ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ留学ガイド | ランキング、学部、学費から留学方法まで徹底解説

ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ(Royal Central School of Speech and Drama)は、イギリスの演劇大学です。略してCSSDの愛称で知られるロンドン大学の加盟校です。

卒業生の中には、世界的に名が通っている有名俳優が多数います。舞台技術や演劇メディア、教育に関わる人材も多く生んでいます。

学生数は1100人ほどと少なく、入学は狭き門です。

本記事は、学部や学費、大学ランキングや出願要件などロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ(以下、CSSD)に留学を目指す方に向けた留学ガイドです。合格をもらうには避けて通れないオーディションや面接についても触れています。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事を書いた人

『留学プレス』留学生記者/小島なお(イギリス在住フルタイムワーカー兼ライター) テーマ:イギリス、留学 イギリスを含め海外生活は10年以上。 ファッションを勉強したことがきっかけで、イギリス・ロンドンに強い憧れを抱き渡英[…]

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ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ基本情報

演劇界の名門校

CSSDは演劇、パフォーマンス、舞台に関する専門教育大学としてはヨーロッパの中でも規模が大きい大学です。世界各国の業界と強いパイプがあり、国際的に活躍できる人材を育成しています。

CSSDは、演劇学校連盟とコンセルヴァトワールUKと呼ばれる芸術学校連盟のメンバーでもあります。2012年には、演劇分野での活躍がイギリス王室に認められ、「ロイヤル」の称号が授与されました。

卒業後は、イベントの入場券売り場での割引などが受けられる特典があります。

ロンドン大学のメンバー校

ロンドン大学はカレッジ制の連合大学で現在17の大学と10の研究機関で構成されています。CSSDがロンドン大学に加盟したのは2005年です。

場所

CSSDはロンドン北部のスイス・コテージにあります。スイス・コテージは日本人も多く住み、落ち着きがあり住みやすいエリアとして人気があります。

緑豊かで閑静な雰囲気があり、高級住宅エリアのハムステッドも近くに位置します。

大学の向かいには、1959年から続くハムステッドシアターと呼ばれる劇場があり、日常的に演劇に触れられます。また、ロンドン北部屈指の人気観光地、パンク音楽の聖地で知られるカムデンタウンもすぐ近くです。

有名俳優も輩出!著名な卒業生

CSSDの卒業生の中には、イギリス内外の映画やテレビドラマで活躍する面々が揃っています。以下に卒業生の一部をご紹介します。

キット・ハリントンイギリス人俳優。テレビドラマ作品ゲーム・オブ・スローンズのジョン・スノウ役で一躍有名に。
ジョセフ・モーガンイギリス出身の俳優。アレクサンダーやキング・オブ・ファイヤー等時代劇映画や、テレビシリーズ、ヴァンパイア・ダイアリーズに出演。
ガエル・ガルシア・ベルナルメキシコ人俳優。チェ・ゲバラ&カストロ、バベルなど話題の映画作品に出演。
ジュリー・クリスティイギリスの女優、アカデミー賞受賞。映画ハリーポッターなど数々の作品に出演し、今までに4度アカデミー賞主演女優賞にノミネート。
キャリー・フィッシャーアメリカの女優。スター・ウォーズ作品に出演、映画監督でもある。
ジュディ・デンチイギリスの女優、映画「恋に落ちたシェイクスピア」でアカデミー賞助演女優賞受賞。 数々の映画、テレビドラマに出演し、舞台演出も手がける。イギリス王室から称号も授与されている。
イタ・オブライエン演劇、テレビ、映画のディレクター、コーディネーター。アマゾン、ネットフリックス、HBO、BBCなどで活躍。
ティム・クラウチイギリスの俳優で脚本家、演出家。主な作品は「My Arm」「 An Oak Tree」 「England」など。
ソニア・アン・プリムローズ・フリードマンイギリスのウエストエンド、ブロードウェイの演劇プロデューサー。
ウィリアム・ジェームズ・ネスビット北アイルランド出身の俳優、テレビ司会者。英国コメディ賞、ナショナルテレビ賞など受賞。
ヒュー・ボネビィルイギリスの俳優。映画007やノッティングヒルの恋人など話題作に出演。

ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマの学部/専攻

学士課程は15コース、修士課程では14のコースを開講しています。

学士課程

演技・演技
・演技(共演・集団創作)
・演技(ミュージカル劇場)
コンテンポラリー・パフォーマンス・演劇、応用演劇、教育学
・実験芸術とパフォーマンス
・パフォーマンスのための文筆
劇場演習・コスチューム構築
・パフォーマンスのためのデザイン
・照明デザイン
・演出照明
・プロップメイキング
・舞台と映画のための背景画
・舞台・映像のセット構築
・サウンドデザイン・制作
・舞台監督・技術演劇

