ニュージーランド中学留学ガイド|費用や私立・公立の違い、メリット・デメリットを解説

海外の中学校へ留学できる国のなかでも特に人気の高いニュージーランド。ニュージーランドは、英エコノミスト誌の未来教育指数ランキング2017年でトップに、2018年以降も3位にランクインしている教育大国です。

教育の質に加え、治安が安定している環境や穏やかな国民性も人気の理由です。学費が比較的安めであることも理由のひとつでしょう。

ここでは「ニュージーランドの中学留学ってどんな特徴があるの?」「中学から留学って早過ぎる?」などの疑問について解説していきます。

留学費用や学校運営形態、学期、教育制度についてもご紹介し、ニュージーランドの中学校へ留学するための基礎知識がすべて理解できるようにお伝えしていきます。

中学留学に興味が湧いたら

ニュージーランド中学留学のメリット

ウェリントン

自立心のある学生が多い

ニュージーランドでは幼児期から、個性を大事にする教育方針が徹底されています。幼保統一のこの方針を「テファリキ(Te Whariki)」といいます。

テファリキでは子どもの主体性を第一に考えます。机に座ってiPadを見るのが好きな子もいれば、床に寝っ転がって絵本を見るのが好きな子もいます。友だちと話したり笑ったりするのが好きで得意な子もいます。

先生は放置するのではなく彼らを見守り、尊重します。学びをどのように吸収するかは、各個人それぞれ得意な方法に任せます。

また、先生は生徒一人ひとりについて綿密に記録をします。この記録は幼稚園・保育園から小学校へと受け継がれ、先の学年に上がっても尊重されていきます。

こういった環境で育った子どもは、自分は認められていると感じています自分に責任を持ち、自身の考えを持つように育って中学時代を迎えるのです

選択科目が多い

ニュージーランドの中学にあたるセカンダリ―スクールは14歳からです。日本の中2と同じ年齢です。

ニュージーランドでは中学から選択科目が取り入れられています。学校や地域によって異なりますが、アートや歴史、マオリ語、音楽、ITなどさまざまな科目のなかから興味のある授業を受講します。

ニュージーランドはICT教育にも積極的です。

費用が安い

中学留学で人気の高い国はスイス、カナダ、イギリス、オーストラリアなどがあります。こういった国々とくらべて比較的安い費用で留学できるのがニュージーランドです。

スイス、イギリス、アメリカなどは公立での受け入れが難しいこともあり、中学留学は現実的には私立校となります。そのため、年間で500万円~1000万円といった高額な費用がかかります。

その点ニュージーランドはそもそも公立校が全体の95%を占めており、公立中学への留学も一般的です。詳しくは後述しますが、だいたい年間250万円~450万円での留学が可能です。

留学生へのサポートが厚い

英語力が足りない留学生の場合、ESOLという英語クラスを受講することができます。この授業も他の通常科目と同じように単位として扱われるため、別途追加で単位を取得する必要がありません。

「英語がわからないと通常科目のクラスについていけないのでは?」と心配な人も多いでしょう。確かに最初はまったくわからず、周りは自分以外の空気が流れているだけ…という気分になってしまうかもしれません。

しかし冒頭でも触れたとおり、ニュージーランド教育の根本は主体性です。教師も生徒も、互いをリスペクトし、認め合うことが当たり前の社会です。疎外感を感じるひまもないくらい周りが関わってくれるのが常です。

また中学生ならではの特徴として、大人とくらべて圧倒的に早く英語を習得していきます。もちろん個人差はありますが、最初はまったく歯が立たなかったはずは3か月もすると話している言葉が耳に入ってくるようになり、6か月もすると発話も不安がなくなってくることは珍しくありません。

多様性を重んじている

ニュージーランドはマオリ、ヨーロッパ、アジア、ポリネシアなどさまざまな人種が暮らす社会です。

また、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相自身が女性であり母であることをはじめ、彼女率いる内閣は「世界でもっとも多様な内閣」として有名です。閣僚の女性が40%を占めるほか、マオリ、パシフィカ、LGBTQIといった多様な背景を持つ人々で構成されています。

中学校においても先住民族であるマオリをリスペクトし、どんなルーツを持つ人にも公平な機会をもたらすことに多くの時間を割いています。

ニュージーランド中学留学のデメリット

入学時期がずれる

日本とニュージーランドでは、学期制度が少し異なります。途中の学期から入ることも可能ですが、もし年度の頭から入学したいと考えた場合には日本の学期を途中もしくは早めに終了する場合があります。

▼ニュージーランドの学期

 開始終了
1学期(Term 1)1月末 – 2月頭4月中旬
2学期(Term 2)4月末 – 5月頭7月上旬
3学期(Term 3)7月下旬9月末 – 10月頭
4学期(Term 4)10月中旬12月中旬

