アメリカ車社会に渡米した日本人がなじんでいくためには?(第1回) ~ワイズりか(アメリカ在住ライター、イラストレーター)

日本の公共交通機関の発達ぶりは、世界でも有名な話である。日本に一度行ったことのある外国人は、特に鉄道の便利の良さに感動する。私が渡米して、何に一番不便を感じたかといえば、公共交通機関が限られている点だ。
 
私はサンフランシスコ空港から比較的近い場所に住んでいるため、とりあえずは車以外にバスや電車を利用しようと思えば、それなりに出来る。しかし、スケジュールを前もってしっかり調べていかないと、待ち時間だけで無駄に過ごしてしまうことになるので注意が必要だ。
 
本記事ではアメリカ生活における車事情最前線と、日本人がアメリカ車社会にどう対応するべきかを2回にわたってお伝えしていくことにする。
 

すべての流れが車社会向けに出来ている

アメリカ社会は、さまざまな点で車のための構造として出来上がっている。日本でもハンバーガーショップのドライブスルーは知られていると思うが、アメリカには、この他に銀行、薬局、結婚式、郵便ポスト、葬式などのドライブスルーも存在する。
 
さらに、日常の生活でも、通勤、学校の送迎、買い物、友達に会う等も、車を利用するのが常である。通勤に車は欠かせない。都心で働く人は、車と鉄道を併用する人も多い。駅までは車で行き、そこに駐車させて鉄道に乗り換えるのだ。そのため、どの駅にも巨大な駐車場が設置されている。
 
▼最寄駅の駐車場。写っている建物はすべて駐車場で、さらに周辺一体にも駐車スペースが。
ちなみに駐車料金は1日3ドル。
アメリカは車社会
 
アメリカ駐在の方はお子さんの学校の送迎が必要な場合があるだろう。これも車で行う。学校の終業時間が近くなるとどこからともなくたくさんの車が列をなして、子供のピックアップを待ち構えている。毎日のことなので、私は早めの時間に行き駐車場の一角を確保するよう努めている。長蛇の車列に加わらずに、駐車したまま子供を待つことが出来るからだ。
 
友達と会うにしても、駐車場がある場所で待ち合わせをしなくてはならない。そこから一緒に行動するなら、一台を駐車して、どちらかの車に乗り合い、目的地まで向かう。まるで、電車から電車に乗り換えるようなものだ。
 
大手のスーパーには、巨大な駐車場が完備されている。私なら、駐車場が完備されていないお店には、めったに行かない。
 
アメリカでは通常一家におとなの人数の車を所有している。それぞれ別の行動をするためだ。どちらも働いている場合は、それぞれの職場に毎朝出かけるために使う。夫だけが働いていても、妻のほうは、昼間、人と会ったり、スーパーに出かけたり、子供の学校の送迎、生活に関わる全般にも、すべて車を利用する。
 

歩いている人がとても少ない

まずアメリカに来て気がつくことは、道を歩いている人が少ないことだ。犯罪などで危険だから、そうしているのでは?と思うかもしれないが、第一の理由は車を利用する人が多いからだ。
 
私は「アメリカ人は遠距離、近距離、まったく関係なく、車を使うことが多い」と普段から感じている。
 
例えば、歩いて5分ほどの知り合いを訪ねる場合、私ならもちろん歩いてゆくだろう。しかし、アメリカ人の友人たちは、それでも車を使う。
 
私は時々、運動のために、自宅から徒歩20分くらい離れたスーパーに行くことがある。そのためには、横断歩道を渡ることになるが、あまり多くの人が利用していないので、ドキドキしながら渡ってしまう。逆に、自分が運転していて横断歩道で人が渡っているのを見ると、緊張したりするのだ。
 

若いドライバーもいる!!

アメリカで免許を取得できる年齢は、それぞれの州によって異なる。州によってはなんと14歳から運転免許が取得できると言うので、ちょっと驚きである。

ある友人から聞いた話によると、農家の家庭ではなるべく早くから家族の手伝いをさせるため、小さいうちから子供にトラクターの乗り方を指導するという。14歳と言う若さで運転を許可する州の事情には、このような背景もあるのだろうか。

カリフォルニア州の例では16歳から。まだ高校生なので、社会的にもまだ不安定な時期である。実はアメリカでは、ティーンの運転による交通事故も多い。

先日も、私の車に向かって、どんどん進んで近づいてくる車があった。いわゆる「逆走」だ。間一髪よけることができたがちらっと見ると、かなり若いドライバーの女性が運転していた。
 
早い時期から運転を教わるのはいいが、交通ルールをしっかり覚えずに運転をしている若者も多い。ほとんどの場合、家族が教えてそのまま試験を受けるのからかもしれない。
 

留学中、車は必須か?

短期留学の場合は、なるべく交通に便利な場所を選ぶことで公共交通機関を利用して生活することが出来ると思う。しかし、何年間か滞在することになるのであれば、自分の車は必須ではないかと強く思う。
 
というか、何をするにも車を使って行動するのがアメリカでは当たり前であり、いちいち移動のたびに人を頼っているわけにはいかないと、自然に気がついてくる。
 
ただし、車を持つといっても、その前の準備がいろいろある。次回は留学生や駐在者が念頭に置いておくべき準備事項を中心にお伝えしよう。
 
>>「第二回:アメリカ車社会に渡米した日本人がなじんでいくためには?」へ続く
 
文:ワイズりか(ライター、イラストレーター)
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