海外の大学に進学するには?大学留学の種類や必要な成績、編入制度などを解説!

大学で学びながらさまざまな国の人と文化に触れ、グローバル感覚を養いながら大学時代を有意義に過ごせる海外大学への進学。

海外大学へ留学と一口に言ってもさまざまな留学方法があり、また留学する国によって大学進学のシステムや入学条件などが異なります。

人生の重要な岐路とも言える大学留学を成功させるためには、留学先の国やシステムをしっかり検討し準備をすることが大切です。場合によっては海外大学留学で行きたい国と自分にとってベストな国が異なる可能性があるかもしれません。

この記事では海外大学留学について、その基本や留学先として人気の国別ポイントをご紹介します。

海外大学・大学院に興味が湧いたら

海外大学留学の種類

海外大学留学の種類

海外の大学へ進学は正規留学だけでなく、短期留学や学部聴講などさまざまな方法があります。それぞれの海外大学への進学方法について、みていきましょう。

正規大学留学

海外へ正規大学留学する場合、日本の大学のような入試はありません。大学への入学可否は書類選考によって判断されます

提出する書類の中でも特に鍵となるのが「高校の成績(大学から編入の場合は大学の成績も)」と「TOEFL(r)やIELTSなどの英語力を証明する試験のスコア」。難関や人気の大学ほど高校の成績・英語のスコア両方にいい成績が求められます。

そのため英語力を示すスコアが高得点でも、高校時代の成績が振るわない場合は不合格となるケースもあります。

学部聴講・公開講座

アメリカの大学の場合、条件が合えば学期単位の履修でも正式な単位として取得できる場合があります。アメリカの大学で取得した単位が日本の大学に適用されるかどうかは通っている大学によるので、事前に問い合わせてみましょう。

イギリスやオーストラリアなどでは、在籍している日本の大学を半年または1年間休学し、授業を履修する「スタディアブロードプログラム」を利用して短期留学することが可能です。スタディアブロードプログラムを利用すれば正規留学の条件を満たしていなくても、ローカル学生と一緒に授業を受けることができます。スタディアブロードプログラムは通っている大学の協定校以外でも、希望条件で留学先の都市や大学を選べ、授業料は直接留学先の大学へ支払う仕組みです。

スタディアブロードプログラムで取得した単位が日本の大学で適用可能かどうかについても通っている大学によるので、事前に確認しましょう。

大学のサマー・ウインター留学など

海外大学の長期休暇中、大学の寮などに滞在しながら夏季や冬季限定で大学への留学が可能な「サマープログラム」や「ウインタープログラム」があります。

これらのプログラムは通っている日本の大学に提携校がある場合や民間の会社などで取り扱っており、通常6月〜8月や12月〜1月などに開催されます。内容は語学留学のほかにも講義・フィールドワーク・文化体験などさまざまなプログラムが用意されていますが、大学提携校の場合は内容が決まっている場合もあります。

海外大学への編入

アメリカ・カナダは2年制→4年制への編入が便利

アメリカやカナダの大学では2年制大学にまず入学し、4年制大学の3年次へ編入する方法もあります。

▼アメリカ・カナダの2種類の大学留学システム

アメリカ・カナダの大学システム

イギリス・オーストラリア・ニュージーランドはファウンデーションコースや専門学校から編入

イギリスやオーストラリア・ニュージーランドなどイギリス式の教育システムを導入している国の大学の多くは、3年間で大学学部の学位取得が可能です。ただし日本との教育システムの相違から、高校卒業後に行く場合は大学の前に1年間のファウンデーションコースと呼ばれる留学生向けのプログラムを履修することが必要です。

▼イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの最も一般的な大学留学システム

イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの大学システム

ファウンデーションコースでは、専門科目の基礎知識や講義の聞き方・ディスカッション・論文の書き方など、大学で学ぶための基本的なスキルを学びます。

また2年間ほど専門学校へ通った後に大学へ編入することも可能です。

大学に編入できるオーストラリアの専門学校「TAFE」って?

国別にチェック!人気海外留学先のポイントは?

海外の大学・国別特徴や入学条件

それでは海外の大学進学留学先として、人気の国別にその特徴や入学条件などのポイントをチェックしていきましょう。

アメリカの大学

4年制大学2年制大学
入学時期主に9月・1月
(学期区分による)
主に9月・1月
(学期区分による)
卒業期間4年2年
英語力
(目安)
・TOEFL:61以上
・IELTS:6.0以上
※学校のレベルによる
・TOEFL:45以上
・IELTS:5.0以上
※学校のレベルによる
入学方法・書類審査
・高校卒業後に直接入学
・2年制大学→3年次に編入
・書類審査
・高校卒業後に直接入学
内申点
(目安)
GPA3.0以上
※学校のレベルによる
GPA2.0以上
学費の目安
(年間)
約400万〜1000万約220万〜400万

とにかく専門分野の多さが魅力のアメリカの大学は、2年制大学と4年制大学合わせて国内に約4,400校以上あります。大学システムの柔軟性が高いことがポイントで、在学中に専攻を変更したり、他大学へ編入したりすることも可能です。

大学の種類は2年制のコミュニティカレッジやリベラルアーツカレッジ、4年制の総合大学などがあります。それぞれ特徴が異なり、学生のニーズにあわせて教育を行っています。このようにフレキシブルな教育制度が整っているところも魅力ですが、費用は他国と比較しても高めです。