日本史や国語は自力で勉強

当然のことながら、日本の歴史や社会、中学で習う国語などは自力で勉強する必要があります。

ニュージーランドで中学生活を送りながら日本の勉強も並行して行うというのはなかなか難しい面があります。大人になってからでもカバーできると考えるか、最低限ここまではやろうというラインを各ご家庭で方針を考えていく必要があります。

どんな人が中学留学しているのか

オークランド

中学から留学をするなんて、よっぽどの意志がある人や教育方針を持つご家庭の話なのではと思うかもしれません。ここでは、実際にどんな人が中学留学しているのかをご紹介します。

普通の人

現地の中学で取材をすると、実際にはごく普通の中学生がたくさん留学しています。アイドルやゲームが好きで、友だちとアイスを食べることやバーベキューすることを楽しみにしています。

留学した理由を聞くと「家族で行った海外旅行が楽しかったから」「近所にニュージーランド人が住んでいて、いい人たちだったから」「英語がしゃべれるようになりたかったから」など、ことさらに大きな理由を持っていない場合もあります。

親御さんの勧め

回答で一番多いのが「親に勧められた」というものです。とはいえ、いやいや従って留学したということではなく、やはり多少なりとも海外や英語に興味を持っていたようです。

将来の夢がはっきりしている人

「ラグビー選手として活躍したい」「将来は外交官になりたい」など確固たる夢を持っている人もいます。

日本の学校になじめなかった

日本の小学校や中学校にあまりなじめなかったり、違和感を感じたりした経験を持つ人もいます。

日本では変わり者のように見られていたけれど、ニュージーランドに来てからは面白いと言われるようになった、という人もいました。

ニュージーランドの中学教育制度

日本の学校との相関表

ニュージーランドの教育制度について理解するために、日本との年度相関表をご紹介します。

ニュージーランドの中学は14歳(Year 9)からです。日本では中2にあたります。

ニュージーランドの中学(セカンダリ―スクール/Secondary School)は中高一貫の場合もありますが、Year9と10の2年で終了してYear11から別の学校へ行くこともあります。

ニュージーランドの中学校の選び方

クライストチャーチ

運営形態で選ぶ

ニュージーランドの中学は

  • 私立
  • 公立
  • ステイト・インテグレイテッド

の3つの運営形態があります。

私立と公立については日本と同じですが「ステイト・インテグレイテッド」は耳慣れないという方も多いでしょう。

ステイト・インテグレイテッドとは私立と公立の間、半官半民のような運営形態です。もともと私立校だった学校が1975年の私立校に関する法改正によってステイト・インテグレイテッド校になりました。

329校あるステイト・インテグレイテッド校のうち、237校がキリスト教系学校なのも特徴です。(2016年度調べ)

共学/男子校/女子校で選ぶ

ニュージーランドの中学には

  • 共学校
  • 男子校
  • 女子校

の3種類があります。男女別学か共学かは公立/私立の運営形態とはあまり関係がなく、公立校であっても男女別学校があります。

ボーディングスクール(全寮制)/ホームステイで選ぶ

スイスやイギリスの中学留学は全寮制のボーディングスクールが一般的です。一方ニュージーランドの中学留学ではホームステイしながら通うこともできます。

性格的に共同生活に合う(合わない)、学校の場所、生活環境などを考慮してご家庭で話し合うことをおすすめします。

地域で選ぶ

ニュージーランドは南北に延びる島国です。オークランドやクライストチャーチ、ウェリントンといった都会もあれば、人の数より羊や鹿のほうが多い田舎もあります。

日本人留学生は特に都会に集中することもなく、全国津々浦々の学校に行っています。

「同じ学校にひとりも日本人がいないと不安」という人もいるでしょう。その点ではニュージーランドは中高一貫のセカンダリ―スクールがたくさんあるため、同じ学年に日本人学生がいなくても高校(Year11以上)にはいる、というケースが多くみられます。

慣れてしまえばどうということはありませんが、最初のうちは上級学年に日本人留学生がいると少し安心できるかもしれませんね。

ニュージーランドの中学留学にかかる費用

ダニーデン

運営形態や地域(都市部/郊外)によって異なりますので、ここでは郊外公立校(ホームステイ)と都市部私立校(全寮制)の2校を例にご紹介します。

※2021年料金/1ニュージーランドドル=77円換算
※ガーディアン費を除く

郊外公立校(ホームステイ)例

スポッツウッド・カレッジ(Spotswood College)

