プロの翻訳家になるための留学|仕事へ直結する実践的な学校や資格をご紹介

翻訳家になるには、2カ国語以上の言語が堪能なこと、専門的な訓練を受けていること、業界特有の知識と経験を積むことが必要です。

また、リサーチ力、文脈や文化的背景の理解、スタイルやトーンを維持できること、プロジェクトの期限内に仕事を滞りなく進められるよう時間管理のスキルなども求められます。

プロの翻訳家になるためには、必ずしも留学が必要というわけではありません。とはいえ、語学力はもちろんのこと、異文化理解や社会背景、生活習慣などの知識が求められる仕事の性質上、翻訳家を目指す多くの人が留学や海外生活を経験しています。

この記事では、翻訳家を目指すための留学について、どのようなプログラムがあるのか、どの国や学校が最適なのか、さらに翻訳家としてのキャリアを築くために必要な資格やスキルについて詳しく解説します。

翻訳家を目指す方は、ぜひ参考にしてくださいね!

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留学プレス編集部の記事

翻訳家になるための留学とは?

翻訳留学には主に次の3つのスタイルがあります。

1.短期(2~3か月)でピンポイントの翻訳技術を磨くワークショップ
2.専門学校(1年~3年)を経て資格取得
3.大学院を経て修士号と資格取得

翻訳留学のメリット

最大のメリットは、その言語が使われている環境で実際に生活できることです。現地での生活を通じて文化や慣習に対する深い理解が得られ、翻訳家としての大きな強みとなります。

また、学校では翻訳の実践的なトレーニングを受けることができます。修了後に資格者リストなどにプロフィールを登録し、そこから仕事を得ていく人もいます。

翻訳家に有利な資格

日本で翻訳者として働くのに、必ずしも資格は必要ありません。しかし、資格があればプロの翻訳家としての信用につながり、特に新規の取引先と仕事をする際にプラスに働くこともあります。

また、翻訳家の活躍の場は必ずしも日本に限られているわけではありません。いまや、スキルとパソコンさえあれば世界中どこででも仕事ができるのが翻訳です。

その場合、拠点とする国によっては資格を持っていないと公的な仕事を得られない場合もあります。

ここでは、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス、中国、韓国の代表的な翻訳家資格をピックアップしてご紹介しますね!

1. アメリカ

ATA Certification (American Translators Association)
アメリカ翻訳者協会が提供する資格。専門翻訳者としての技能を証明し、特定の言語ペアについて認定されます。日本語から英語、または英語から日本語の翻訳ペアでの認定が可能です。

2. カナダ

CTTIC Certification (Canadian Translators, Terminologists and Interpreters Council)
カナダの翻訳、用語学、通訳の全国組織であるCTTICによって提供される資格。各州で異なる関連機関があり、翻訳者としての技能を証明します。カナダで日本語の翻訳者として活動する場合、日本語ペアの認定を取得できます。

3. オーストラリア

NAATI Certification (National Accreditation Authority for Translators and Interpreters)
NAATIは、オーストラリアの翻訳および通訳者の認定を行う機関です。各レベルの認定があり、特定の言語ペアで翻訳者としての資格を認定します。オーストラリアで日本語の翻訳・通訳を行うためには、NAATIの認定が必要です。

4. ニュージーランド

NZSTI Membership (New Zealand Society of Translators and Interpreters)
ニュージーランド翻訳者・通訳者協会(NZSTI)は、ニュージーランドにおける翻訳者と通訳者のプロフェッショナル団体です。日本語ペアでの認定も可能です。また、オーストラリアと同様に、NAATIはニュージーランドでも認知されています。

5. イギリス

CIOL Diploma in Translation (Chartered Institute of Linguists)
言語学者協会が提供する資格で、専門翻訳者向けの高いレベルの資格です。日本語を含む言語ペアでの資格取得が可能です。さまざまな専門分野に応じた翻訳技能が問われます。