修士課程

演技(クラシック)
演技(コンテンポラリー)
演技(画面)
俳優トレーニング/コーチング
上級演劇実習
応用演劇
若者向け応用演劇
クリエイティブプロデュース
ドラマ・運動療法
ムーブメント(演出と指導)
音楽劇場
舞台美術
声楽研究 指導とコーチング
舞台と放送メディアのための文筆

ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマの難易度

ランキング

イギリス国内

ザ・コンプリート・ユニバーシティ・ガイド 2022年版
芸術・演劇・音楽部門
3位
ザ・コンプリート・ユニバーシティ・ガイド 2022年版
演劇・ダンス・映画部門  
10位
ザ・ガーディアン紙 2022年版
演劇・ダンス部門
29位

世界ランキング

QS世界大学ランキング 2021年版
パフォーミングアーツ部門
33位

難易度

CSSDは世界的にも大変有名な演劇学校として知られており、難易度が高い大学です。特に演技コースへの競争率が高いとイギリスのインディペンデント紙が伝えています。

近年では定員が54人に対し4700人を超える応募があったほどです。

ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマに留学するには?

大学準備コース

高校を卒業したばかりの日本人留学生にとっては、「大学準備コース(ファウンデーションコース)→大学学部課程」というルートがイギリス大学進学の入り口として一般的です。

また、演劇大学への進学は、オーディションや面接を受けることになります。そのため、演劇大学進学を目指すファウンデーションコースでは、オーディション通過を目指すカリキュラムも組まれています。

演劇学校連盟「フェデレーション・オブ・ドラマスクール」は、演劇系ファウンデーションコースを提供している加盟校を紹介しています。

以下に2つの大学のファウンデーションコースを挙げていますので、参考にしてみてくださいね。

ギルフォード・スクール・オブ・アクティング (Guildford School of Acting)

コース内容演劇
ミュージカルシアター
成績・資格・18歳以上
・イギリスのGCSE(16歳で受ける全国統一試験)英語、数学でグレード4+以上か同等の成績
※日本の成績との相関については大学に直接問い合わせるか、専門の留学機関にお問い合わせください。
英語力IELTS 6.5以上 各項目で6.0以上

ロイヤル・バーミンガム・コンセルヴァトワール(Royal Birmingham Conservatoire)

科目演劇
成績・資格・18歳以上
・オーディションとワークショップを受ける
・自己紹介文と推薦状が必要
英語力IELTS 6.0 以上 各項目で5.5以上

インターナショナル・プレコース

秋学期からの入学が決まっている学生は、CSSDが開講している1週間のインターナショナル・プレコースを受講できます。定員10名を上回った時点で開講されます。

コース内容は以下の通りです。

  • CSSDについて知る
  • 専攻分野の専門用語に慣れる
  • 大学での授業を受けるのに問題のない英語力の向上
  • 自主課題
  • 大学の仲間やスタッフとの交流

学士課程へ直接進学

学士課程へ直接進学するには、オーディションやインタビューに合格し、高い英語力と成績を証明する必要があります。

英語力はIELTS(アカデミック)総合7.0、各項目で6.5以下でないことを条件にしています。

成績については各コースで異なります。以下にコースごとの出願要件をご紹介します。オーディションや面接についてはこの後詳しくお伝えします。

演技イギリスのAレベル:C以上が2科目
GCSE(イギリスの中等教育修了の統一試験):C以上が3科目
※日本の成績との相関については大学に直接問い合わせるか、専門の留学機関にお問い合わせください。
コンテンポラリー・パフォーマンス出願窓口UCASが設定するタリフポイント(※)が120〜96の間   (※)タリフポイントはUCASの自動計算ツールでお持ちの成績から換算できます。
自分の成績との相関については大学に直接問い合わせるか専門の留学機関にお問い合わせください。  
劇場演習出願窓口UCASが設定するタリフポイントが120〜64の間   (※)タリフポイントはUCASの自動計算ツールでお持ちの成績から換算できます。
自分の成績との相関については大学に直接問い合わせるか専門の留学機関にお問い合わせください。

上記の条件に満たない場合でも、潜在能力を認められる人材であれば合格をもらえることもあります。

学部のオーディションと面接

演劇コース向け

演劇コース進学希望の方は、オーディションを受ける必要があります。ここでは、合格を目指す方へ役立つオーディションについての詳細をご説明します。(2022年度の場合)

〜オーディションの流れ〜

【1次審査】
セルフテープ(自身の演技を録画した動画)を用意しZoomを使い遠隔で行われます。

▼動画の内容
・2分以内の古典スピーチ
・映画の台本等から抜粋した2分以内の1960年以降に書かれた現代的なスピーチ
・創作作品(画像1点をモチーフとし、声や体の動きを加えた30〜90秒のソロ作品)
・歌唱曲/詩

専攻によっては歌の代わりに90秒以内の詩やスピーチを披露することもできます。
【2次審査】
1次審査を通過した志願者は、適性審査で3つのコースに振り分けられます。どのコースが適しているかを判断するため、数週間後にリコール審査に招待され、最終審査へ進みます。審査内容は各コースによって異なりますが、以下のようなことが求められます。

