心理学に強い海外大学は?授業内容や理系と文系の違い、ランキングなどの留学情報を徹底解説!

心理学は留学生に大変人気のある学部のひとつです。特に、近年はメンタルヘルスへの注目が高まっていることもあり、心理学はますます社会に必要とされてきています。スポーツ、一般企業、アートや芸術、学校、病院、福祉、犯罪抑止…とさまざまな世界で心理学が求められています。

海外で心理学を学ぶ場合、主な選択肢は大学と大学院です。心理学を基礎から学びたい人は大学へ、学部課程で心理学かそれに準じる専攻を卒業した人は大学院へ進学するのが一般的です。社会人が仕事の経験のなかで心理学の必要性や将来性に魅力を感じ、留学して学び直すことも多くあります。

この記事では海外大学の心理学専攻で行われている科目や卒業後のキャリア、心理学分野の大学ランキングなどをご紹介します。

また、心理学には理系の学位と文系の学位があるのが特徴です。理系と文系、どちらのコースを選んだほうがいいのかについても解説しますのでぜひ参考にしてください。

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心理学専攻では何を学ぶ?

海外大学留学・心理学部

心理学専攻では人間の行動と精神的プロセスを解き明かすため、心、脳、社会、認知、異常行動、人格、発達などさまざまな側面から科学的に学びます。大学生は、研究し、仮説や推論をたて、問題解決を行うための基本的な方法を学んだあと、社会に出たり大学院へ進んでさらに研究を深めます。

心理学は教育、法律、医学、ビジネスなどの他分野と組み合わせることで広く応用ができる専攻で、さまざまなキャリアにつながっていきます。

心理学はどんな人に向いているの?

海外大学留学・心理学部

心理学専攻は、人と関わる仕事がしたい人や、人間の行動に興味がある人、人の精神的プロセスに興味がある人に向いている専攻です。

心理学を学ぶことで心の広さや批判的思考、問題解決力、分析力、コミュニケーション能力などを身につけられます。

また、人間の心理を学ぶことでその教訓を自分の人生に応用し、自分自身についても学ぶことができます。ストレスや社会的ジレンマ、プレッシャーのかかる状況に対処できる人を目指します。

心理学を専攻するとどんな仕事ができるの?

海外大学留学(心理学部)卒業後の仕事

心理学のキャリアは無限にあります。メンタルヘルスが重視される現代社会では、あらゆる分野で心理学の知識や経験が必要とされているからです。

セラピーや専門性の高いカウンセリングを行うためには、大学院への進学とそれぞれの国での資格取得が必要です。

法律、医学、ビジネス、環境、犯罪、動物、子供、ソーシャルワーク、リハビリテーション、防衛・軍事など、特定の分野に興味がある人は、その分野の心理学を実践的に学べるコースを選択します。

大学院の学位や免許を必要としない職業として考えられるのは、学校の履修ガイダンスや学業カウンセラー、法執行機関や矯正施設の職員、人事マネージャー、マーケティングや広告のマネージャー、リサーチアシスタント、一部の非営利団体の役職などがあります。

心理学専攻で履修する必須クラス例

海外大学留学(心理学部)基礎科目

心理学総合(General Psychology)

心理学の分野全体を概観する入門的なコースです。最初はその情報量の多さに圧倒されるかもしれませんが、今後の学習の基礎となる重要な授業です。

歴史(History)

現代の心理学を理解するために、古代哲学から現代までの思想家たち、心理学者たちの理論とセオリーを知ります。

統計学(Statistics)

統計学は、心理学者が人間の行動を調査する際の中核となります。一般的に研究者が使用する統計的手法とテクニックに焦点が当てられます。

多くの心理学大学院では、入学許可の条件として統計学の学部コースを少なくとも1つ受講することを義務付けています。

実験心理学(Experimental Psychology)

実験心理学は心理学を専攻する人にとって必須の基礎です。学校によって内容は異なりますが、ほとんどの実験心理学コースでは学生に実験を行わせることになっています。

生理心理学(Physiological Psychology)

心と行動を理解するためには、脳、神経作用、感覚と知覚、基本的な神経解剖学、そして生理学的プロセスに関する知識を深めることが重要です。

行動神経科学、生物心理学、生物心理学などの別のコース名が付けられている場合もあります。

認知心理学(Cognitive Psychology)

