イタリア人に「日本では、スリやひったくりがニュースになることが驚きだ」といわれたことがあります。日本に比べ、イタリアでは、日常的にスリやひったくりが頻繁に起きています。また、犯罪とは違いますが、女性の場合は男性から声をかけられる機会も多い国です。少し意識をするだけで出来る防犯対策についてお伝え致します。
用心していることを見せる
「芸術的なスキル」とも言われるスリ集団がいるイタリア。彼らが狙うターゲットは、スリを警戒していない無防備な人です。ですから、「私は常に用心しています!」という姿勢を彼らに見せることが重要です。
例えば、バックパックの2つのファスナーを安全ピンでつなげて、すぐに開かないように工夫したり、いつもバッグの上に手をかけたり。あなたが無防備でないことをわざと見せることで、狙われずに済むのです。
特に狙われやすいのは、お店での支払い後や、ATMでお金を引き出した時です。彼らは、あなたが財布をどこにしまうかを確認し、そのあと隙をみて狙います。財布をしまって身支度を整えてから、次の行動にうつりましょう。
ATMを使用する際は、周りにも注意して、様子のおかしい人やグループがいるようなら、使用を中止して場所を変えてみてください。それでも後をついてくる場合は、一時的にお店やバールに避難して様子をみましょう。
電車やバスを利用するときの注意点
まず、電車やバスの出入り口付近には立たない、座らないことです。ドアが閉まる瞬間を狙い、荷物をひったくるケースがとても多いのです。引きずられて、ケガをしては大変なので、出入り口は避けるべきです。
また、盗難品の流通経路があり、スマートフォン・携帯電話の被害も頻繁に起きているので、取り扱いにはくれぐれも気をつけましょう。
イタリアの特急列車で、客室が6人掛けのコンパートメント(個室タイプ)の場合は、乗り込む前に中の様子を確認して、家族連れやグループのいる個室に席をとると無難です。窓側の奥の席に座っていると、囲まれて出られなくなってしまう恐れもあるので、車内では寝たりせずに、周りの気配に注意をしましょう。また、トンネルが多い路線では、物騒なので、人が少ない時には特に気をつけてください。
行動は常に人の目のある範囲で
イタリアにはきれいな公園がたくさんあり、ジェラート片手に緑の中で一人ゆっくりするのも気持ちがよいものです。そんな時でも、なるべく人目につきやすい場所を選びましょう。特に、大きい公園や、緑の多い公園では人目がなく、犯罪も起こりやすいからです。一人で行動する場合は、気を付けるに越したことはありませんし、特に女性は気を付けてください。
ベンチで本を読んだり、音楽を聴いたりする時でも、常に他人の声が聞こえて、何かあったら助けを呼べる範囲にとどまることを意識するとよいでしょう。また、治安のよくない地区の情報についても、日頃から気にするが必要です。
イタリアでの楽しい生活を満喫するために、スリやひったくりだけでなく、どんな犯罪にも巻き込まれることのないよう、まずは、防犯を意識することからはじめてみましょう。