「ニュージーランドの高校に行ってみたい!」
この記事ではそんな人のために役立つニュージーランド高校留学情報をお届けします。
- ニュージーランドの高校って難しいの?
- 英語力はどのくらい必要?
- 費用はどのくらい?
- 卒業後はどうする?
など、ニュージーランド高校留学をする場合に気になるポイントを解説していきます。
「日本の学校とのシステムの違いは?」「偏差値の見方や学校の選び方は?」といった疑問や留学費用についてもご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
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ニュージーランドの高校留学の特徴

ニュージーランドは世界トップクラスの教育大国
高校留学できる国のなかで特に人気の高いニュージーランド。ニュージーランドは、英エコノミスト誌の未来教育指数ランキング2017年でトップに、2018年以降も3位にランクインしている教育大国です。
日本人がなじみやすい国民性
治安が安定している環境や穏やかな国民性も人気の理由です。
ニュージーランドの人たちがよく口にするのが「No worries!(心配ないよ!)」という言葉です。ちょっと失敗したり、少し迷惑をかけるくらいのことは全部「No worries!」で落着です。
この言葉の背景には、ニュージーランドの持つ「許し合う」という社会があります。
移民国家であるニュージーランドでは、国民はお互いを認め助け合うことで成り立ってきた歴史があります。先住民であるマオリとの間では、お互いの違いを受け入れられなかった時期を乗り越えてきました。
だからこそニュージーランドでは、お互いを許し合い、助け合うのが当たり前の社会になったのです。
自己肯定感がつく
ニュージーランドでは幼児期から、個性を大事にする教育方針が徹底されています。この方針のことを「テファリキ(Te Whariki)」といいます。
テファリキでは子どもの主体性を第一に考えます。机に座ってiPadを見るのが好きな子もいれば、床に寝っ転がって絵本を見るのが好きな子もいます。友だちと話したり笑ったりするのが好きで得意な子もいます。
先生は放置するのではなく彼らを見守り、尊重します。学びをどのように吸収するかは、各個人それぞれ得意な方法に任せます。
また、先生は生徒一人ひとりについて綿密に記録をします。この記録は幼稚園・保育園から小学校へと受け継がれ、先の学年に上がっても尊重されていきます。
こういった環境で育った子どもは、自分は認められていると感じています。「あなたはあなたのままでステキだよ」と言われることから、自己肯定感が育っていくのです。
選択科目が多い
ニュージーランドの高校では選択科目が多く取り入れられています。将来はどんな仕事をしたいのかを具体的に考えるのが高校時代。学生一人ひとりが自分の道を選べるよう、自由度の高い科目選択ができるようにしています。
費用が安い
日本からの高校留学が多い国はアメリカ、スイス、カナダ、イギリス、オーストラリアなどがあります。そのなかで比較的安い費用で留学できるのがニュージーランドです。
特に、公立での受け入れが難しいスイス、イギリス、アメリカでは私立校への留学がメインとなります。そのため、年間で600万円~1000万円といった高額な費用がかかります。
その点ニュージーランドはそもそも公立校が全体の95%を占めており、公立高校への留学も一般的です。だいたい年間250万円~450万円での留学が可能です。費用については、ページ下でも詳しくご紹介します。
留学生へのサポートが厚い
英語力が足りない留学生の場合、ESOLという英語クラスを受講することができます。この授業も他の通常科目と同じように単位として扱われるため、別途追加で単位を取得する必要がありません。
「英語がわからないと通常科目のクラスについていけないのでは?」と心配な人も多いでしょう。確かに最初はまったくわからず、周りは自分以外の空気が流れているだけ…という気分になってしまうかもしれません。
しかし「許し合う社会」のニュージーランドでは教師も生徒も、互いをリスペクトし、認め合うのが当たり前です。疎外感を感じるひまもないくらい周りが関わってくれます。
多様性を重んじている
ニュージーランドはマオリ、ヨーロッパ、アジア、ポリネシアなどさまざまな人種が暮らす社会です。
また、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相自身が女性であり母であることをはじめ、彼女率いる内閣は「世界でもっとも多様な内閣」として有名です。閣僚の女性が40%を占めるほか、マオリ、パシフィカ、LGBTQIといった多様な背景を持つ人々で構成されています。
中学校においても先住民族であるマオリをリスペクトし、どんなルーツを持つ人にも公平な機会をもたらすことに多くの時間を割いています。
ニュージーランドの高校留学にデメリットはあるの?
入学時期がずれる
日本とニュージーランドでは、学期制度が少し異なります。
ニュージーランドは4学期制です。途中の学期から入ることも可能ですが、もし年度の頭から入学したいと考えた場合には日本の学期を途中もしくは早めに終了する場合があります。
▼ニュージーランドの学期
開始 | 終了 | |
1学期(Term 1) | 1月末 – 2月頭 | 4月中旬 |
2学期(Term 2) | 4月末 – 5月頭 | 7月上旬 |
3学期(Term 3) | 7月下旬 | 9月末 – 10月頭 |
4学期(Term 4) | 10月中旬 | 12月中旬 |
日本史や国語は自力で勉強
日本の歴史などの社会科目や国語科目は自力で勉強する必要があります。とはいえ海外で生活しているほうが日本のことをよく聞かれますし、むしろ日本にいる高校生よりも日本のことを知りたい気持ちになるようです。
教科書を通じた勉強にこだわらず、本や映画を通じて知っていくのがおすすめです。日本の政治やニュースはインターネットで日々受け取るようにしておきたいですね。
ニュージーランドの高校に行くのが向いている人って?

