留学やワーキングホリデーで海外に滞在する際、アパート暮らしやホームステイなど、どの形態で住もうか迷うことはありませんか?ここではドイツでの住み方について、滞在先を選ぶ際に参考になるポイントを紹介します。
ルームシェア
1つの家を何人かで借りて一緒に住むことをドイツではWG(以下WG)と呼んでいます。個人の部屋はそれぞれありますがそれ以外は共同スペースになり、掃除やゴミ出しなど住居人同士でルールを決めて行うというもの。友達やカップル同士で一緒に住んだりするものもあれば、全く知らない他人同士が住む事もあります。
入居者の募集はウェブサイトや大学の掲示板、地元の新聞などで行われています。気に入った物があれば連絡をしてアポを取り、部屋の見学や、既に住んでいる住居人または大家さんとの面接を行います。この時にお金関係(電気代・インターネット代はどの様に払うのか、食材など個人で買うのか、または共同で買うのかなど)について詳しく聞いておく事が重要です。
入居の際にはデポジット(通常は家賃の2~3か月分)を支払います。デポジットは退去の際に何も問題がなければ返してもらえます。
WGの良い所は、寂しい思いをしなくて良い事。特に初めての土地で誰も知り合いがいない場合、同居人の存在はとても心強いです。仲良くなれば一緒に出掛けたり、日本が好きな人なら帰国後に日本まで遊びに来てくれることだってあります。またドイツ人が一緒に住んでいる場合、時間のある時にドイツ語を教えてもらったり、会話の練習相手になってもらう事も可能です。
更にネット回線が既に整っている、食器や家電などが揃っていてすぐに生活できるという点は、WGの便利な所です。
逆に悪い点は、同居人との相性が悪かったり、家のルールに納得できないとストレスが溜まる事でしょうか。
例えばキッチンの使い方が汚く、使った後もすぐに片付けない、同居人がしょっちゅう恋人を連れてきて何だか気まずい、パーティーばかりでうるさいなど、始めはしょうがないなと思っていてもしだいにストレスが溜まっていきます。これらは話し合いで解決できる事もあれば、なかなか直してもらえない場合もあるのです。
ともあれ、慣れない土地で頼れる人がいるという安心感は重要ですよね。もし長期滞在で1人暮らしをしたい場合は、初めにWGに住み、慣れてきたら1人でアパートを借りるというのも良い方法です。
1人でアパートを借りる
これは日本で一人暮らしをするのと同じです。探し方はWGとほぼ同じですが、不動産会社を通じて探してもらう事も出来ます。
1人暮らしでは何でも自分の好きな様に出来、他人に気を遣う事も無いのが良い点です。シャワーの順番を待ったり、深夜に帰ってきた時の音で目を覚ますなんて事もありません。
しかし1人暮らしは住み始めるまでが大変です。まず家探しの際に、外国人という理由で大家さんからあまり良い顔をされない事があります。また大都市や人気のあるエリアでは1つの物件に対して大勢の志願者がいる為、気に入った部屋でもなかなか自分の手に入らないのです。
無事に入居が決まっても、ネット回線を手配したり、家具付きでない場合は買い揃えたりと、仕事も多いです。
最初に苦労が多いものの、それを全部片付けてしまえば、後は自由に生活をすることが出来ます。家具を買いたくない場合は、家具付き物件に絞って探すのがお勧めです。
ホームステイ
ホームステイは語学学校で斡旋している所がほとんどです。小さい子供がいる家庭もあれば、子供が独立して部屋が空いているので受け入れをしている夫婦、一人暮らしをしているドイツ人など、受け入れ先の家庭の形は様々です。
食事付きであるかないかも、契約内容によって変わってきます。食事付きでない場合はキッチンを借りて自炊をしなければなりません。
ドイツ人が実際にどの様な生活をしているか興味があれば、ホームステイは役に立つでしょう。しかし、休日など子供を連れて出かける際に一緒に連れて行ってくれる家庭もあれば、部屋だけ提供してお互いに干渉しなかったりする家庭など、様々です。
このように、ホームステイはWGと似ている点も多くあります。しかし「住まわせてもらっている」という感覚から、色々な面で遠慮をしてしまうのも事実です。シャワーのタイミングや、遅くに帰宅した際の音など、些細な事に気を使ってしまいます。
ホームステイで大切なのはとにかく喋るように努力する事です。あまり干渉してこないファミリーでも、家の中にいればどこかで顔を合わせますよね。その時に一言ふた言、恥ずかしがらずに話す事が大切です。
学生寮
学生寮に住むのは交換留学生または正規で留学をする学生に限られますが、雰囲気が分かる様その特徴を紹介します。
学生寮は学生相互会で紹介をしてもらえ、WGタイプと完全個室の1人暮らしタイプの2つがあります。WGタイプの場合は同居人を選ぶことが出来ず、いい人に当たるかは運次第です。大体建物の中に共同フロアがあり、週末はよくパーティーが行われています。
アパートを借りるよりも家賃は比較的安く、WGタイプの場合はドイツ人学生や他の留学生とも交流が持てるというのが学生寮の魅力です。
しかし学生寮は当たりはずれも大きく、大学に隣接している物もあれば、だいぶ離れた不便な所にある寮もあります。新築で綺麗な所がある一方で古くて壁が薄い建物もあるのです。
そのため、もし交換留学などで先に行っている知り合いがいる場合は、寮の様子について聞いてみるのが安心です。それを踏まえた上で紹介してもらえば、到着してビックリなんて事にもならないでしょう。
いかがでしたか?4つの住み方を紹介しましたが、自分がどんな生活をして何を得たいか考えてみれば、どこが適しているかが分かってくると思います。色々と不便な事もあったりしますが、それもまた留学の醍醐味ではないでしょうか。
文:アサミ セベリーニ(ドイツ在住ライター)
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