初めての国で訪れるスーパーマーケットはとても楽しいもの。その土地特有の製品を探せるのはもちろん、売り場の様子や販売の仕方など、皆さまもスーパーを通じてその国の人たちの日常に触れた経験があるのではないでしょうか。
一方、留学生にとってスーパーマーケットは、生きるための食料品を買うための必要不可欠な存在です。スウェーデンのスーパーは日本と異なり、野菜や肉の量り売りスタイルやお酒の買い方など、勝手が違うことがあります。
本記事ではスウェーデンのスーパーマーケットの日本とは違った特徴や変わったシステムなどをご紹介。米を食べたくなったときの商品ガイドやスウェーデンならではのアレルギー対策もご紹介します。初めてのスウェーデン生活であっても、これを読めば安心してスーパーへ向かうことができるでしょう。 ぜひ参考にしてください。
なお、本記事では価格の掲載もありますが、どれも筆者が実際に住んでいた南部のカルマー(Kalmar)・ベクショー(Vaxjo)のスーパーマーケットで実際に目にしたものを参考にしています。
スウェーデンの通貨「スウェーデンクローナ」。
まずはスウェーデンの通貨について知っておきましょう。
スウェーデンはEU加盟国ですが、EURO(ユーロ)は使われていません。
スウェーデンで使われている通貨はSEK(スウェーデンクローナ)です。クローナとはスウェーデン語で「王冠」を意味します。「王冠」を意味する単語が通貨として使われている国は北欧圏を含めその他の地域でも見られます。
1クローナは日本円で大体12.5~14円ほど。14円と考えておけばお買い物の際に損をすることはないでしょう。
最近は円高により12.5円付近をキープしています(2018年6月25日現在)。
そして、スウェーデンはカード社会。留学生が生活するにはクレジットカードが必須です。この記事に登場するスーパーマーケットでもカードで支払いができます。私は予備を含めて常に2枚携帯していました。
腕が疲れない!転がすタイプのショッピングカート
スウェーデンのスーパーマーケットのカートは、手で持ち運ぶバスケットではありません。最もポピュラーなのは、底にタイヤがついているバスケットを転がすスタイルです。
少し量が多くなってしまったり、重いものを購入する際にも腕が疲れません。
大量の食料品を購入する人は大型のカートを使っていますが、一人分の食料品のみの場合はこのタイヤ一体型バスケットを利用することになるでしょう。
野菜・果物売り場では量り売りが主流
スウェーデンでは野菜や果物を量り売りで買うケースがほとんどです。日本ではあまり見かけませんね。
山盛りに積まれている野菜を自分が欲しい量だけ袋に入れます。
▼玉ねぎの売り場。この日は1㎏で8.95スウェーデンクローナでした。
量り売りの食品購入の流れは次のとおりです。
(1) ビニール袋に詰めたら売り場に設置してある秤に持っていきます。
▼秤
▼秤にはこのような画面が出ています。
(2) 玉ねぎはLÖKの部類に属するので画面上の「LÖK」をタッチします。また次にも野菜を選択する画面が出てきますので商品名と照らし合わせて選んでください。
(3) 自分の買う分を秤の上に乗せると、商品のバーコードが自動的に印刷されるので袋に貼って完成です。その後、他の商品と同じようにレジにて購入できます。
玉ねぎ以外にもトマトやジャガイモ、オレンジ、リンゴ、各種キノコ等、様々な食品が量り売りで売られています。
量り売り以外にも元から袋に詰められて売られているものもあります。
参考までに、ベクショーとカルマーで実際に私が購入していた商品の値段の一例をご紹介しましょう(2018年6月現在)。量り売りと袋詰めのものの値段の比較をしてみてください。量り売りのほうが価格的にはリーズナブルですが、少量を便利に使いたいという場合は袋詰めも便利なものです。
セール等によって価格は変動します。私はなるべく安くなっているものを購入することで、スーパーマーケットでの節約を楽しんでいました。
日本人の主食、お米を食べたくなったら?
この記事を見ている日本人の方のなかには、ご飯が恋しくなる方もいることでしょう。私を含め、周囲の日本人は「Grötris」という食品を代用品として日々食べていました。
「Grötris」を直訳すると「煮る用の米」です。本来はデザート用に牛乳と一緒に煮るためのお米ですが、こちらがお米コーナーに売っているお米の中で一番日本米に近い形状・大きさです。この時の価格は約14kr/1kgでした。
小さな炊飯器を通販で購入している人や、鍋で炊いている人もいます。私は鍋で炊いていましたが、長期で滞在してお米を頻繁に食べられる予定の方はネット通販で炊飯器を購入すると良いでしょう。
米以外にパンやパスタも、豊富な種類が売られているので、主食として多彩に楽しんでみてください。
豊富なアレルギー対応食品
スウェーデンのスーパーマーケットでは、グルテンフリーやラクトースフリーの食品など、アレルギーや体質に合わせた食品が多く見られます。グルテン不耐症の人も乳糖不耐症の人も、より幅広い種類の食事が楽しめます。
グルテンフリー食品の棚には、パスタやビスケットなどのお菓子類、ミックス粉も売られています。
▼グルテンフリーの商品棚
ラクトースフリーの食品の棚には生クリーム、フレーバー付のヨーグルトなど普通の乳製品と変わらない数の種類が用意されています。
▼ラクトースフリーの商品棚
お酒は酒屋で。スーパーでの購入は度数に制限あり。
日本ではスーパーマーケットやコンビニエンスストアで気軽にお酒を購入することが出来ますが、スウェーデンでは度数が3.5%以上のお酒は酒屋でしか購入することが出来ません。
よって、スーパーマーケットで購入できるのは3.5%以下のお酒のみ。薄いビールまたはサイダーという果実風味のお酒です。
▼スーパーマーケットのビールの棚
種類、種類ともに様々です。
アルコール度数は高くても3.5%のため、通常のビールと比べたら薄味です。ビールは絶対に濃いのがいい!という方は酒屋に行きましょう。
以上、スウェーデンのスーパー活用法についてご紹介しました。これでスウェーデン留学をスムーズにスタートできるのではないでしょうか。
留学だけでなく、旅行としてスウェーデンを訪れる方も、ぜひスーパーマーケットに足を踏み入れてみてください。きっと、スウェーデンの人たちの暮らしや食卓の風景が目に浮かぶはずです。