デザインやインテリア、北欧流のスローライフで近年留学先としても人気を集めているスウェーデン。
様々な人種や文化が集まっており個性を尊重する雰囲気が特徴的です。
また、治安が良いので初めての海外留学生活に不安が残る、という人には特におすすめです。
この記事ではスウェーデンの基本情報と留学のメリット・デメリットについて紹介いたします。留学の費用についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
スウェーデンはどんな国?まずは基本情報をご紹介。
スウェーデンはヨーロッパの北部に位置するバルト海に面した国です。首都はストックホルム(Stockholm)で国土の南東部に位置します。
人口は1000万人ほど。東京都の人口が1400万人ですので、日本と比較してかなり人口密度が低いです。
寒いイメージがある北欧ですが、スウェーデンは縦に長い国なので地域によって差があります。
北極圏では冬場にはマイナス20度ほどにまで下がります。これはまつ毛や髪の毛が凍るような寒さです。
南部では、冬場でも気温は5度~マイナス5度ほどです。
スウェーデン留学5つのメリット
治安の良さが特徴。初めての海外生活に不安が残る方におすすめ。
地域差はありますが、スウェーデンは他の欧米諸国に比べて治安が良いのが特徴です。
治安が良いとは言え、日本ではありませんので荷物の管理や夜間に出歩くことは避けるのが無難ですが、スリが頻発しているという情報や実際に被害にあったという話を聞くことはさほど多くありませんでした。
英語が通じる環境。大学のコースも英語で受講できる。
公用語はスウェーデン語ですが、英語教育が行き渡っており基本的には英語が通じることがほとんどです。
大学でも英語で開講されているコースが多く存在しています。
スウェーデン語ではなく英語のコースを進んで取っている現地の学生も、しばしば見受けられます。
自由に多彩に学べるフォルクホーグスコーラ
スウェーデン留学の主な選択肢は大学とフォルクホーグスコーラ(Folkhögskola)。
フォルクホーグスコーラは18歳以上であればだれでも学ぶことができ、70代の人も在籍しています。
フォルクホーグスコーラではさまざまなことが学べます。社会科学や言語、科学から音楽やスポーツ、大学入学に必要なスキル、職業訓練、趣味、そして移民の人たちがスウェーデン語を学ぶために通うこともあります。
学校は国中に点在しており、計150校以上があります。
場所や時期によって開講されるコースが異なるので、希望の分野を学べる学校を選びます。
授業はスウェーデン語で行われるので、日本人留学生の場合はスウェーデン語のクラスを取って学んでから好きな科目を取るといいでしょう。
個性を受け入れ尊重する雰囲気
スウェーデンは移民の受け入れが多く、人種や宗教、セクシュアリティにも多様性が見られます。
「違い」による生き辛さを感じることは少なく、日常的に体感できる部分では、食料品店やレストランでのアレルギーやヴィーガン、ハラール向けの食品が充実していることが例として挙げられます。
自分のペースで学べるスウェーデンの教育。「普通」はありません。
日本では、高校を卒業して大学に進学し新卒で就職する、という流れが1つのスタンダードとされています。
一方で、スウェーデンでは進路や大学に行くタイミングは人によって様々です。
高校卒業後、アルバイトでお金を貯めて旅に出たり、ストレートで大学に行ったり。もちろん大学に行かない人もいます。
自分とは年齢やバックグラウンドが違う学生に出会え、刺激的です。
また、都会の喧騒からはかけ離れた自然豊かな環境で学ぶことができます。自然に囲まれていると、ストレスを感じることが少なくなります。思考がクリアな状態で学習に励むことができます。
スウェーデン留学5つのデメリット
基本的には英語が通じるが、家に届く手紙や書類はスウェーデン語。
どこでもおおむね英語が通じるスウェーデンですが、荷物の受け取りの手紙など、家に届く書類は全てスウェーデン語での表記です。
読めないものがあったときには、翻訳機能やスウェーデン語が解る人を頼って解決する必要があります。