海外の文化に興味がある人
ドラマや映画、動画配信サービスなどを見て海外での生活に興味を持ったという人も多いのでは?ラグビーや「ハカ」をきっかけに興味を持った人も少なくありません。
ニュージーランドは夏はトレッキングやマリンスポーツ、冬はスキーやスノーボードも楽しめます。バンジージャンプやラフティングも手軽にチャレンジできます。
農業が盛んでSDGsの先進国でもあります。大自然を満喫したり、好きなことを通じて友だちを増やすといいですね!
英語が好きな人
中学時代から英語が好きだった人や得意だった人、将来に向けて英語力を付けたい人も多いです。高校時代はネイティブレベルの英語力を身につけられる絶好のチャンスです。
ただ、日本で英語が得意だった人ほど現地でショックを受ける傾向にあるようです。もっとついていけるはずだと思っていても、留学初期はなかなかネイティブスピードの英語についていけないものです。また、日本でもそうですが高校生特有のおしゃべりや流行り言葉は、日本の学校では習いません。
そのスランプの時期を乗り越えれば、高校生活が本格的に楽しくなります。留学生同士で助け合ったり、留学生との国際交流に興味があるニュージーランド人学生に助けてもらいながら毎日を過ごしているうちに、知らないうちに流暢な英語が話せるようになるものです。(そして次は、新しく入る留学生をバックアップしてあげてくださいね!)
海外の大学に進学したい人
いずれ海外大学に進みたいと思っている人、とりわけトップランクの大学に行きたいと思っている人は高校選びからしっかり対策していきたいところです。
IB(国際バカロレア)校やAP(Advanced Placement=大学入学審査基準のひとつにもなる上級試験)クラス設置校などを調べて、大学進学に有利で実績の高い高校を選ぶことが重要です。
自立したいと思っている人
親元から遠く離れて暮らすのは、想像以上に精神的なタフさが備わっていきます。自炊こそほぼ必要ありませんが、洗濯物を自分で整え、掃除も自分でしっかりやらなければいけません。
お金の管理も自己責任です。困ったことがあれば、英語がわからなくても勇気を出して誰かに相談しなければなりません。
人間として大きく自立するのはもちろん、「家族のありがたみがわかった」と感謝の気持ちも芽生えてくるものです。
家族の勧め
「親に勧められた」という人も多いです。単に親の意見に従って留学したというよりは
- 海外の政治や社会について話し合う機会が多い家庭に育った
- 親御さんがグローバルな仕事をしている
- 家族で海外を訪問した経験がある
- 日本で国際教育に力を入れている学校に通っていた
といった具合に、家族や学校の影響で自然に興味を持つようになったという人も。
将来の夢に活かしたい人
「将来は外交官になりたい」「ラグビー選手として活躍したい」など、留学が将来の夢への近道になる人もいますね!
日本の学校に違和感を感じている人
日本の小学校や中学校に違和感を感じたりした経験を持つ人もいます。
日本では変わり者のように見られていたけれど、ニュージーランドに来てからは「面白いね」「ユニークだね」と言われるようになった、という人もいます。
ニュージーランド社会の特徴は「あなたはそのままで既に素敵だよ」という考え方がベースにあること。失敗しようと、コミュニケーションが苦手だろうと、ありのままを肯定する教育が、日本とは違う安心感をもたらします。
ニュージーランドと日本の高校の違い
日本の学校との相関表
ニュージーランドの教育制度について理解するために、日本との年度相関表をご紹介します。

