ケンブリッジ大学留学ガイド|難易度や偏差値は?ランキング、学部や入学条件までご紹介

ケンブリッジ大学(University of Cambridge)はイギリス東部・ケンブリッジにある総合大学で、世界で最も古い大学のうちのひとつです。世界最高レベルの超名門大学として、大学ランキングでは常にトップ圏に入っています。

これまでに、アイザック・ニュートンやチャールズ・ダーウィンをはじめ、世に貢献した偉大な人物がケンブリッジ大学で学んできました。ノーベル賞受賞者の数も世界の大学の中ではトップクラスです。

また、イギリス伝統のカレッジ制を用いており、大学で暮らすように学ぶスタイルが特徴です。

  • ケンブリッジ大学ってどのくらい難しいの?
  • 大学ランキングは?
  • どんなことが学べるの?
  • 入学するにはどうすればいい?

本記事では、このような疑問を持つ人に向けて徹底解説いたします。ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

『留学プレス』留学生記者/小島なお(イギリス在住フルタイムワーカー兼ライター) テーマ:イギリス、留学 イギリスを含め海外生活は10年以上。 ファッションを勉強したことがきっかけで、イギリス・ロンドンに強い憧れを抱き渡英[…]

ケンブリッジ大学の基本情報

https://youtu.be/LlCwHnp3kL4
設立年1209年
形態国立
難易度★★★★★
合格率約20%前後
学生数
Student Numbers Summary | Information Hub
 
24270人(2020年-2021年)
留学生数9980人(2020-2021年)
人気の学部工学
コンピューターサイエンス
自然科学
法学
医学
経済学
数学
社会科学
学費例(年間)

費用検索はこちら
Undergraduate tuition fees 2023-24
Fees | Postgraduate Study
 
£24,507 学部課程
£30,339 修士課程

ケンブリッジ大学の場所

ケンブリッジ大学の所在地ケンブリッジは首都・ロンドンから電車で約1時間のところにあります。

ケンブリッジには多数のテクノロジー企業が集まっていることから、「欧州のシリコンバレー」と呼ばれています。

その一方で、町を流れる緑豊かなケム川ではパントという小舟が行き交い、ゆったりと落ち着いた雰囲気も持ち合わせています。

加えて、ケンブリッジ大学の歴史ある大学施設、カレッジなどが町中に点在し、美しい歴史都市の景観を作りあげています。

学生でなくとも大学のカレッジを見学できるため、イギリスの人気の観光地として多くの人が訪れています。

ショッピングストリートやレストランなどの娯楽施設へも近く、程よく便利な立地にあります。

ケンブリッジ大学は31のカレッジから成る総合大学

「大学」が講義や実習、試験を行い学位を与えるところであるのに対し、「カレッジ」は学生の生活・勉強の場のことを指します。

ケンブリッジ大学の学生は、必ずいずれかのカレッジに所属します。学生寮もカレッジ内にあるため、生活拠点の役割も担っています。

図書館など学習施設のほか、食堂、娯楽施設、スポーツジムもあり、大学生活に困らない環境が与えられます。まさにコミュニティーのような生活の場で、互いに高めあい絆を深めていけることがカレッジの大きな魅力です。

ケンブリッジ大学には次の31のカレッジがあります。

  • クライスツ・カレッジ
  • チャーチル・カレッジ
  • クレア・カレッジ
  • クレア・ホール
  • コーパス・クリスティ・カレッジ
  • ダーウィン・カレッジ
  • ダウニング・カレッジ
  • エマニュエル・カレッジ
  • フィッツウィリアム・カレッジ
  • ガートン・カレッジ
  • ゴンヴィル&キーズ・カレッジ
  • ホマトン・カレッジ
  • ヒューズ・ホール
  • ジーザス・カレッジ
  • キングス・カレッジ
  • ルーシー・キャベンディッシュ・カレッジ
  • モードリン・カレッジ
  • マレー・エドワーズ・カレッジ
  • ニューナム・カレッジ
  • ペンブルック・カレッジ
  • ピーターハウス
  • クイーンズ・カレッジ
  • ロビンソン・カレッジ
  • セルウィン・カレッジ
  • シドニー・サセックス・カレッジ
  • セント・キャサリンズ・カレッジ
  • セント・エドモンズ・カレッジ
  • セント・ジョンズ・カレッジ
  • トリニティ・カレッジ
  • トリニティ・ホール
  • ウルフソン・カレッジ

