タイ料理の代表グリーンカレー。日本では見つからないようなタイハーブを現地で調達しカレーペーストから手作りすると、素人でも本格的な味が作れます。
日本でもタイカレーペーストを輸入商品店などで購入できます。私も、日本に住んでいるころからよく家でグリーンカレーを作っていました。しかし、作るたびに「何かが違う。レシピ通りなのに・・・」と思っていました。
今回、ここタイの料理教室でグリーンカレーの作り方を習い、日本でよく目にした「鍋にサラダ油とグリーンカレーペーストを入れて混ぜ、香りが立つまで熱します。」ここから違うんだということが解りました。現地直伝の絶品グリーンカレーの作り方を紹介します。
グリーンカレー作りは買い物から始まる
まずは市場へ買い物に。
タイの市場では、日本で見られないハーブや野菜も目にします。日本でナスといえば濃い紫色をしていて、米ナス、長ナス、加茂ナスなどが代表的。タイには同じように濃い紫色のナスもありますが、薄い緑色をしたもの、黄色いもの、ベビーナスと言われる小さなもの、タイ(Thai)ナスと言われる直径4cmぐらいの丸いものなど、多彩な種類があります。ここでは、タイナスとベビーナスを購入。
▼奥にあるのがタイのナス
日本で良く知られているパクチーは一種類ですが、タイの市場には、パクチー・フランとパクチー・ラオの2種類を合わせたパクチー3兄弟が売られています。ここでは、日本でも入手できるタイプのパクチーを購入。
バジルもスイートバジル、レモンバジル、ホリーバジルの3種類が売っていて、日本でよく見るイタリアンバジルとは少し違います。唐辛子も大きいものから小さいものまで、生のものから乾燥唐辛子、とそのバリエーションに驚かされます。
グリーンカレーには、生唐辛子のSpur chiliを使います。ペーストには緑を、カレーには赤を使います。唐辛子は、小さくなるほど辛さを増します。今回使うペースト、カレーとも唐辛子は一番からいものではありません。スイートバジル、緑と赤の唐辛子、チリを購入し、いざお料理へ。
まずはグリーンカレー『ペースト』から作ろう
ではまずカレーペーストから作りはじめましょう。
■グリーンカレーペースト材料
緑の唐辛子 2本
エシャロット 2個
にんにく 3カケ (タイのにんにくは小さく、匂いは強いです。)
カー(Galangal=タイの生姜)薄切り7枚 ※日本の生姜で代用できます。
レモングラス 1本 ※生のレモングラスは、日本では入手しにくいので乾燥で代用。
こぶみかんの皮 1カケ ※ライムの皮で代用できます。
粒コショウ 少し
パクチーの種 小さじ1
クーミン 小さじ1
パクチー 葉・根も使う
塩 小さじ1
カピ(エビペースト) 5mmぐらいのボールにできる程度の量
※タイでは、色々なスパイスがペースト状になって瓶詰で売っています。カピもその一つ。日本でも輸入食品店タイ食材の場所に行けば見つかります。
クロックヒンという石臼で軽快な音と共に材料をつぶしていきます。まず、コリアンダーの種、クミンシード、こしょう、塩をつぶします。粉々になったところで後の材料をすべて入れます。
▼クロックヒンでスパイスを砕く
このクロックヒン、すぐには使いこなせません。タイではクロックヒンの「カンカーン」という軽快ないい音が聞こえてくる家は働き者の料理上手な奥さんがいる家という証拠です。実際、やってみて私とタイの人が奏でるクロックヒンの音は全然違いました。
グリーンカレーペーストは、全体が粉々になりペースト状になれば出来上がり。ここまでクロッヒンで完成させるのは腕と力と時間がいります。料理教室でも最後の仕上げは、ミルミキサーが活躍していました。
余ったペーストは、冷凍保存しましょう。ちなみに、日本で味噌が量り売りされていることがありますが、タイではそのようにカレーペーストが売られています。市販で売っているタイのカレーペーストも使わなかった分は冷凍庫へいれておけば味がおちません。
いよいよグリーンカレーに取り掛かります。
■グリーンカレー材料
グリーンカレーペースト 小さじ2
鶏胸肉 70g
ココナッツクリーム 1カップ
ココナッツミルク 1カップ
タイナス 1個 ※ネットを駆使すれば購入できますが、高価です。妥協したくないところではありますが、日本のナスで代用。
ベビーナス 10個 ※おそらく日本では入手できないと思います。
ナンプラー 大さじ1
スイートバジル Cap1/4 ※茎は使わない。葉の先は、飾り用に少し置いておきます。
チリ 生の万願寺唐辛子で代用できます。 1本
ココナッツシュガー 小さじ1
サラダ油 大さじ1
■作り方
1.まず材料の中でポイントとなるココナッツクリームとココナッツミルクを用意しましょう。日本でも売っているココナッツクリームココナッツクリーム1/2カップに水1/2入れてココナッツミルクを作ります。
2.フライパンに油を入れ火にかけます。
3.グリーンカレーペーストを入れます。ここ、ポイントです。日本のレシピ本でよく見る「混ぜ、香りが立つまで熱します。」をしてはいけません。ペーストにフライパンにある油を少し取りペーストに掛け、軽く混ぜたらココナッツクリームを何回かに分けて入れます。ココナッツクリームを入れるたびに少し沸騰させるのもコツです。
4.鶏肉、ナス、ココナッツミルク、砂糖、ナンプラー、バジル、チリの順で入れ、出来上がり。
さあ、心ゆくまで味わおう
「自分でもこんなにおいしく作れるんだ!」
一口くちに入れただけでその違いを実感しました。この味は、タイに来て行った高級レストランの味。カジュアルレストランとかフードコートの味とは全く違います。美味しい!
▼グリーンカレーの出来上がり
後日、自宅で再現を試みました。
ペースト作りが大切なことは理解しましたが、我が家には石臼もないしフードプロセッサーもない。という訳で、今回ペーストは購入しました。
日本で作っていたのに比べれば美味しい。でも・・・料理教室で食べた時は、もっとおいしかった。
なぜだろう。
理由は、ペーストから作っていないからです。やっぱり、フレッシュハーブでペーストから作ることの違いを実感しました。
また、タイには都市ガスはなく、電気かプロパン。タイの一般家庭には、台所がないのも当たり前。我が家も電磁調理器しかありません。料理教室では、プロパンガスが使用されていました。
ガスはやはり熱の周りが違います。ここは、日本の都市ガスのシステムはすごいなと日本の便利さを実感。
タイ料理を代表するグリーンカレー。一般人でも高級レストランの味が出ることに感動しました。皆さまもタイを訪れたときにフレッシュハーブを市場で手に入れて、自宅での絶品グリーンカレーにチャンレジしてみてはいかがでしょう。
タイ料理はまだまだ、おいしいものがあります。しばらく、タイ料理のレパートリーを増やすのがタイ生活を楽しむ一つの方法になりそうです。
文:Sazu Iwai-Pawle(タイ バンコク在住ライター)
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