このコースでは人間の行動の基礎となる認知プロセスについて詳しく学びます。知覚、思考、記憶、注意、言語、問題解決、学習など、脳の中で行われているすべての内的な精神的プロセスを知っていきます。

異常心理学(Abnormal Psychology)

異常心理学のコースでは、異常行動の生物学的、環境的、文化的な影響に焦点を当てます。

このコースでは気分障害、人格障害、心身症、薬物乱用などを取り上げます。これらの障害の背景、評価、診断に加えて、治療法についても学びます。

発達心理学(Developmental Psychology)

発達心理学では、受胎から生涯にわたる人間の発達過程を学びます。子どもの発達に焦点を当てたコースを選択する場合もあります。

生物学的、情緒的、認知的な領域における発達の変化と、家族、学校、仲間、文化などの要因がこの成長にどのように影響するかを考察します。

社会心理学(Social Psychology)

社会心理学では社会が行動に与える影響や、個人と集団の間の相互作用を学びます。

社会学と多くの共通点がありますが、社会学が人々の行動に影響を与える制度や文化を見る傾向がある一方で、心理学は行動に影響を与える状況に焦点を当てる傾向があります。

パーソナリティ心理学(Personality Psychology)

パーソナリティ心理学のコースでは、フロイト理論、心理社会学的理論、行動学的理論、人文主義的理論、実存的理論など、パーソナリティの発達に関する数多くの理論の背景を学びます。

パーソナリティを理解し、それが個人によってどのように異なるか、また人々がどのように似ているかを理解しようとします。また、日常生活に支障をきたす可能性のある人格障害の評価や診断、治療を行います。

心理学専攻の選択科目

海外大学留学(心理学部)選択科目

必須科目を修了した後は、自分の将来のキャリアや目標に関連した選択科目を選択します。

例えば、消費者心理学に興味のある学生は、マーケティング、広告、社会心理学、実験デザイン、統計学などの選択科目に重点を置きます。

また、アートセラピーの仕事に就きたいと考えている学生は、美術の授業を受けるという選択肢もあります。

研究者になることを目指しているなら、統計学や論文作成、研究方法などの授業も役に立ちます。メンタルヘルス分野でのキャリアを考えているのであれば、生物学や健康科学の科目も役に立ちます。

選択科目例
・社会学
・公共政策
・社会事業
・人類学
・コミュニケーション
・刑事司法
・生物学
・健康科学
・歴史
・統計学
・政治学
・哲学

文系学位(B.A.)と理系学位(B.S.)どちらがいいの?

心理学留学・理系学位と文系学位

心理学の学位には文学士(Bachelor of Arts)と理学士(Bachelor of Science)という2つの選択肢があります。大学によって文学士コースと理学士コースを両方持っているところと、片方のみのところがあります。

心理学の文学士号

文学士号(BA)に向いている人
・大学卒業後、そのまま社会人になることを考えている人。
・ビジネス、法律、カウンセリング、ソーシャルワーク、マネジメントなど、心理学以外の分野の大学院への進学を考えている人。
・外国語を含む幅広い人文系科目の履修に興味がある。

一般的に文学士号は、より一般教育(リベラルアーツ)に焦点を当てています。心理学領域以外の科目のクラス数が多くなります。そのため、心理学に興味があるけれど、他の分野も探求したいという学生に最適です。

例えば、心理学を学びながら、栄養学や健康学などの分野の授業も受けたい、外国語も学びたい、という場合です。

たとえば次のような分野と組み合わせて勉強することができます。

  • ビジネス
  • カウンセリング
  • 教育
  • 法律
  • メディア
  • 政治学
  • ソーシャルワーク
  • スポーツ
  • 音楽

このような分野と心理学をミックスして学んだ学生は、たとえばソーシャルワーク、人事、ジャーナリズムなど、対人関係やコミュニケーションスキルを必要とする職業に就くことも多くなります。さらに、ヘルスケア、マーケティング、産業組織心理学など、データ収集や調査を伴う分野でキャリアを積むことができます。

心理学の理学士号

理学士号(BS)に向いている人
・より科学的なカリキュラムに興味がある。
・心理学の大学院に進学したい。
・医学部への進学を考えている。
・より幅広い科学関連のコースを受講したいと考えている。

理学士号は、科学と数学のコースに焦点が当てられます。一般教養のクラスよりも、実験や統計のクラスを取ることが多くなります。

理学士号コースでは文学士号よりも多くの心理学コースを履修するのが一般的です。生物科学と研究方法論を幅広く学ぶことができます。科学分野でのキャリアや、心理学での大学院進学につながっていきます。

BAとBSに有利・不利はあるの?