ニュージーランドの高校(セカンダリ―スクール/Secondary School)は中高一貫です。ただしなかには中学をYear9と10の2年で終了してYear11から別の学校へ行く人もいます。
授業や環境は日本とニュージーランドではどう違う?
ニュージーランドの高校が日本の高校ともっとも大きな違うのは、大人が学生を信頼しているという点です。
教師やスタッフは学生の主体性を何よりも大事にします。選択科目を充実させ、学生には好きな方法で学ばせることを重視しています。
また、14歳から18歳が同じキャンパスで学ぶという点も日本との違いです。
「先輩・後輩」のギスギスはありません。むしろ、年長の高校生は年下の学生を育む役目を通じてリーダーシップを学んでいきます。新入生たちは年長学生が将来の目標を定めていく様子を目の当たりにしていくなか、自分ごととしてとらえるようになっていきます。
高校留学の種類と学校の選び方

ニュージーランドの高校留学は次の種類にわけられます。
正規留学 (卒業を目指す留学) | 次の3つの運営形態があります ・公立高校 ・私立高校 ・ステイト・インテグレイテッド校 |
交換留学 (1年) | 日本の高校に在籍したまま、1年間を海外高校で学びます。 単位振替可能です。 公立高校が多いですが、私立を選べるプログラムもあります。 |
短期留学 | 学期(ターム)留学や、語学学校が主催する高校体験プログラムがあります。 |
公立高校の特徴
公立高校へ日本人学生が留学できる主な国はカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどです。そのなかでもニュージーランドは、リーズナブルな学費で高校教育を受けられる国として知られています。
地元の学生が多く通ってきているので、ニュージーランド社会そのものを知ることができます。また、さまざまな国からの留学生も来ています。
ニュージーランドの公立高校は難民の受け入れにも積極的です。厳しいバックグラウンドを持った学生たちとも机を並べることで、地球の縮図を自然に学ぶことができます。
私立高校の特徴
ニュージーランドの私立高校は、比較的裕福で進学などに熱心なニュージーランド人学生が多く在籍しています。
世界大学ランキングのトップ校への進学者を出している高校から、平均的な成績で入学してしっかりと学べる高校、芸術やスポーツに力を入れている高校などいろんな魅力ある高校があります。
ステイト・インテグレイテッド校って?
ステイト・インテグレイテッドとは私立と公立の間、半官半民のような運営形態です。もともと私立校だった学校が1975年の私立校に関する法改正によってステイト・インテグレイテッド校になりました。
329校あるステイト・インテグレイテッド校のうち、237校がキリスト教系学校なのも特徴です。(2016年度調べ)
共学/男子校/女子校がある
ニュージーランドの高校は
- 共学校
- 男子校
- 女子校
の3種類があります。公立/私立の運営形態とはあまり関係がなく、公立校であっても男女別学校があります。
寮とホームステイで選べる
留学中の家はとても大事!どんなところに住むか、迷ってしまいますよね。
寮の場合は学校敷地内にあることが多いため、家の距離が近いです。食事も寮と学校で取れます。学校にもよりますが、学年が若いうちは3~4人部屋で、Year12や13で勉強が忙しくなってくると1人部屋や2人部屋になるというところもあります。
ホームステイの場合は基本的に1人部屋です。バスや自転車、ホストファミリーの送迎などが通学手段です。食事はホストファミリーが用意してくれます。
性格的に共同生活に合う(合わない)、学校の場所、生活環境などを考慮してご家庭で話し合うことをおすすめします。
大学進学率と大学入学テストの合格率
ニュージーランドには、ニュージーランド国内の大学に進むための試験制度「NCEA(National Certificates of Educational Achievement)」があります。ニュージーランド全国統一試験で、NCEAレベル3の結果をもとにUE(University Entrance)という大学出願資格が得られます。
ニュージーランドの高校ではNCEAのためのクラスを3年間かけて履修していきます。そのため、NCEAやUEの合格率は、高校のレベルを知る指標でもあります。
NCEAとは別に、IB(国際バカロレア)コースを実施している高校もあります。NCEA、IBのどちらを選んでも世界中の大学への出願資格が得られますが、欧米の大学進学を視野に入れている人やIBコースの教育理念に共感している人はIBコース設置高校を選ぶ傾向にあります。
場所も大事な選択肢
ニュージーランドは南北に延びる島国です。オークランドやクライストチャーチ、ウェリントンといった都会もあれば、小さなスーパーマーケット一軒しかないような田舎もあります。
ニュージーランドの高校留学にかかる費用

