策といった自然との触れ合い。
そしてイギリスと言えば『パブ』です。パブならびに飲食店は今どうなっているでしょうか。日本の『GO TO』に代わるイギリスの飲食業支援政策をはじめ、街の写真も撮ってまいりました。
イギリス・ロンドン在住の筆者がレポしていきます!
イギリス人が大好きな夏!ロックダウン緩和で皆どうしてる?

まずはコロナの渦中でもイギリス人たちがどんな風にロンドンで夏を楽しんでいるのか、そして私も実践している夏の楽しみ方をご紹介いたします!
【コロナと夏】イギリス人流の楽しみ方
①公園
天気も良く、気持ちのいい日はやはり野外でのアクティビティーが人気です。ロンドンは世界屈指の大都市ではありますが、市内には大きな王立公園が点在するため、気軽に自然と触れ合うことができます。
特に春や夏は、季節の花々で彩られたイングリッシュガーデンが見ごろ。公園は広々としているので、ソーシャルディスタンスを気にすることなく、ピクニックや散策を楽しめるんですよ。
②パブ
夏といえば、冷たくて美味しいビールが最高ですよね。美味しいビールが飲めるパブも営業を再開しはじめています。私もさっそくパブへ足を運んでみました。
まず変化を感じた点は、今までなかったレセプションが設けられていたことです。そこで氏名と電話番号を記入し、万が一コロナウイルスの感染が確認された場合には連絡が来るようです。
レセプションではまず手を消毒し、入店した後テーブルサービスにて注文をします。カウンター越しにオーダーする従来のパブのオーダースタイルではなく、ウェイターが例えビール一杯だとしてもテーブルに運んでくれます。入口と出口は別、一方通行のみで人々が行き交うことを防止していました。
本当はテラス席でビールをゆっくり味わいたかったのですが、やはり外のテーブルは人気で埋まっていたため、次回は予約をしてリベンジしようと思いました。
③テムズ川沿い散策
ロンドン市内を流れるテムズ川。このテムズ川に沿って歩いてみると、運動しながら観光もできてしまうんです。
私のお気に入りコースでは、ロンドンのシンボル・タワーブリッジ、ロンドン塔、テートモダン美術館、セントポール大聖堂、ボローマーケット、ロンドンアイ、ビックベンなどの超有名観光名所をカバーできます。
川沿いにはテイクアウト用の食事がオーダーできるストール、カフェ、アイスクリームショップなどがあります。ベンチに腰かけて腹ごしらえをしたり、川沿いの観光名所を眺めてホッと一息つくことができます。
サマーホリデー人気の行き先は?

通常であれば、サマーホリデーの人気の行先は外国のビーチリゾートでしょう。しかし、ロックダウンが緩和されはじめたとはいえ、まだまだ不安も多いです。
現にスペインからの入国者は再び自主隔離をすることとなり、ホリデーの行き先にスペインを選んでいた人たちは予約キャンセルをせざるを得ない状況だとか。
よって、今年は外国でのホリデーではなく、イギリス国内の自然豊かな田舎がホリデー先として選ばれています。都市部よりも静かで、子どもも大人も安心して楽しめることができるキャンプやハイキングが人気のようです。
ロックダウン緩和後のロンドン市内の様子

お店の営業
デパートなどの営業も再開し、買い物客が少しずつ戻りつつあるロンドン。7月に入ってからレストランやパブも営業を再開し、以前と比べて外テーブルを設ける店がすごく増えたように思います。
天気のいい日はそういった外のテーブルで飲食を楽しむ人も多い一方、未だ営業停止中であったり、完全に撤退してしまったお店も多かったりと、街を歩いていても以前同様のにぎわいが戻るには程遠いと感じています。
公共交通

バスや地下鉄は運行していますが、乗車の際にはマスク着用が義務付けられています。有名アーティスト・バンクシーもマスク着用を促すため地下鉄の車内に落書きで訴えました。
ロンドン交通局は、現在もピーク時の公共交通機関の使用を避けるようすすめており、車内では椅子を前後左右最低1つはあけて座るなど、自らソーシャルディスタンスを取ろうとする人が多い印象です。
私はどうしてもバスに乗る必要のある際には、できるだけ換気の良い窓際に座るようにしています。
そして、コロナウイルスの感染源として懸念される公共交通機関を避けるため、自転車に乗る人が増えています。実際に、私の周りでも今までの電車通勤を辞めて、自転車でロンドン中心部まで通いはじめた人も。
公共交通機関は渋滞やトラブルなどの遅延も多い一方で、自転車は良い運動になることと、場所によっては思ったよりも短時間で中心部まで行くことができるようで、このまま自転車通勤を続けたいという声が多いです。
マスク着用率
街を歩いてみると、野外であればマスクを着用しない人がとても多く、公共交通機関を利用する時や店に入った時のみ着用する程度です。
私もマスクを常に着用しているわけではありませんが、それでも少し人通りの多い道は、野外であっても念の為マスクを使うようにしています。
政府が打ち出した新しいコロナ対策

店内でマスク着用義務化
感染拡大を防止するため、7月24日から小売店などの店内でのマスク着用が義務化となりました。違反した場合は100ポンドの罰金となります。
よって、以前はスーパーなどの店内でもマスクをしていない人が多かったのですが、今では少しだけ安心して買い物ができるようになりました。店外ではマスクをしていない人も、店の前で立ち止まってマスクを着用してから入店する人を多く見かけます。
8月中は飲食店で割引が受けられる
8月からは「Eat out to help out」という、外食をすることで飲食店を助けようと呼びかけるスキームが始まりました。
詳細は以下の通りです。
- 8月3日〜31日までの間 月曜・火曜・水曜のみ有効
- 飲食代最大50%割引
- 最大10ポンド割引(一食あたり)
- 何度でも利用可能
- アルコールは対象外
- 店内での飲食のみ
このスキームに参加している施設のみで割引が得られ、インターネットで参加店を調べることができます。実際に私の周りでも今回のスキームは好評で、これを機に外食をしたいという人が増えています。
割引が受けられることは嬉しいですが、安心して食事を楽しみたいので、できるだけコロナ対策をしっかり行っている、信用のおけるお店を選ぶ必要があると感じています。
工夫次第でロンドンの夏は楽しめる

まだまだ気を抜くことができないロンドンでの生活ですが、心がけ次第で工夫しながら夏を楽しめるのではないでしょうか。
基本は、やはりなるべく人と接触しないこと。天気の良い日はなるべく野外で過ごし、外の空気を吸って自然の中で癒されたり、体を動かしたりすることでいつものイギリスの夏を楽しむことができます。
店やレストラン、パブを利用するときも、他者を思いやり手を綺麗にしてから入店するなど、普段より周りの人に気を使うことが大切だと感じています。
以前ではなんの心配もなく買い物や食事を楽しめていたことを考えると、色々と面倒に感じることも多いです。しかし、他者のことを気づかったり、自分を感染から守るよう心がけたりすることで、安全に楽しむことができるのではと思っています。
またいつの日か、なんの制限もなくおもいっきりブリテッシュ・サマーをエンジョイできる時が訪れますように・・・
※本記事のコロナウイルスに関する情報は、ロンドンが含まれるイングランドについての情報であり、イギリス全体を示すものではありません。