留学中に、通っている学校が倒産したら、あなたならどうするだろうか?私はアイルランドへの語学留学中、学校がある日突然クローズするという事件に巻き込まれた。本記事ではそのときの実際の話を紹介しつつ、被害を最小限に抑えるために何をすればよかったかを振り返りたい。
安い国ならどこでもいい
私にとって語学留学は2回目だ。最初はフィリピンで4週間の語学留学。2回目となる今回は1年間の滞在を希望していた。とはいえ、私の留学予算はとてもお粗末なもの。現地にいってアルバイトができれば何とか1年間過ごしていけるだろうという甘い考えもあった。
できるだけ費用を押さえたかった私は、授業料を一番重視して国選びをした。安ければどこでもよかったのだ。オーストラリア、イギリス、アメリカ、マルタ、シンガポールやマレーシアなどの語学学校を調べた結果、そのとき一番安かった学校はアイルランドの首都ダブリンでみつかった。
倒産は前触れもなく起きた
私はエージェントを通さず、自分で直接学校に申し込むという形を選択した。当時それほど英語が堪能でなかった私にどうしてそんなことができたかというと、現地の学校でインターンシップをしている日本人の方がスペシャルオファーを日本人向けサイトに掲載していたからだ。だから 、その日本人の方とのやりとりでその学校にスペシャルオファーの料金で申し込みができたのである。
順調にダブリンに到着、寮にも無事に着いた。
▼ダブリンの街並み
ところが学校に通いだして、まだ2週間ほどしか経ってない頃、学校は突然倒産した。
その日学校に行くと、玄関に生徒が溢れていた。先生たちもわけがわからない様子だった。他の国から来ている学生もみんな怒りが爆発し、学校の周りは抗議デモのようになった。特にブラジルやベネズエラの学生は抗議に慣れており、団結力がすごかった。警察がやってきて現地のニュースで取り上げられるほどの騒ぎになった。
私は申込みの際、6ヶ月分の授業料を既にカードで支払っていた。受けていない授業料の返金はない。
しかし留学エージェントを通して申し込みをした韓国人留学生とブラジル人留学生は、エージェントがその後のフォローをしてくれたようで、新しい学校への移動が可能となった。追加料金はなしで、エージェントが対応してくれたそう。友達が、「あなたもエージェントに連絡しなさいよ。そうすれば次の学校をみつけてくれるわ。」と言ってきたが、私は、「エージェントは通してないんだよ。」と言うしかなかった。
実はあの当時、ダブリンの語学学校何軒かが一斉にクローズとなり、とても驚いた。恐らくこれらの学校は政府からの許可をなしに行っていた学校で、政府から今回の一連の騒ぎで被害にあった留学生たちに、政府公認の学校へ6ヶ月特別料金で入れるようにしますというメールを何度かもらった。
心が折れて帰国する人も。
中には、もう気持ちが失せてすぐ自国に帰ってしまう友達もいた。一方、すでにダブリンでの暮らしが楽しく、もっとここにいたいという気持ちのほうが強くなっていた私には帰国するという選択はなかった。
結局、私はまとまったお金がなかったため、政府が勧めてきた学校には行けなかった。6ヶ月分まとめて払うことに「また倒産が起きたらどうしよう」とためらう気持ちも大きかった。自分で月払い可能な学校を探し、結果的にこの学校は自分にとても合っていたと思う。
語学留学を決めるときは、まずどれだけの費用を準備すればいけるのか考えると思う。私の失敗はそもそも低予算で現地に行って何とかなるだろうという考え。学校、会社の倒産はどこの国でもいつでもありえることであり、なにかしらの保険を掛けておくことは大事である。海外旅行保険や留学保険に加入し、エージェントを利用することは無駄にはならないと思った。その際は、その学校が倒産した場合のフォローまで確認することをぜひ覚えておいて欲しい。
文:加藤真記(アメリカ在住・JSIA飾り巻き寿司インストラクター)
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