メキシコではチップを払う習慣があります。あなたがメキシコに来たら、レストランやホテルのほか、美容院やガソリンスタンド、さらにはスーパーマーケットでも・・・と、さまざまな場面でチップを払うことになります。
サービスを受けた時に感謝の気持ちをこめて払うチップ。スマートにチップを渡したいところですが、「どのくらい金額を渡せばいいんだろう?」「無言で渡すわけにいかないし、なんと言って渡すのが普通なんだろう?」と、おどおどしてしまう人も少なくないでしょう。
本記事では、メキシコでのチップの払い方を徹底的にご紹介します。初めてのメキシコ旅行やメキシコ生活でも、チップのことで悩むことなく、メキシコライフをスムーズにスタートできるはずです。
ホテルではベルボーイ、ハウスキーピング、コンシアージ(コンシェルジェ)に。
スペイン語ではチップのことを「propina(プロピナ)」と言います。さまざまな場面で使うことになるので覚えておきましょう。
まずはホテル。メキシコでは、メキシコペソの他にアメリカドルが使えるホテルがほとんどです。
ホテルでは主にベルボーイ、ハウスキーピング、そしてコンシアージにチップを払います。ベルボーイには荷物を部屋まで運んでもらった時に2米ドル~20米ドルのチップを払います。タイミングはサービスが終わった時。チップを渡す時には「Gracias」(グラシアス)(日本語でありがとう)と言いましょう。
ハウスキーピングには通常毎日部屋を掃除してもらいますので、1泊につき2米ドル~5米ドルのチップをチェック・アウトの日にまとめて払います。この場合、部屋のナイトテーブルやドレッサーの上など、わかりやすい場所にメモと一緒にチップを残します。メモを残さないと忘れ物としてチップを届けられてしまう場合もあるので、できれば「-propina- Gracias por su servicio (Maria).」(チップ マリアさんお世話になりました)などと書いたメモをそえましょう。担当者の名前がわかる場合は最後に名前を入れます。
またコンシアージには、特別なリクエストをした時にその場で、もしくは時間がある時に担当者の元に戻り、チップを払います。チップの金額はサービス内容によりますが、一般的には5米ドル~50米ドルです。このようにホテルでのチップの金額には幅がありますが、例えばベルボーイの場合はスーツケースを1つ部屋に運んでもらったら、シンプルなサービスなので2米ドルのチップで十分です。
飲食店で払うチップ。現金での払い方は?
メキシコのレストラン、カフェ、屋台、バーでは通常、料金の15パーセントをチップ払います。
飲食店でチップを払うタイミングは勘定を払う時。払い方には2つあります。食事が終わり勘定を払う時に合計金額にチップを加えて一緒に払う方法と、勘定を払った後、テーブルの上にチップを置いてレストランを出る方法です。
例えば、食事の合計金額が500ペソの場合、15パーセントは75ペソ。きりのよい合計580ペソにして、チップを含めて払うことができます。
また、まず食事代の500ペソを払い、レストランを出る時にチップの75ペソをテーブルに残すこともできます。どちらの場合も勘定をお願いする時は、「La cuenta,por favor.」(ラ クエンタ、ポル ファボール)、そして勘定とチップを払う時は、「Gracias」(グラシアス)とウエイターに言いましょう。
また、15パーセントはあくまでも目安。特別に良いサービスを受けた時は感謝の気持ちを伝えるために、15パーセント以上のチップを渡しても良いでしょう。
逆に、スタッフの態度が悪い、サービスが遅い時など、満足のいくサービスを受けなかった時は料金の15パーセントのチップを払う必要はありません。
飲食店でカードで支払う時にチップを払う方法
まずは食事が終わったら同じように「La cuenta,por favor.」と言い、お勘定を頼みます。そして、ウエイターが勘定を持って来たら金額を確認し、ウエイターにカードを渡します。すると、ウエイターがカード支払い用のレシートを持ってきてくれます。そこには、通常、チップの金額を記入する欄と、チップを含めた合計金額を記入する欄があります。
そこに、食事代の15パーセントのチップの金額と合計金額を記入し、署名します。ウエイターにレシートを渡して、自分のカードとレシートのコピーを渡されるのを待ちます。これで支払い作業は終了です。
メキシコでは美容院でもスーパーでもチップを忘れずに。
メキシコでは様々な場面でチップを払います。
例えば美容室。美容室で担当してくれた美容師さんにサービスが終わった後に直接、料金の15パーセントほどのチップを渡し、サービス料金は別に受付で払います。
また家の水道修理に来た業者に、エアコンをとりつけに来た業者に、引っ越し業者に、ガーデナーに・・・など、家で何らかのサービスを受けた場合も、手間代としてチップを払うのが一般的です。目安は同じく料金の15パーセント辺り。
また、ガソリンスタンドのスタッフにもチップを払います。この場合、ガソリンの料金に関係なく、窓を掃除してくれたり、タイヤをチェックしてくれたら、5ペソ~10ペソを払います。
メキシコではスーパーマーケットでもチップを払う場合があります。たいがいのスーパーのレジにバッグ係がいて、買った品物を全てバッグに入れてくれます。
彼らのほとんどは60歳以上の年配の方。彼らを助ける意味も含め、彼らが全てのバッグをカートに入れ終えた時に、10ペソ~20ペソのチップを渡すのも一般的です。
どのような場合もチップを渡す時は感謝の気持ちを込めて「Gracias.」と言います。
タクシーではチップを払わなくてもOK。ほかに払わなくても良いのは?
スーパーやガソリンスタンドでさえもチップを払うメキシコであっても、チップを払う必要のない場面もいくつかあります。
例えばタクシー。タクシーでは普通チップを払う必要がありません。下車の際にドライバーに50ペソ、と言われたらそのまま50ペソ払いましょう。
またファストフード店やテイクアウトの店でもチップを払う必要はありません。通常これらの店にはレジカウンターにチップを自由に入れられる箱や貯金箱などが置いてあります。気持ちの良いサービスを受けた時は感謝の気持ちを込めて小銭を入れてもいいでしょう。
チップを払うのを、緊張から楽しみに変えてしまおう。
メキシコでチップを払う時は基本的に15パーセント、もしくはそれ以上を払うと覚えておきましょう。チップを払う場面が多くあるので、常に小銭や小さい紙幣を持っておくのも慌てずにチップを払うためのキーです。
チップを払うことも慣れてくると、意外とスムーズにいくものです。少ないかな?多いかな?などとあまり気にせずに、自分が決めた感謝の金額はこれ、と自信を持つとチップ払いも不安から楽しみに変わるものです。