・1次審査の演奏曲の再演
・ワークショップ
・追加のセルフテープ
・新たなスピーチ
・即興課題
・2分以内の歌唱曲
【最終審査】
キャンパスまたはオンラインで演技のワークショップセッションに参加します。コースによっては審査員が求める追加審査もあります。内容は、自作の演劇作品や歌、ダンスなどのほか面接などがあります。
【合格基準】
・プロの俳優としてのキャリアを積むことを真剣に、かつ継続的に決意している
・流暢なライティング、スピーキング力、IELTS7.0相当の英語力がある
・発声、身体能力、想像力、感情表現のスキルがある、または訓練によって向上の可能性がある
・CSSDでの学習を経て利益をもたらす可能性のある人材
・台本の内容を理解し体現できる
・グループワークやアンサンブルに積極的に参加できる
・リスクを恐れず探究心があり、オープンマインドかつ受容できるスキルがある
・ハードなワークに対し集中して継続的に熱心に取り組む心構え
・言語とリズムのセンスを持ち、台本の心理的な部分を汲み取ることができる
・イメージ力があり、架空の状況に身を置くことができる

コンテンポラリーパフォーマンスコース向け

コンテンポラリーパフォーマンスコースの書類審査に通過した志願者は面接審査へ進みます。面接は現地またはオンラインで行われます。

内容例(コースにより異なる)

  • プレゼンテーション
  • 面接(グループまたは個人)
  • 論文サンプル/エッセイ
  • 演劇作品についてのレビュー
  • 自作の曲や詩、文章、ビデオ作品など

劇場演習コース向け

劇場コースの書類審査に通過した志願者は面接審査に招待されます。志望コースの適性を示す内容をおさめたデジタル・ポートフォリオを提出します。

グループ面接または個人面接
面接では志望者の可能性や協調性、創造性のほか、探究心や熱意が見られます。志望動機や経歴、過去に関わった作品について、などが聞かれます。
デジタルポートフォリオ
経歴ではなくコースと関連性のある作品を重視します。
例)写真、絵画、スケッチ、プロダクションノート、作品レビュー、作業図面、模型、小道具リスト、セッティングリスト、スケジュール表など。

修士課程へ直接進学

修士課程への出願する場合の必須の英語力は、IELTS総合7.0です。出願要件については、各コースで異なります。以下のコースを例に挙げていますので、参考にしてみてください。

演技・プロとしての演技、パフォーマンスの経験、演劇の研究などの学位を持っている
・他の分野を学習した学生でも豊富な演劇の経験がある

▼必要事項
オーディション、面接
ワークショップの参加
演劇に関するレポートの提出
俳優指導・コーチング・演劇やパフォーマンス関連の科目で学位を取得しているか同等の資格がある
・学位を取得しパフォーマンスの分野でトレーニング経験がある
・プロとして、演技やトレーニングの経験が最低2年間ある

▼必要事項
オーディション、面接に合格
上級演劇実習・関連分野の学士号を取得している
・演劇の分野のうち最低1つのカテゴリーで豊富な知識と経験がある
・専門性を演劇制作に活かしたいと強い志しがある

※他の分野からでも探究心のある優れた人材が考慮されることもあります

▼必要事項
面接に合格

オーディションと面接の内容は学士課程コースと異なります。詳しくは大学ホームページでご確認ください。

ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマの学費

※2022年3月現在1ポンド152円で計算

大学準備コース

ギルフォード・スクール・オブ・アクティング (1年間)約154万円
10,100ポンド  
ロイヤル・バーミンガム・コンセルヴァトワール (20週間)約95万円
6,250ポンド

学士課程

3年で学位取得となりますが、3年の間にコース費用が変動します。以下は全学士課程コースの費用です。

演技1年目:約373万円 24,552ポンド
2年目:約373万円   24,552ポンド
3年目:約360万円 23,715ポンド
コンテンポラリー・パフォーマンス/劇場演習1年目:約339万円 22,302ポンド
2年目:約339万円 22,302ポンド
3年目:約336万円 22,087ポンド

修士課程(1年間)

コースによって学費が異なります。例として以下のコースを挙げますので参考にしてください。

ミュージカル劇場約332万円
21,817ポンド
舞台美術約307万円
20,189ポンド
声学 指導/コーチング約329万円
21,620ポンド

ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマに留学して演劇界の仲間入りを目指そう

CSSDは、イギリスの演劇界きっての名門校です。難関を突破するには、高い英語力とオーディション通過が重要です。デジタルのポートフォリオや自作の作品など用意するものもたくさんあります。

ファウンデーションコースには、オーディション対策も盛り込まれているので検討すると良いでしょう。

演劇分野の一流の教育を受けたいと思っている方は、ぜひCSSDへの留学を目指してみてください。

ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ
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