家でケーキやチキンを中心にパーティーフードを食べながら友達や恋人とクリスマスを祝う。それが欧米のクリスマスの様に思っている方が多いでしょう。しかし実際にイギリスで行われているクリスマスの習慣はかなり違います。
クリスマスデコレーションで気分はクリスマス
伝統的にはデコレーションはクリスマスの12日前から始めて、クリスマスの12日後、つまり1月6日に片付けるものと言われています。クリスマスの12日(The Twelve Days of Christmas)という有名な歌がありますが、この歌の様に1月6日の公現祭(エピファニー)までの12日間をクリスマスのお祝い期間としています。日本の正月でいう「松の内」です。
クリスマス当日までのイベントは盛りだくさん
一般的な家庭では、子供達が毎日アドベント・カレンダーというクリスマスまでの期日を数える為のカレンダーを使ってクリスマス当日までの期間を楽しみに待ちます。カレンダーの始まりは12月1日から始まり、25個の窓があります。
開いた窓の後ろにはクリスマス関係の絵がデザインされているのもあれば、最近では、チョコレートが入ったもの、玩具が入ったもの、と色々な種類が売り出されています。手作りカレンダーの人もいます。
クリスマスデコレーションやイルミネーションで街を彩る
クリスマスまでの間、イギリスのそれぞれの都市ではクリスマスデコレーションやイルミネーションでストリートを飾ります。地元の有名人や芸能人を呼んで、イルミネーションを点灯するイベントが多く開催されています。イギリスで最も大きなクリスマスイルミネーションイベントは、ロンドンのオックスフォードストリートで行われます。
クリスマスカードを送る習慣は年賀状に近い習慣
イギリス人は一般的にクリスマスの日に友達や同僚、知り合い、学校の先生にクリスマスカードを送る習慣があります。この習慣は日本の、お世話になった方や親しい方へ新年への挨拶の「年賀状を送る習慣」に近いです。また殆どのイギリス人はこの時期に沢山のクリスマスカードを買って多くの人に送ります。クリスマスカードの百枚ボックスが売られているくらいです。送る日はあまり決まっていませんが、一般的には12月中に送るといった感じです。
24日夜は礼拝堂でキリスト誕生のお祝いを
24日イブは礼拝堂で牧師さんがキリスト誕生(Nativity)のお話と合わせて、クリスティングル(Christingle)サービスをします。多くの教会でこのクリスティングルに火が灯されるそうです。
クリスティングルはどんなもの?何を意味しているのか?
クリスティングルとは、皆にわかりやすくイエス様のことを説明するために作るオブジェクトのこと。オレンジは地球、真ん中の赤いリボンはジーザスの血を意味しています。ジーザスの光が地球を明るく照らしている事を象徴する為に蝋燭をさします。4本のつまようじに刺されている木の実もしくはドライフルーツは大地からの恵を意味し、4方向は四季節を表しているとの事。
クリスマス近くになると学校ではキリスト誕生劇(Nativity Play)という学芸会の後、クリスティングルサービスをします。
この風習はドイツのヨハネス・デ・ヴァットヴィールという司教が1747年のクリスマスの時に、いかに子供達にクリスマスの意味やキリストについてわかりやすく説明する為に考えだしたそうです。1968年に英国国教会ではじめてこのクリスティングルを使ったサービスが行われました。
クリスマス前日は普段通りの生活
日本では、クリスマスイブがメインになっていますが、イギリスではクリスマスイブは特別な日ではありません。
キリスト教の家族でこそクリスマスイブの夜に教会に行く習慣があるものの、多くの人は次の日クリスマスの準備をしている事が一般的です。
クリスマス当日は国の祝日で殆どの店舗はこの日は休業します、しかしイブは祝日ではなく普通の日で一般的には皆仕事をしています。ただし、日本の年末の仕事納めの様にイブの日は仕事は早く終わる事ができます。そしてクリスマスホリデーが始まるのです。
イギリスではこうしてクリスマス本番までの準備を整えます。いよいよ次はクリスマス当日の話を紹介します。