→学校取材レポートはこちら

運営形態公立・共学
場所北島・郊外(パーマストンノース)
授業料(年間)$14,400
約110万円
管理費(学期ごと)$200
約1.5万円
ホームステイ手配費$250
約1.9万円
ホームステイ費(週)$250
約1.9万円
銀行費$30
約2310円
空港ピックアップ費$50
約3850円
保険(年間)$600
約4.6万円
IELTS受験料$385
約3万円
年間合計約$28,515
約219万円

学費参考:スポッツウッドカレッジHP International Enrolment

都市部私立校(全寮制)例

スコッツ・カレッジ(Scots College)

→留学生インタビューはこちら

運営形態私立・男子校
場所首都ウェリントン
入学金
(含出願費)
$500
約3.8万円
授業料(年間)$36,500
約280万円
滞在費(年間)
寮の場合(休暇中のホームステイ含)
$20,480
約157万円
滞在費(年間)
ホームステイの場合
$13,950
約107万円
制服代$1500
約11.5万円
関連費
(教材、遠足、課外活動など)
$2500
約19万円
保険(年間)$585
約4.5万円
合計
寮の場合
$62,065
約478万円
合計
ホームステイの場合
$55,535
約427万円

学費参考:スコッツカレッジHP International Admission and Fees

ニュージーランド中学留学・よくある質問

中学生での留学は早過ぎるでしょうか?
留学生の性格や考え方によって留学するタイミングはさまざまです。大事なことは留学生自身が留学することを楽しみにしたり、不安や緊張を前向きにとらえられるかどうかです。 現地にいる中学留学生は意外なくらいに自然に現地に溶け込んでいます。これまで多くの留学生を取材してきたなかから考えると、むしろ大人の留学のほうが頭でっかちになりがちで、プライドや劣等感、人間関係を難しく考える傾向もあると言えます。 多くの中学留学生が、入学を決める前に現地を視察に訪れています。ご家族で現地を視察し、そのときの印象を大事にすることもおすすめです。
他の国とニュージーランドの違いは?

将来オックスフォード大学やケンブリッジ大学を目指すエリートになるのか、それとも自分のやりたいことをのびのびと追求するのか、どちらの学生にも適しているのがニュージーランドの教育です。

ニュージーランドの国民性の特徴として「許し合う社会」があります。自己主張ばかりでなく互いを認めて尊重する人間や、過ちや失敗を許し合う人間を目指したい人にも向いている国です。

海外の学校は日本よりも風紀が乱れている印象があるのですが大丈夫ですか?

国を問わずどの学校にもルールを逸脱する学生はいるものですが、ニュージーランドの中学はよく管理され監督者の目が行き届いている傾向が見られます。勉強もきちんとこなさないと進級もおぼつきません。

冒頭でも触れたとおり、主体性が重んじられているニュージーランドでは学生自身の学校生活への満足度が高い傾向も見られます。学校が充実していることで、人の道を外れる必要性は感じなくなるのではないでしょうか。

とはいえ、もっとも大事なのは留学生本人の自覚があるかどうかであることでしょう。

ガーディアンって何ですか?

ニュージーランドでは13歳以下の場合「ガーディアン」という現地の保護者のような存在の人を確保する必要があります。中学校の多くは14歳以上であってもガーディアンを推奨または必須としています。

学校に相談してガーディアンを手配してもらえる場合もありますし、専門の留学エージェントでも手配してもらえます。

人見知りなのですが現地になじめるでしょうか?

多くのニュージーランドの学校ではバディシステム(先輩やパートナーがつくシステム)を採っています。入学初日にバディが紹介され、学校のわからないことはすべてバディが教えてくれます

学校によってやり方は異なるのですが、ある学校には「留学生と交流する委員会」があり、そのクラブに所属している生徒たちがバディに志願をしていました。彼らは留学生と仲良くなりたくてその活動をしているので、自分の友だちを紹介したり、ランチを一緒に食べたり、たくさん世話を焼いてくれます。

こうして最初はバディの力を借りて生活に慣れていき、クラスやクラブの友だちを増やしていきます。人見知りの人でも心配することはありません。

ニュージーランドの中学留学は学びがたくさん

ニュージーランドの中学校は生徒一人ひとりの個性を重んじ、多様性を育む教育です。外国人留学生であっても、日本人の枠を超えた1人の人間として尊重してくれます。

選択科目も多く、やりたいことを見つけられる環境があります。互いをリスペクトし合う豊かな人間性を育てます。

中学課程を終えたら帰国して日本の高校に入学してもいいですし、多くの学生がそのまま現地で高校課程を続けています。

学校にはそれぞれカラーがあります。ぜひしっかりと情報収集をし、一番ご自身に合う中学に出会ってくださいね。

(留学プレス編集部)

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