ITI Membership (Institute of Translation and Interpreting)
翻訳者および通訳者協会のメンバーシップです。フルメンバーになるには、試験や実務経験が求められます。日本語を扱う翻訳者としてITIのメンバーシップを取得することが可能です。試験と経験をもって認定されます。

6. スペイン

Traductor Jurado
スペイン司法省によって認定される資格で、公的文書の翻訳が許可されます。日本語とスペイン語の言語ペアでの公的文書翻訳が可能です。この資格があると、法的に認められた翻訳者として、公的機関に提出する文書の翻訳を行うことができます。

7. イタリア

Traduttore Giurato
イタリア各地方の裁判所によって認定される資格で、公式文書の翻訳が可能です。日本語とイタリア語のペアでの認定が取得できます。この資格を持つと、公証役場や裁判所に提出する文書の公式な翻訳ができます。

8. ドイツ

Staatlich anerkannter Übersetzer
州によって認定される資格で、公式な翻訳が可能です。ドイツ語と日本語のペアでの認定が可能です。

BDÜ Certification (Bundesverband der Dolmetscher und Übersetzer e.V.)
ドイツ翻訳者・通訳者連盟が提供する資格で、プロフェッショナルな翻訳者および通訳者としての認定です。日本語の翻訳者として、BDÜのメンバーシップを取得できます。ドイツでの活動において非常に有効です。

9. フランス

Traducteur Assermenté
フランスの裁判所によって認定される翻訳者で、公的文書や法的文書の翻訳を行うための資格です。日本語とフランス語のペアでの認定が可能です。この資格を持つと、公式な翻訳者として認められ、法廷での証拠として提出できる翻訳が行えます。

10. 中国

CATTI (China Accreditation Test for Translators and Interpreters)
中国外文局が提供する資格試験で、複数のレベルがあり、翻訳者および通訳者の能力を証明します。日本語ペアでの認定試験を受けることが可能です。

11. 韓国
KATI (Korean Association of Translators & Interpreters)

韓国翻訳者協会の資格で、翻訳者としてのプロフェッショナルなスキルを証明します。日本語と韓国語の翻訳者として、KATIのメンバーシップや認定を取得することができます。

留学先の選び方

翻訳留学では留学修了時の目標に合わせ、そこから逆算した学校選びをすることが大切です。

・資格や学位を取得するのか?
・卒業後に仕事の紹介サポートがある学校を選ぶのか?
・翻訳の専門家よりも、企業内で役立つ翻訳スキルを身につけたいのか?
・語学力向上の一貫として翻訳技術を学びたいのか?

資格を取るのであれば翻訳資格に特化したカリキュラムを提供している大学や専門学校を選ぶのが最短ルート。一方で、資格は取得せず、卒業生へのキャリアサポートが充実している学校を選んでキャリアにつなげている人もいます。

自分の目標とする姿を思い浮かべ、学校選びを進めていきましょう。

翻訳留学プログラムをご紹介!

JVTA(日本映像翻訳アカデミー)ロサンゼルス校

エンターテインメントのメッカ、ハリウッドに近い環境で「映像翻訳」「通訳」「実務翻訳」を学ぶ全日制コースを提供している職業訓練校です。修了後は学校独自のキャリアサポートで仕事の紹介を受けられます。

場所アメリカ/ロサンゼルス
費用6カ月:6,790ドル(受講料) ~
入学時期年4回(1、4、7、10月) 
翻訳・通訳に必要な英語力を養う短期の準備コース「プレパラトリーコース」もあり。

アビュータスカレッジ

現地企業でのインターンにもチャレンジできるカナダ・バンクーバーの専門学校です。

場所カナダ/バンクーバー
費用425,100円~
(為替により料金が変わる可能性あり)
期間2か月~
6カ月以上のコースの場合、実習(インターンシップ)も含まれている

