「女心と秋の空」「狐の嫁入り雨」など、日本語には天気にまつわる言葉が多くありますが、ドイツでも天気に関してよく聞かれるある言葉があります。それが「ドイチェス・ヴェター(Deutsches Wetter)」です。直訳すると「ドイツの天気」という意味です。
ドイツの気候は気まぐれで、4月に雪が降ったかと思えば、9月まで厳しい残暑が続くこともあります。日本のように春夏秋冬がはっきりしておらず、ドイツ人はしょっちゅうため息をつきながらDeutsches Wetterとつぶやくのです。
今日は、そんな気まぐれなドイツの天気についてご紹介しましょう。
ドイツの気候は気まぐれ
ドイツの気候は、まさに気まぐれです。北と南では大きく気候が異なります。都市によって、毎年平均気温や積雪量に大きなちがいがあり、毎年ドイツ人も振り回されています。そんな時に使うのが、Deutsches Wetterという言葉です。
ドイツに滞在の際は、平均気温などを見るよりも、長期的な天気予報を見ることをおススメします。
今年の夏はいつ来るの?
今年、2016年の夏は平年を大きく下回る平均気温で、8月になるというのに未だ本格的な夏がやってきていません。
はじめてドイツに滞在する友人は「ドイツは寒いね」と言っていましたが、例外中の例外です。本来ドイツの夏は、日本と同じように30度を記録することも多々あり、日本人が想像するとおりの夏なのです。
今は8月初旬ですが、最高気温が20度を下回ることもあり、Tシャツで歩くには肌寒い日が続きそうです。これはドイツの夏が寒いのではなく、今年が際立って気温が低いのです。
▼本来のこの時期ならバーべキューで賑わう公園。気温が低いからか、閑散とした様子。
寒い冬の間から、ドイツ人は短い夏を心待ちにします。夏は日が落ちるのも遅いので、ビールを片手に仕事後の時間を過ごすのを楽しみにしている人が多いです。ですが今年は通例と打って変わり、寒い夏に突入しています。
「Deutsches Wetter」が表す心情
日々、天候が気まぐれなドイツでは、晴れていたと思ってもいきなり大雨が降ることが3日続いたり、かと思えばうだるような熱い日差しが降り注ぐこともあります。
天気予報はもちろんありますが、なかなか天候に合った服装をするのがむずかしいのがドイツという国です。そのような時にもまた、「Deutsches Wetter」とため息をつきます。ドイツの天候だから仕方のないこと、という諦めの気持ちが現れています。
そんな気まぐれな気候だからか、ドイツ人は天気を話題にすることも多く、「明日の天気はどうだろう」と関心を寄せます。ドイツに滞在するのであれば、天候に関する雑談の多さに驚くことでしょう。
Deutsches Wetterに順応しよう
わたしは天候の変化で体調を崩しやすいのですが、ドイツ滞在も3年目になり、だいぶ順応してきました。体が慣れてきたのですね。
天気というものは、生活と密接に関係しています。それならば、うまく付き合えるように、Deutsches Wetterに順応していきましょう。
急な雨や気まぐれな積雪、寒い夏などに直面したときは、ドイツ人と同じようにDeutsches Wetterと言ってみましょう。ドイツ語のなかでもこなれた表現で、それを聞いた人たちと天候の話で盛り上がるかもしれませんよ。
文:雨宮紫苑(ドイツ在住フリーライター)
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