教育の専門家の中には、心理学のBS学位を取得した学生の方が将来の選択の幅が広く柔軟性が高いという人もいます。

しかし米国心理学会(APA – American Psychological Association)は、両方の学位にはほとんど差がないことが多いとも指摘しています。それよりも、大学院や自分の目指すキャリアに向けて役にたつ授業を受けることを最も重要視すべきだとしています。

自分の目標や学位を取得して何をしたいかを考えて、どの選択肢が自分に合っているかを判断していくことが大切です。

心理学部に合格するには?

世界中の多くの総合大学が心理学部を持っています。ほとんどの大学では心理学部への入学に特別なものは必要ありません。他学部と同じように出願します。

留学生に求められる出願条件の例
・英語力の証明(TOEFL(r)、IELTSなど)
・最終学歴の成績

※大学によっては…
・エッセイ(小論文)
・推薦状
・面接

一部の大学では、高校時代の特定の科目についての履修状況や成績が重視されることがあります。なかでも数学や統計などの科目はしっかり勉強しておくと安心です。

また、イギリスやオーストラリアなど日本と教育システムが異なる国の場合、一部の大学で大学入学時点で「基礎科目」の一部を修了していることを問われる場合があります。

その場合、「ファウンデーションコース」と呼ばれる大学入学準備コースで心理学部専攻に適したコースを受講するよう推奨されます。ファウンデーションコース自体は学部に関わらず多くの日本人留学生が履修すべきものなので、心理学志望だからといって遠回りになることはありません。

心理学を専攻できる大学と世界ランキング

スタンフォード大学

ここでは心理学分野でのランキング上位校をご紹介します。(参考:THE World University Rankings 2024

1位 オックスフォード大学(イギリス)
2位 スタンフォード大学(アメリカ)
3位 マサチューセッツ工科大学(アメリカ)
4位 ハーバード大学(アメリカ)
5位 ケンブリッジ大学(イギリス)
6位 プリンストン大学(アメリカ)
7位 カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)
8位 イェール大学(アメリカ)
9位 清華大学(中国)
10位 シカゴ大学(アメリカ)
11位 北京大学(中国)
12位 ジョンズ・ホプキンス大学(アメリカ)
13位 ペンシルベニア大学(アメリカ)
14位 コロンビア大学(アメリカ)
15位 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(アメリカ)
16位 シンガポール国立大学(シンガポール)
17位 コーネル大学(アメリカ)
18位 トロント大学(カナダ)
19位 ユニバーシティカレッジロンドン(イギリス)
20位 ミシガン大学アナーバー校(アメリカ)
21位 カーネギーメロン大学(アメリカ)
22位 ワシントン大学(アメリカ)
23位 デューク大学(アメリカ)
24位 ニューヨーク大学(アメリカ)
25位 ノースウェスタン大学(アメリカ)
26位 東京大学(日本)
27位 エジンバラ大学(イギリス)
28位 南洋理工大学(シンガポール)
29位 カリフォルニア大学サンディエゴ校(アメリカ)
30位 香港大学(香港)
31位 ジョージア工科大学(アメリカ)
32位 メルボルン大学(オーストラリア)
33位 キングスカレッジロンドン(イギリス)
34位 ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(ドイツ)
35位 ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)
36位 イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(アメリカ)
37位 上海交通大学(中国)
38位 復旦大学(中国)
39位 ルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)
40位 ロンドンスクールオブエコノミクス(イギリス)
41位 ハイデルベルク大学(ドイツ)
42位 マギル大学(カナダ)
43位 カロリンスカ研究所(スウェーデン)
44位 マンチェスター大学(イギリス)
45位 テキサス大学オースティン校(アメリカ)
46位 香港中文大学(香港)
47位 モナッシュ大学(オーストラリア)
48位 京都大学(日本)
49位 浙江大学(中国)
50位 カリフォルニア大学デービス校(アメリカ) 

ランキングは大学選びのひとつの目安になりますが、ランキングだけでなく学費や生活環境、入学条件などさまざまな基準で選ぶ必要があります。

心理学は世界中の多くの大学で専攻できます。自分に合う大学を選んで、思う存分心理学を勉強してくださいね!

(留学プレス編集部)

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