学費の年間目安は学校形態別に次の表を参考にしてください。
公立高校 | 約100~120万円 |
私立高校 | 約300~350万円 |
ステイト・インテグレイテッド | 約120~140万円 |
以下に学費以外にかかる総費用を、郊外公立校(ホームステイ)と都市部私立校(寮/ホームステイ)の2校を例にご紹介します。
郊外公立校(ホームステイ)例
学校 | スポッツウッド・カレッジ (Spotswood College) →学校取材レポートはこちら |
運営形態 | 公立・共学 |
場所 | 北島・郊外 (パーマストンノース) |
※2023年料金/1ニュージーランドドル=80円換算
NZドル | 日本円 | |
授業料(年間) | 15,400 | 1,232,000 |
管理費 | 1,200 | 96,000 |
ホームステイ手配費 | 300 | 24,000 |
ホームステイ (週280ドル×48週) | 13,440 | 1,075,200 |
銀行費 | 30 | 2,400 |
空港ピックアップ費 | 50 | 4,000 |
保険 | 600 | 48,000 |
制服代 | 400 | 32,000 |
税金 | 450 | 36,000 |
雑費 (スポーツや試験代等) | 1,800 | 144,000 |
遠足 | 1,100 | 88,000 |
合計 | 34,770 | 2,781,600 |
※上記のほかESOLクラス($160)がかかる場合があります。
学費参考:スポッツウッドカレッジHP International Enrolment
都市部私立校(寮またはホームステイ)例
学校 | スコッツ・カレッジ (Scots College) →留学生インタビューはこちら |
運営形態 | 私立・男子校 IBコースあり |
場所 | 首都ウェリントン |
※2022年料金/1ニュージーランドドル=80円換算
NZドル | 日本円 | |
入学金 | 500 | 40,000 |
授業料 | 37,250 | 2,980,000 |
ホームステイ (45週間) | 14,625 | 1,170,000 |
寮 (休暇中のホームステイ含) | 20,455 | 1,636,400 |
制服代 | 1,500 | 120,000 |
保険 | 600 | 48,000 |
制服代 | 400 | 32,000 |
雑費 (スポーツや試験代等) | 1,500 | 120,000 |
保険 | 600 | 48,000 |
ガーディアン費 (寮の場合) | 2,500 | 200,000 |
合計 (ホームステイの場合) | 56,975 | 4,558,000 |
合計 (寮の場合) | 65,305 | 5,224,400 |
学費参考:スコッツカレッジHP International Admission and Fees
ニュージーランドの高校、卒業後の進路は?
ほとんどの学生がニュージーランドや欧米、オーストラリアなどの大学に進みます。日本の大学やアジアの大学も人気です。
大学へは進まずにニュージーランドの国立職業訓練機関である「ポリテクニック」に進み、やりたい仕事に直結した資格をとりに行く人も稀にいます。
高校卒業の時点で英語力はすでに高いレベルに達しています。世界のどんな国に進学する場合でも、大きなアドバンテージを持っていることは確かです。海外大学の入試では高校での成績やそこでの活動が重視されますので、しっかり押さえておきたいですね!
高校進学の流れを知ろう!

資料請求・情報収集
まずは高校情報を集めましょう。私立/公立や全寮制、学費のほか、国ごとの特徴も知りたいですね!
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視察
現地視察、またはオンライン視察は高校留学成功のキモ。渡航できる人は一度に複数校を回ったり、サマースクールに参加してみるのもおすすめです。オンラインツアー実施校もたくさんあります。

学校を決める
国や学校の特徴や費用を知って、出願する高校を検討しましょう!
「学生数が少なめ」「費用が安い」「進学に有利」などさまざまな特徴があります。留学の充実度に大きくかかわります!

出願・申し込み
入学申請や留学会社へのサポート申込は12か月前、遅くとも8か月前にスタートするのが理想的です。

面接・合否発表
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滞在先が決まる
ホームステイをする人はアレルギーなどもしっかり申告しておいてくださいね。

ビザを申請
学生ビザを申請します。パスポートを持っていない人や期限が迫っている人は早めに準備しておきましょう!

航空券をとる
現地到着はできるだけ日中の時間帯になるようなフライトを選びましょう!

荷造りして出発!
いざ出発です。
さあ、高校生活の始まりです。
楽しみましょう!
「行ってみたい」の気持ちを大切に。
ニュージーランドの高校は生徒一人ひとりの個性を重んじ、多様性を育む教育です。外国人留学生であっても、日本人の枠を超えた1人の人間として尊重してくれます。選択科目も多く、やりたいことを見つけられる環境があります。
一方で留学中は「言葉が思うように通じない」「一人でも強く頑張らなければならない」など、つまづく経験もたくさんするでしょう。
そんなときは他の留学生に悩みを打ち明けたり、学校のカウンセラーに相談したりすることも大切です。頑張ることは素敵なことですが、無理ばかりせずいろんな人の助けを借りながらやっていくのも留学の大事なポイントです。
高校留学は大きな決断なので、長期留学の前に短期留学や視察の体験留学をするという選択肢もあります。ぜひしっかりと情報収集をし、一番あなたに合う高校に出会ってくださいね!
(留学プレス編集部)