メキシコ料理には欠かせない、辛いソース「サルサ」。
ここメキシコでは、タコスを中心に、肉料理や魚料理を辛くしたい時に使います。日本でもおなじみのソースですが、いつもの使い方だけでなくいろんな料理に応用すると、ぐっと料理の幅が広がります。
サルサは、赤トマトを使うサルサ・ロハ(Salsa Roja)と緑のトマトを使うサルサ・ベルデ(Salsa Verde)があります。
サルサ・ロハは、深みのあるトマト味。一方、サルサ・ベルデは、酸味がある緑のトマトを使うため、赤トマトとは全く違う独特な味がします。このソースを美味しくつくるコツは、メキシコのすり鉢「モルカヘテ」です。サルサは手軽にブレンダーを使って作ることができますが、モルカヘテを使って作ったほうがずっとおいしく、味わい深いのです。
今回は、赤トマトを使ったサルサ・ロハのレシピをご紹介します。モルカヘテは、日本のすり鉢でも代用できるので、ぜひ本場のサルサを試してみてください。
▼石でできた伝統的なモルカヘテ
モルカヘテを使って作るサルサ・ロハ(Salsa Roja)のレシピ

【材料(1人分)】
・トマト 1つ
・ニンニク 1かけ
・玉ねぎ 少々
・チリ・セラノ 1つ(日本では青唐辛子を使う)
・塩 少々

【作り方】
(1)トマトと唐辛子をガスレンジでローストする。(全体的に多少黒くなるくらいまで)
(2) 玉ねぎをみじん切りにする。
(3) ニンニクと玉ねぎをモルカヘテで押しつぶして小さくしていく。
(4) ローストしたトマトと唐辛子を小さく切ってからモルカヘテに少しずつ入れていく。
(5) 大きな塊がなくなり、サルサがなめらかになったら塩を入れて完成。
★トマトを少しずつ入れながら、ぐりぐりと押しつぶすようにつぶしていくのがポイントです。
★あまり辛くしたくない人は、青唐辛子を半分だけ入れましょう。
サルサ・ロハを使う料理
サルサ・ロハは、料理を辛くするためだけでなく、ソースとしても使います。
例えば、メキシコ料理の朝食として人気の、チラキレス・ロホス(Chilaquiles rojos)は、トルティーヤチップの上から、サワークリーム、フレッシュチーズと一緒に、サルサ・ロハをたっぷりとかけた料理です。
Photo from Flickr
Chicken Chilaquiles
また、ウエボス・ランチェロス・エン・サルサ・ロハ(Huevos rancheros en salsa roja)は目玉焼きにサルサ・ロハをかけた、同じく朝食に食べる卵料理です。
Photo from Flickr
Mmm… huevos rancheros
サルサ・ロハはメキシコ料理には、欠かせないソースと言えるでしょう。
日本でも、白身魚やステーキの上にかけてみてください。普段の味とがらっと変わり、とても美味しく頂けますよ。
アステカ時代から使用されているすり鉢
先にも触れたとおり、サルサは実はブレンダーでも作ることができます。しかし、メキシコ人は、サルサはモルカヘテを使い、じっくりと素材をつぶして作る方が美味しいことを知っています。アステカ時代には、このモルカヘテが、ソースだけでなくクミンやスパイスなどをすって細かくするための、大切な道具でした。
モルカヘテは、普通は石でできています。しかし、最近ではレシピを作った写真のように、大理石でできたモルカヘテも人気です。日本でも作れるサルサ・ロハ、ぜひ試してみてください。