日本との時差は7~8時間。
日本との時差は8時間、サマータイムが適応される3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までは7時間です。
日本が夕方~夜で一番連絡を取りやすい時間帯、スウェーデンはもうみんな寝ている時間。時には連絡の取りづらさや、大切な連絡への返事がなかなか来ないもどかしさを感じることもあります。
冬は極寒!防寒具は現地調達もしくは日本から持っていこう。
寒さには地域差がありますが、寒波の影響で例年にない気温になるなどの可能性もあります。
実際に筆者が留学していた年には大寒波が押し寄せ、南部にも関わらずマイナス15度程まで気温が下がりました。
寒い時期にはおしゃれは二の次。とにかく暖をとることが重要です。また、現地の人と日本人では肌感覚に違いがあるため、自分の感覚で調節するようにしましょう。
日本で調達できるものとしては、吸湿発熱性インナーは現地で目にすることは少ないため持参すると重宝します。その他、スノーブーツ、ダウン、マフラー、ニット帽、手袋などもあるといいでしょう。
地方都市だと観光地やエンターテイメントの施設は少なめ。
地方都市を留学先として選ぶと、到着して町を一周してまずは「何もない」と感じると思います。
海外生活への壮大なイメージと期待を抱いて渡航するとあまりの何もなさに驚く可能性もあるでしょう。
とはいえ、その「何もない」状態こそ、スウェーデン流スローライフを体感するのに重要です。本当に必要なモノは何か、自分がどれだけ多くのモノに囲まれて生きてきたかを考えることができます。
日本食は食べられないと思っておこう。
日本の家庭料理の生姜焼きや肉じゃがなどに利用される薄切り肉ですが、現地のスーパーマーケットではなかなか見かけません。
また、運良くアジアの食材を取り扱うお店があっても、基本的にはどの商品も値が張ります。
日本食は食べられない・調理できないと思っておいた方が無難です。
どうしても食べたいものがあるならば、持参できるものは日本から持参しましょう。
スウェーデンで留学ができる教育機関と費用
スウェーデンの大学留学にかかる費用
実際に筆者の留学にかかった費用をもとに、正規留学の場合の試算例をご紹介します。
(留学期間:10ヵ月)
授業料・教材費用 | 約1,650,000円 |
海外保険料 | 約150,000円 |
家賃と光熱費 | 約400,000円 |
食費・消耗品 | 約300,000円 |
交通費などその他 | 約200,000円 |
合計 | 約2,700,000円 |
地域差が出る部分ですが、筆者が通っていたリンネ大学(Linnaeus University)のあるカルマー(Kalmar)とヴェクショー(Vaxjo)での家賃は月4万円ほど。水道光熱費も含まれていました。
→参考:リンネ大学(Linnaeus University)の特徴を留学生が伝えます!【海外大学留学レポート】
スウェーデンのフォルクホーグスコーラ(Folkhögskola)での留学費用
フォルクホーグスコーラでは授業料がありません。学習の費用として掛かるのは教材や書籍に充てる分のみとなります。
(留学期間:10ヵ月)
教材・書籍費用 | 約50,000円 |
海外保険料 | 約150,000円 |
家賃と光熱費 | 約400,000円 |
食費・消耗品 | 約300,000円 |
交通費などその他 | 約200,000円 |
合計 | 約1,100,000円 |
また、今回ご紹介した費用には旅行の費用は組み込んでおりませんので、たくさん旅行がしたい!という方は別で予算を設けてください。
スウェーデン留学は低予算で多様性を満喫できる
- 北欧ののんびりとした雰囲気や自然に憧れている人。
- 初めての海外生活が不安で、治安の良い国がいいという人。
- 様々なバックグラウンドを持つ人と交流したい人。
- なるべく費用を抑えた留学を考えている人。
- スウェーデンの教育を経験してみたい人。
- とにかくスウェーデンに行ってみたい!という人!
こんな人には特におすすめの留学先です。ぜひ、スウェーデン留学でたくさんの魅力に触れてみてください。