前記事「イギリスの伝統的なクリスマスの習慣とは(1)」では、クリスマス当日を迎えるべく、イギリスの人たちが準備する様子をお伝えしました。本記事ではいよいよ、次の日はクリスマスという「イブ」からをお伝えしましょう。
さあ、アドベントカレンダーも残り一つ。
クリスマスイブの夜には、子供達は「ストッキング」(長いウールの靴下)をベッドの下に置いておきます。または暖炉の前に置く家族もいます。それらの場所に、サンタクロースがプレゼントを置いていってくれる為にあります。
ツリーの近くに家に来てくれたサンタクロースの為にウイスキーやブランディーを置く家族も多いです。トナカイの為にニンジンを置く子供もいます。これでサンタクロースが家に来てくれるのを子供達は今か今かと待つのです。
イギリスの全国の子供達はクリスマスの日に凄く早起きします
そして彼らは家の大人達を早起きさせます!
子供達は早速最初にストッキングに入ったサンタクロースからもらったプレゼントを開きます。そしてクリスマスツリーの下に置かれた大人からのプレゼントを開けます。大人達は後でプレゼントを交換します。日本と違って大人同士でもプレゼントを交換し、殆どの夫婦、親子、兄弟達はクリスマスプレゼントを交換する事が一般的です。
イギリスでクリスマスパーティーに欠かせない大切なアイテム
クリスマスミールを食べる前に「クラッカーを鳴らす」というイギリス独特の習慣があります。クリスマスクラッカーと言い、紙筒の物でできたものでプレゼントと一緒に紙の王冠が入っています。これをもう一人の人と一緒に手で引っ張って、勝った方(クラッカーの大部分を取った人)はプレゼントと王冠をもらいます。
クリスマスの日には殆どのイギリス人は七面鳥を食べます
これは元々アメリカの習慣でしたが、いつの日からかイギリスにもこの習慣が定着しました。七面鳥を食べない家庭はロースビーフや魚などを食べる場合が多いです。肉と一緒に野菜やベーコンを巻いたソーセージ、スタッフィング(ハーブとパン粉のミックス)等に色々なソースをかけて食べます。
添えの野菜にブラッセル・スプラウツ(芽キャベツ)を食べます。これはクリスマス料理で使われる伝統的な冬の野菜ですが、この野菜が嫌いな人は意外と多いです。
イギリスのクリスマスケーキはちょっと違う
多くのイギリス人もクリスマスケーキを食べます。イギリスではドライフルーツが沢山入ったずっしり重いクリスマス・プディングというケーキを食べます。(参考記事:『英国の伝統的クリスマスケーキ「クリスマスプディング」』)
食べて飲んで笑って、皆が集まり同じ時間を過ごし楽しむ祝日
クリスマスの食事は大抵昼ご飯の時間にあたります。朝は少なく、昼に沢山豪華な食事を家族みんなで楽しみ、夜は軽食やスナックとお酒を楽しみながら、のんびりゲームをしたり、映画を見たりと過ごします。また「ザ・クウィーンズ・スピーチ」、つまり女王からのメッセージがテレビにて放送されています。このスピーチを見る人はあまり多くはないかもしれませんが。
パントマイムもイギリスのユニークで少し変った習慣です。劇場だけでなくテレビでも見られます。コスプレで必ず女性の服を着ている男性が登場しダサい冗談を言って観客を楽しませます。変な習慣ですがイギリス人はみんなこれが好きです。
イギリスのクリスマスの日には、殆どのビジネス、店、サービスはやっていません。病院や消防署などの緊急を要するサービスしかやっていません。まさに日本のお正月の様な感じです。
さて、12月25日が終わってもイギリスの祝日モードは終わりません。次記事ではクリスマスの翌日「ボクシング・ディ」についてお伝えしましょう。