College A-Z | University of Cambridge

少人数制の学びのスタイル「スーパービジョン」

カレッジでは学部での講義とは別に、それぞれの専門スタッフが指導するスーパービジョンという少人数制の授業を設けています。通常1〜3名の学生に管理係が付き、上がったトピックを探求して行きます。

試験などで評価されるものではないため、自由に自分のアイディアや興味のあることを試せる場です。

このシステムを設けることで各学生が近い距離感でサポートを受けられるため、大学全体の教育レベル維持に繋がっています。

Supervisions and modes of assessment at Cambridge

ケンブリッジ大学の歴史

ケンブリッジ大学の設立年は1209年で、800年以上の歴史があります。世界では4番目、英語圏では2番目に古い大学です。

ケンブリッジはその昔、古代ローマの文化や人の交流地点だったため、世界中の学者が集まっていました。大学が設立される頃になると、すでに大学のあったオックスフォードでは町民と学者の暴動が勃発しました。

そこから逃れるように、オックスフォードから多数の学者たちがケンブリッジに移住したことも大学の発端と言われています。

History | University of Cambridge
Oxford – The hanging of the clerks in 1209

多数のノーベル賞受賞者など著名な卒業生

ケンブリッジ大学は、今までに121人のノーベル賞受賞者を輩出してきました。

Nobel Prize | University of Cambridge

文化・芸術・政治・科学など世界をけん引するさまざまな偉人を生んでおりすべてを挙げるのは不可能ですが、以下にノーベル賞受賞者や著名人の一部をご紹介します。

【ノーベル賞受賞者】

マーティン・ジョン・エヴァンス卿生理学・医学賞受賞。イギリスの生物学者で、マシュー・カウフマンを初めて培養した人物。
フレデリック・サンガー化学賞2度の受賞歴。タンパク質やDNA構造解析において貢献。
ジョン・エドワード・サルストン卿医学賞受賞。イギリスの生物学者で細胞系列とゲノムの研究で貢献。
ノーマン・ラムゼイ物理学賞受賞。アメリカの物理学者で原子時計の製造に貢献する発明を発表。
ジェームズ・ミード経済学賞受賞。イギリスの経済学者。
ドロシー・ホジキン化学賞受賞。イギリスの化学者。X線結晶構造解析の技術を発展、インスリンの構造を解明した人物。
バートランド・ラッセル文学賞受賞。西洋哲学史の著者。

【その他の著名人】

アイザック・ニュートンイギリスの自然哲学者で数学者、物理学者、天文学者。万有引力の発見者として知られる。
チャールズ・ダーウィンイギリスの自然科学者。進化論を提唱。
ナサニエル・ロスチャイルドイギリスの銀行家、政治家。
エマ・トプソンイギリスの女優、脚本家。5度のアカデミー賞ノミネート歴あり。
リナ・サワヤマロンドンで活躍する日本人シンガーソングライター。
イアン・マッケランイギリス出身の俳優。ホビット、美女と野獣、ロード・オブ・ザ・リングなどに出演。

ライバルはオックスフォード大学

ケンブリッジ大学は、イギリスのオックスフォード大学と合わせて「オックスブリッジ」と呼ばれています。両大学とも長い歴史と伝統がある名門大学です。そして、カレッジ制度のある総合大学でもあることから似通っている部分があります。

実際に、優秀な学生はケンブリッジ大学とオックスフォード大学どちらに進学するか迷うことが多いのも事実です。どちらも世界的な名門校として肩を並べており、大学の質を測る大学ランキングでは常に上位を争っています。

