一年を通して、緑が美しいアイルランド。町から少し郊外にでると、羊や牛が放牧され、のどかな田園風景が広がっています。毎日の生活に少し慣れてきたら、ぜひ、アイルランドの大自然の中でアウトドアを楽しんでみませんか?勉強の息抜きや気分転換になるだけでなく、共通の趣味を通じて交友関係が広がるかもしれません。
はじめは、身近な場所でピクニック
この国には、マムシや熊がいません。アイルランドにキリスト教を広めたと言われる聖人パトリック(St.Patrick)が蛇をアイルランドから追放した、という伝説があるくらいです。危険な野生動物がいないので、安心してピクニックやハイキングを楽しむことができます。それでも、マダニや蚊にさされないような服装は必須です。
有名な景勝地や国立公園まで行かなくても、お弁当を持って、気軽にピクニックに出かけるだけで十分楽しめます。地図の他に、野鳥や野草のガイドブックを持参しましょう。道端の小さな野草や野鳥を探しながら歩くと、今まで気づかなかった身近な自然に感動することもあるからです。
サイクリングや登山をするには
中・長距離バスでは、追加料金を支払えば、自転車を積み込むことが可能です。サイクリングの魅力は、徒歩よりも遠くまで足を伸ばせることです。
サイクリングをする際は、車道を走ることになりますが、自転車用のスペースのない道が多いので、十分気をつけてください。反射板などをつけて目立つような対策をしましょう。
レンタル自転車も便利ですが、泥よけガードがついていないため、背中に泥がはねて汚れます。リュックにカバーしたり、雨具を着用したりなどの準備が必要です。
さらに、登山やカヤックなど、もう少し本格的なアクティビティが希望なら、地元のサークルなどを探してみましょう。共通の趣味で地元の人とつながりができるというのは貴重な体験になるはずです。
特に気をつけなくてはならないこと
この国には、標高の高い山は少なく、危険な動物もいません。しかし、天気の急変は多く、あっという間に視界が狭くなることがあります。私が参加した登山では、急変した悪天候のために、グループの一部が行き場を見失い、山の中で一晩、過ごしたことがあります。しっかりしたサークルの場合は、緊急用のテントや食料を必ず準備しています。自然の中では予期せぬトラブルが起きることもあるので、単独行動は控えて、サークル等のグループに参加しましょう。
さらに、雨の多いアイルランドでは、湿地があちこちに点在しています。そのため、山道や草原を歩いているときに、湿地に足がはまり、膝上まですっぽり泥に埋まってしまうこともよくあります。実際に、湿地にはまって人が亡くなるケースもあるので、注意が必要です。
また、牧草地に設置されている電流柵には気をつけましょう。牛や羊が敷地外へ出ていかないようにする柵なので、数秒おきに電流が流れるようになっています。友達同士でふざけて触ってみることも多いですが、触らない方が無難でしょう。
アイルランド語の地名についての豆知識
地図をみたり、郊外を歩いたりしていると、地名に同じ単語が使われていることに気が付くでしょう。最近では、英語とアイルランド語の併記が増えていますので、地名も気に留めながら歩くと面白いのでおすすめです。簡単な例をいくつか紹介します。
・樫の木=デリー(Doire)
例:デリー(Derry)デリーナン(Derrynane)など・山、丘=ノックナグリー(Koncknagree)、ノックラメナ(Knocklamena)、ノック(Knock)
・山、丘=ノック(Knock)
例:ノックナグリー(Koncknagree)、ノックラメナ(Knocklamena)など
・要塞=ダン(Dun)
例:Dunquin(ダンクイン)、Dun Laoghaire(ダンレアリー)など
・教会=キル(Cill)
例:Killarney(キラーニー)、Kilmallock(キルマロック)など
地名に使われている単語から、昔の風景を想像することができます。これらは、ほんの一部ですが、簡単に調べることができるので、興味があれば探してみましょう。
雨の多いアイルランドですが、ずぶ濡れになったら、ローカルパブの暖炉で冷えた体をゆっくりあたためる—―。これも、この国ならではのアウトドアの楽しみ方です。無理せず、自分にあったスタイルをみつけて、楽しんでみましょう。
文:ばあんのりこ(ライター)
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