タイの地元のスーパーマーケットで目にするもの、それは「大量のたまご」です。30個入りのパックが山のように積まれ、客は30個入り×2~3パックを平気で買っていきます。今日は「タイ人とたまご」にスポットを当てたレポートをお届けします。
タイのたまごの売り方
スーパーマーケットではパック詰めされているたまご。市場に行くと今でもまだ、たまごがパック詰めにされず販売されている所にも出会います。ひと昔前の日本のようです。
▼店先に置かれる大量のたまご
街では、たまごを積んだ車や車からたまごを店に運ぶ人たちにも会います。
▼たまごを積んだ車
なんだ、その色のたまごは。ピンクじゃないか!
たまご売り場で、ひときわ眼をひくたまごがあります。それが、ピンクのたまご。初めて見た時、「どんな動物が産んだたまごなんだ!」「どうやって食べるんだ!」としばらくそのピンク色のたまごを見ていたものです。
このたまごの正体は、アヒルのたまご。タイ語では“カイ・イヤウマー”といいいわゆる皮蛋(ピータン)でした。
▼ピンクのたまご
ピンクの他に緑もあります。どちらの色にしても足を止めてしまう色です。カイはタイ語でたまご、イヤウマーは馬の尿だそうです。
タイ人と日本人、どっちのほうがたまご好き?
「タイ人はたまごが好きなんだ」と思っていましたが、年間の一人あたりの消費量は日本時に比べずいぶん少ないようです。
日本人の1年間1人当たりの卵の消費量は、国際鶏卵委員会(IEC),「2014年IECアニュアルレビュー(年次統計)によるとメキシコ、マレーシアに次いで世界第3位で、日本人の1人当たりのたまごの年間消費量は約329個でした。
この国際委員会にタイは参加していないのかランキングには現れていませんでした。しかしながら、2014年にコンビニエンスストア「セブンイレブン」を展開するCPオールがタイでの事業化拡大のために発表したタイでの卵消費量を見るとタイ人1人当たりの鶏卵消費量は年間117個とありました。
同じ指標での比較ではありませんが、もしかしたら、たまご好きは日本人に軍配が上がるのかもしれません。
焼きたまご
焼きたまごと言うと「たまご焼きでしょ」と言われそうですが、タイには焼きたまごが売っています。その様子が見られるのは屋台や天秤棒を担いでの販売。炭焼きで他の食べ物と一緒にたまごも焼かれています。
▼焼きたまご
焼きたまごには、食べるとゆで卵のように黄身が出てくるものと、食べても白身ばかりのものがあります。これは、“カイ・ピン・ソンクルアン”と言う名前のたまごです。
▼カイ・ピン・ソンクルアン
このたまごの作り方に驚かされます。たまごの上に小さな穴を開け、白身と黄身をスポイトなどで取り出し、味を付けてまた元のたまごの殻に戻します。まずは、蒸してさらに焼きながら販売する。なんと手間をかけた料理。3個セットで29バーツ(100円)ほどです。
タイの屋台では「たまごのっけ」
タイで気を付けなければならないことは賞味期限。ギリギリの日付で販売されていたことも少なくありません。日本のように古いものは前に新しいものは後ろにの習慣はタイではあったりなかったり。後ろにあるから新しいと思ってはいけないのです。
街の食堂や屋台でオムライス風の料理やご飯に“目玉焼き乗せますか?”と聞いてくれることも多いタイ。タイでの消費量は、日本と比べれば少ないですが、日本とは違うたまごがあります。タイに訪問したときは、スーパーマーケットや街の中でたまごに注目して観て、食べてみても面白いのではないでしょうか。
▼食堂でも活躍しているたまご
文:Sazu Iwai-Pawle(タイ バンコク在住ライター)
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