ケンブリッジ大学の学部

ケンブリッジ大学には、人文学、人文・社会科学、生物科学、物理科学、臨床医学、テクノロジーの6つ分野があります。

そこから更に学部・学科に分かれ、分野によっては研究施設を有しています。

Department A – Z | University of Cambridge

人文学

建築学部・美術史学部建築
美術史
アジア・中東研究院東アジア研究
中東研究
古典学部古典考古博物館
神学部 
英語学部アングロサクソン
北欧
ケルト
現代・中世言語学研究科 
フランス語
ドイツ語
オランダ語
イタリア語
スラブ語研究
スペイン語
ポルトガル語
理論言語学・応用言語学
現代ギリシャ語
音楽学部ミュージックパフォーマンス
哲学部芸術・社会科学・人文科学研究センター
ランゲージセンター 

人文・社会科学

人間・社会・政治科学部建築
生物人類学
社会人類学
政治学・国際学
社会学
経済学部 
教育学部 
歴史学部 
科学史・科学哲学部 
法学部 
犯罪学研究所 

生物科学

生物学部バイオケミストリー
家族研究センター
遺伝学
病理学
薬理学
生理学・発生学・神経科学
植物科学
心理学
動物学
獣医学部 
ウェルカムトラスト MRCケンブリッジ幹細胞研究所 
ウェルカムトラスト がん研究UKガードン研究所 
ケンブリッジ・システムバイオロジーセンター 
MRC毒性学ユニット 

物理科学

地球科学・地理学部地球科学
地理
数学部応用数学・理論物理学
純粋数学・数理統計学
物理・化学系学部天文学
化学
材料科学・冶金学
物理学

臨床医学

臨床生化学メタボリックリサーチ研究室
臨床神経科学ケンブリッジ脳修復センター
神経内科ユニット
脳神経外科
ウォルフソン・ブレイン・イメージングセンター
血液内科輸血医学
医学遺伝学 
医学 
MRC生物統計学ユニット 
MRC疫学ユニット 
MRCミトコンドリア生物学ユニット 
産科・婦人科 
腫瘍学早期がん研究所
小児科学 
精神医学ブレイン・マッピングユニット
発達性精神病理学
公衆衛生・一次ケア臨床老年医学
放射線学 
外科手術外傷・整形外科
メディカルリサーチ研究所 
がんリサーチ研究所 
公衆衛生研究所 
MRC認知・脳科学ユニット 

テクノロジー

工学エネルギー・流体力学・ターボマシーナリー
電気工学
力学・材料・設計
土木工学
製造と管理
情報工学
ビジネス・マネージメントケンブリッジ・ジャッジ・ビジネススクール
ビジネスリサーチ・センター
サイコメトリクス・センター
コンピュータサイエンス・テクノロジー 
化学工学・バイオテクノロジー 

ケンブリッジ大学の難易度

日本とイギリスの大学制度の違いと偏差値

イギリスと日本の大学入試制度は少し異なります。日本では試験による偏差値方式ですが、イギリスでは書類選考がメインです。

義務教育制度も違います。高校を卒業してすぐイギリスの大学に入学するには「ファウンデーションコース(大学準備コース)」を受講、ファウンデーションコースでの成績も考慮されて、大学に正式な入学を求められるというのが一般的な流れです。

(詳しくは「イギリスの大学の仕組みとは?何年で卒業できるの?日本とイギリスの大学教育制度を比較」も参考にしてください。)

ただし、ケンブリッジ大学にはファンデーションコースからの進学システムがありません。(進学ルートについてはこの記事の後半で解説します。)

ランキング

世界大学ランキング2023年版

QS世界大学ランキング2位
THE世界大学ランキング3位

イギリス国内大学ランキング2023年版

コンプリート・ユニバーシティ・ガイド2位
ザ・ガーディアン3位

合格率

合格率はコースによって異なるものの、全体的にかなり狭き門となっています。

大学ウェブサイトには近年のコース別合格率が掲載されています。ここでは2022年の学部課程合格率の一部をご紹介しますので、参考にしてみてください。

コンピューターサイエンス約9%
経済学約10%
工学約15%
自然科学約24%
医学約15%
法学約13%
建築約14%
歴史約30%
Application statistics | Undergraduate Study

ケンブリッジ大学に留学するには?