ミドルベリー・インスティテュート・オブ・インターナショナル・スタディーズ・アット・モントレー(Middlebury Institute of International Studies at Monterey)※旧モントレー国際大学院

通訳と翻訳の修士号(MA in translation and interpretation)を取得できる大学院です。

場所米国カリフォルニア州/モントレー
期間2年
会議通訳の修士号がとれるコースもあり

リーズ大学

ビジネスと公共に特化した修士号(MA Business and Public Service Interpreting and Translation Studies)や会議に特化した修士号(MA Conference Interpreting and Translation Studies)を取得できる大学院です。

場所イギリス/リーズ
期間1年
費用25,750ポンド/年

モナッシュ大学

通訳・翻訳の修士号(Master of Interpreting and Translation Studies)が取れる大学院です。オーストラリアは、実践的な翻訳教育が充実している国で実際のプロジェクトを通じたトレーニングも行われています。

場所オーストラリア/クレイトン
期間2年
費用40,200オーストラリアドル/年
備考ウェスタンシドニー大学、クイーンズランド大学、ニューサウスウェールズ大学、マッコーリー大学などでも翻訳の修士号プログラムがあります。

翻訳留学のQ&A

Q1. 翻訳家になるためにどのくらいの期間が必要ですか?

目指すレベルによって異なりますが、一般的には留学や専門学校で約1年以上学び、実務経験を経て翻訳家としてデビューします。

Q2. 翻訳家に向いている性格や資質は何ですか?

細部に注意を払い、正確さを追求する性格の人です。また、語学に対する興味や好奇心、異文化理解への意欲も重要な要素です。

Q3. 翻訳家の平均年収はどのくらいですか?

専門分野や経験年数、地域や働き方によって大きく異なりますが、平均的に年収300万円~700万円程と言われています。

Q4. 翻訳者と通訳者の違いは何ですか?

翻訳と通訳は密接に関連していますが、違った技術が必要です。通訳者は通常、リアルタイムの状況で口頭による会話を訳しますが、翻訳者は文書として残るものを訳します。通訳者が瞬時の判断力と対応力が求められるのに対し、翻訳者はリサーチの緻密さや熟考する忍耐強さが必要です。

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会議や映像、記者会見、スポーツやエンタメ、芸術イベントなど多彩な国際場面で必要な存在が通訳者です。グローバル化に伴って、優秀な通訳者はますます必要になっています。 日本では観光案内を外国語で行う際の「通訳案内士」資格以外、特に資格が[…]

Q5. 翻訳者にとって重要なスキルは何ですか?

まずは正確な読解力と文章力が必要です。また、翻訳とは単に言葉を知っているだけでなく、その国の文化を理解することでもあります。一般的なビジネススキルや対人スキルも必要です。

Q6. AIが発達すると翻訳の仕事は減りますか?

AIや翻訳アプリの性能が年々向上しているため、かつて人間がすべてを翻訳していた時代とは大きく変わっていることは間違いありません。そのため、AIを使いこなせない翻訳家は仕事が激減していく可能性が高いと言わざるを得ませんが、今の翻訳家はむしろAIを積極的に活用し、旧来よりも効率的に仕事を進められている面もあります。

また、AIは文章の向こう側にある書き手の想いを汲み取ったり、国ごとの背景や事情を加味することは不得意です。AIの得意な部分と人間の得意な部分を組み合わせることで、より高いレベルの翻訳家を目指すことができます。

翻訳留学は目的に合わせて選ぼう!

翻訳留学は短期コースから専門学校、大学や大学院まで幅広いコースがあります。目標はもちろん、予算やキャリアプランにも合わせて留学先を選ぶことが大切です。

「いろんな翻訳留学コースを見てみたい」
「体験談なども読んでみたい」

そんな方には詳しいパンフレットや資料をお届けしています。まずはじっくり読みながら自分に照らし合わせてみて、翻訳家のキャリアを検討してみましょう!

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