世界中から優秀な学生が集まる究極のエコ学校グリーンスクール訪問〜大川彰一(国際教育コンサルタント)

インドネシア・バリ島のウブドから車で約30分、ジャングルの中に世界から注目を集めるインターナショナル・スクールがあるのをご存知でしょうか。先日訪問してきましたので、今回はそのレポートをお届けいたします。

グリーンスクールとは

世界中から優秀な子供が集まるインドネシア・バリ島の学校「グリーンスクール」を訪問しました。

この学校が一躍有名になったのは、TEDでのプレゼンテーションからでした。設立者のジョン・ハーディーのメッセージ「不確実な世界を生きる子供たちに、必要とされるであろう全ての能力を伸ばす教育を与えたい」に多くの人が賛同し、2008年に開校したのです。

以来、世界中の注目を集めながら、最先端の教育をバリ島のウブド郊外のジャングルを舞台に展開しています。
プログラムは年齢ごとに大きく4つに分かれていて、3歳から18歳まで日本人も含め30カ国以上の国から400名以上の学生が学んでいます。

20万ヘクタールの広大な敷地には芸術的にもまた環境にも配慮された建物が広がっていて、「学校」「図書館」「宿舎」「食堂」「ゲストハウス」などに分かれています。

▼グリーンスクール入り口

校舎は全て竹でできていて、デザイン性も非常に高い

世界のリーダーを育成する教育

グリーンスクールの価値観は「iRespect」と言われています。学校の敷地にもシンボルがありました。

▼iRespectの標識

Integrity(誠実性)、Responsibility(責任感)、Empathy(共感)、Sustainability(持続可能性)、Peace(平和)、Equality(対等)、Community(共同社会)、Trust(信頼)。

将来的に世界のリーダーを育成するための教育理念がここに凝縮されています。この学校の授業は基本的にすべて英語で行われ、シュタイナー教育に影響を受けた独自の教育スタイルを実施しています。

エコな環境の中で世界の社会問題に取り組む

子供達は生命が循環する仕組みを学びながらサステイナブルマインドを学んでいきます。

敷地内にある畑では、学生が様々なオーガニック野菜を作っていて、食堂で調理され給食で出されます。自給率は100%ではないということですが、学生は種まきから収穫まで経験しながら自給自足の大切さを学んでいくそうです。

▼生命の循環システム

電力に関してもバイオガスシステムやソーラー発電、燃料も廃材を使用しての再生可能エネルギーで賄う工夫があちこちに見られました。

ちょうど訪問日は、全員参加で学校の運動会をやっていました。学生達が思い思い自由に国境や年齢を超えて楽しんでいる様子が、伝わってきました。

この自然に囲まれた環境の中で、学生は環境問題などの世界が抱える問題の問題解決に取り組んでいきます。学内では至るところで、学生同士がディスカッションしたり楽しみながら伸び伸びと学んでいたりする様子が見られました。

アントレプレナーシップを育む

多くの学生が在学中に起業するらしく、なんと10歳でマイクロファイナンスのプロジェクトチームを立ち上げた学生もいるとういうことで驚きです。

訪問の最後には学校の担当者と打ち合わせがありましたが、二人とも若く17歳ということでしたが、ここで学んだということで、とても優秀な若者でした。

▼スタッフとミーティングする筆者

完全にエコな施設の中で、最先端の教育を世界の優秀な学生と受けることができるこの学校、各国の教育関係者が視察に訪れるのも納得です。

興味のある方は、訪問ツアーやサマースクールも行っていますので、バリ島に行った際には実際に訪れてみてはいかがでしょう。

Green School ホームページ
https://www.greenschool.org

文:大川彰一(国際教育コンサルタント)
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