大学(学部課程)

日本の高等学校からケンブリッジ大学の学部課程へ進学するには、国際バカロレア(国際的な大学資格)や3つ以上のAレベル(イギリスの高校卒業資格/大学入試資格)を保持していることが条件です。また、日本の大学で1年次を履修している学生は出願を考慮される場合があります。

もしくは、高等学校を優秀な成績で卒業している場合に限り、以下のような資格を保持する学生に出願を認めることがあります。

  • STEP (シックスタームエグザミネーションペーパー)での優秀な成績(STEPとは、すべての数学関連のコース出願に必要となる数学試験のことです。)
  • APテスト(アドバンスドプレースメントテスト)で5つ以上の成績が5以上(APテストは、カレッジボードという機関が主催する統一試験で、各科目の大学1年次レベルの学力があるかを測定するものです。)
  • 学力を競う大会、国際オリンピック科学部門での優秀な成績

上記の成績の他、下記のような書類も選考の材料となります。

  • 出身校からの推薦状
  • 自己紹介文
  • 作品(専攻による)
  • 筆記試験での成績

最終選考に残った応募者にはオンラインまたは対面での面接のチャンスがあります。ケンブリッジ大学では、面接を受ける時点で適切な英語力をクリアしていることを条件としています。

目安となる英語力は次のスコアです。ただし大学では「(この英語力基準を)楽々とクリアしていること」と表明しています。

IELTSアカデミック総合7.5(各カテゴリで7.0以上)
TOEFL iBT総合110(各カテゴリで25以上)
International entry requirements | Undergraduate Study
English language requirements | Undergraduate Study

具体的に出願手続きを検討している人は、必ず最新の「Applying to Cambridge | Undergraduate Study」をチェックしてください。

ケンブリッジ大学の選考ポリシー

世界のトップランク大学のなかには、多様性を保つために出願者の背景(人種、性別、経済力etc.)を考慮に入れるところもあります。

しかし、ケンブリッジ大学では「社会的、人種的、宗教的、経済的な配慮に関係なく、最高の知的能力を持つ学生に入学許可を提供する。特定の背景を持つ人々に対する割当を導入することはない」と公言しています。

重視していることは

  • 学力と可能性
  • 選択したコースへの意欲と適性
  • コミットメントと自己管理

の3点であるとしています。また、すべての入試は学力基準に基づいて決定され、課外活動で優れていても学力の不足を補うことはできない、ともしています。

Admissions Policy | Undergraduate Study

大学院課程

ケンブリッジ大学の大学院課程に進学するには、まず高レベルの4年制大学で学士号を取得していることが条件です。

修了した大学や各自の状況によって以下のような条件が求められます。

大学の4年制学士号(124単位以上)

  • 総合成績80〜95点以上
  • A〜F段階の成績でA〜B以上
  • S/A+〜F段階の成績でS/A+〜A以上
  • GPA3.5/4〜3.8/4以上

どこの国の学士号を取得したかによって異なる場合がありますので、詳しくは「International qualifications | Postgraduate Study」からチェックしてください。

英語力については志望専攻ごとに基準が定められています。「Competence in English | Postgraduate Study」で確認してみましょう。

ケンブリッジ大学で世界最高峰の教育に触れよう

イギリスの名門オックスフォード大学とともに常に世界の視線を集めるケンブリッジ大学。

イギリス伝統のカレッジ制度や少人数制の特殊な学習スタイルを有し、数えきれないほど優秀な人材を世に送り出してきました。

ランキングトップ圏に君臨する超有名大学とあって、難関を突破することは至難の業です。

しかし、ケンブリッジ大学卒業生の多くが「すばらしい体験だった」と語るスーパービジョン、自由で創造性あふれる学生同士の議論、約束された将来、生涯を彩ってくれる仲間たちなど、ケンブリッジでしか得られないことがたくさんあります。

ぜひ、対策を万全にしてケンブリッジ大学へチャレンジしてくださいね!

ケンブリッジ大学
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