2年制大学は入学条件がゆるやかであるため、語学力が未熟なうちはまずは2年制大学へ進学し、卒業後に4年制大学の3年次に編入できるシステムを上手に活用しましょう。

アメリカの大学受験についてはこちらで詳しく解説しています。

カナダの大学

4年制大学2年制大学
入学時期主に9月・1月
(学期区分による)
主に9月・1月
(学期区分による)
卒業期間4年2年
英語力
(目安)
・TOEFL:79以上
・IELTS:6.5以上
※学校のレベルによる
・TOEFL:45以上
・IELTS:5.0以上
※学校のレベルによる
入学方法・書類審査
・高校卒業後に直接入学
・2年制大学→3年次に編入
・書類審査
・高校卒業後に直接入学
内申点
(目安)
GPA3.0以上GPA2.0以上
費用の目安
(年間)
約350万〜約200万〜

カナダの大学システムはアメリカと似ていますが、90校以上ある4年制大学のほとんどが公立で、学校間のレベルに偏りが少なくハイレベルな教育を受けられるところがポイント。また公立大学が多いため、アメリカなどと比べると学費がリーズナブルです。

卒業後に最長3年間の労働ビザを取得することが可能で、卒業後にそのまま現地で仕事をすることもできます。カナダは州によって教育制度が異なるため、希望の大学がある州の情報確認しておきましょう。

カナダの入試対策についてはこちらで詳しく解説しています。

イギリスの大学

入学時期主に9月
卒業期間3年
英語力の目安・TOEFL:83以上
・IELTS:6.0以上
※学校のレベルによる
入学方法書類審査
または
GCE-Aレベル※を受験

出願資格は
短大卒業
または
大学1~2年以上修了後

高校卒業直後の場合はファウンデーションコースからスタート
学力の目安履修科目平均Bまたは良レベル
学費の目安(年間)約320万〜800万
(※イギリスの大学入学資格として認められている試験)

伝統と最先端が共存するイギリスは、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学などの超名門大学をはじめとするレベルの高い大学教育が魅力です。

一方で、職業専門教育を中心に行う「キャリア重視校」もあり、将来の目標に最短ルートで到達できるようなシステムも持っています。イギリスの留学生受け入れの歴史は約700年以上にも渡り、留学生のサポートも充実しています。

日本の大学のような一般教養課程がなく3年間で卒業が可能ですが、日本の高校を卒業後すぐに進学する場合は、大学準備コースである「ファウンデーションコース」を約9ヶ月間、大学入学前に受講する必要があります。

イギリスの大学入試についてはこちらで詳しく解説しています。

オーストラリアの大学

入学時期主に2月・7月
卒業期間3年
英語力の目安・TOEFL:79以上
・IELTS:6.0以上
※学校のレベルによる
入学方法書類審査
・日本の高校を卒業後、直接入学する
・日本の大学からオーストラリアの大学に進学する
・ファウンデーションコースを経て大学に進学する
・専門学校(テイフ:TAFE)でディプロマを取得してから大学に編入する
学力の目安履修科目平均Bまたは良レベル
費用の目安約320万〜

留学生を保護する法律があるオーストラリアは、留学生が安心して学べる代表国。大学のほとんどが公立のためレベルの偏りが少なく、世界ランキング上位の大学も数多くあります。日本の大学のような一般教養課程はなく、3年間で卒業が可能です。

一定の語学力を満たしているならオーストラリアの大学に直接入学することも可能ですが、一般的にはイギリス同様ファウンデーションコースを受講します。

大学に比べると入学審査が比較的ゆるめの専門学校(テイフ:TAFE)から大学に編入・進学する方法もあります。また日本の大学で一般教養課程を修了し、直接オーストラリアの大学に進学することも可能です。

自然豊かでアジアとの関係も強固なオーストラリアでは、環境学やアジアに特化したビジネス学などユニークな専攻があり、看護系や福祉系での留学生受け入れにも定評があります。

オーストラリアの大学入試についてはこちらで詳しく解説しています。

ニュージーランドの大学

入学時期主に2月・7月
卒業期間3年
英語力の目安・TOEFL:79以上
・IELTS:6.0以上
※学校のレベルによる
入学方法書類審査
・日本の高校を卒業後、直接入学する
・日本の大学からニュージーランドの大学に進学する
・ファウンデーションコースを経て大学に進学する
・専門学校(ポリテクニック)修了後、大学に編入する
学力の目安履修科目平均Bまたは良レベル
費用の目安(年間)約270万〜

英語圏のなかでは比較的費用がリーズナブルに抑えられるニュージーランドの大学留学。ニュージーランドの大学は国立総合大学が8校のみで、少数精鋭・質の高い大学レベルを保つという政府の方針の下、高い教育水準が保たれています。

おおらかな国民性で留学生活も過ごしやすく、勉強の合間に雄大な自然やアウトドア・スポーツを楽しむことも可能で、リラックスしながら充実した大学生活を送ることができるでしょう。

ニュージーランドもオーストラリアやイギリス同様3年間で卒業が可能ですが、一般的にはファウンデーションコースを受講します。入学審査が比較的ゆるめの専門学校(ポリテクニック)でディプロマを修了後、大学に進学する方法もあります。ニュージーランドのポリテクニックもすべて国立です。

ニュージーランドの大学入試についてはこちらで詳しく解説しています。

海外大学留学で、なりたい自分に近づこう!

専門分野の履修に加えてグローバル感覚を養うことができる海外大学留学。海外大学留学は専攻のチェンジや編入など、大学自体の制度がフレキシブルであることが多く、履修の途中でほかの勉強をしたくなっても安心です。

また母国ではない環境で親や家族と離れ、異文化の中で過ごす大学生活は、自主性やコミュニケーション能力なども養ってくれるでしょう。

海外大学留学で、なりたい自分を目指して大きく羽ばたいてくださいね。

(留学プレス編集部)

海外の大学
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