みなさんはヒュッゲ(Hygge)という言葉を聞いたことがありますか?
毎年、世界幸福度ランキングで上位に位置するデンマーク。ヒュッゲはそんなデンマークに根付く伝統的な文化です。近年日本でもヒュッゲのライフスタイルがブームになりつつあり、関連書籍が多く出版されています。
今回はヒュッゲについて、デンマーク人のインタビューを交えながら、デンマーク留学中の筆者の視点からご紹介します。
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ヒュッゲとは?
デンマーク人のお宅にお邪魔すると別れ際によく「とてもヒュッゲだったよ。(Det var meget hyggeligt.)」と言われます。
一般的にヒュッゲは「居心地の良い時間や空間」とされています。他の国の言語では言い表しきれないデンマーク特有の概念であると言われています。日本では、ヒュッゲな時間を過ごす方法として「キャンドルを灯す」「コーヒーとお菓子を楽しむ」と紹介されていることがあります。
確かに、デンマークではレストランにも家庭にも必ずと言って良いほどキャンドルがあり、素敵な雰囲気を演出しています。また、デンマーク人はカフェが大好き!街のいたるところでお茶を楽しむ人々を目にします。
しかし、それはあくまでも目に見える形のお話。デンマーク人の大切にするヒュッゲの文化について、デンマークの人々に聞いてみました。
デンマーク人に聞いてみた。「あなたにとってヒュッゲとは?」
実際のところデンマーク人はヒュッゲについてどう考えているのか?デンマークの人々にインタビューしてみました。
「あなたにとってヒュッゲとは?」
・何も心配することなく、心から楽しんでいる瞬間
・居心地が良くリラックスした状態
・自分の好きなことに時間を費やす積極的な選択
「どんな時にヒュッゲを感じますか?」
・例えば、家族と一緒に散歩をしたり食事をしている時や、友達と映画を観たりピクニックをしている時。一人でゲームをしたり、本を読んでいる時にも感じる。共通点はリラックスして何も心配することなく、その瞬間を楽しんでいる時に感じる。
・家族や友達と過ごしている時だけでなく、一人で居る時にも感じる。大切なのは誰といるかよりも、自身の時間を自分にとって居心地の良い環境で、自分のしたいことをしているということ。
「自身のライフスタイルにどんな影響を与えていますか?」
・毎日ヒュッゲを感じられるように、リラックスする時間を大切にしている。
・日々の過ごし方に影響を与えている。例えば、週末周りの友達はパーティーに出かけているけど、自分は家でのんびりする方が好きだし、ヒュッゲを感じられる。
誰でもできるヒュッゲなライフスタイル
インタビューから見えてきたヒュッゲのカタチ。ヒュッゲとは、外から与えられるものではなく、個人の内から生まれるもの、つまり「幸せを探求する積極的な行為」なのではないでしょうか。
何が「居心地の良くリラックスした瞬間」なのかは人それぞれ。その瞬間自分が何をしたいのか、誰と居たいのか、自分に問いかけて選択すること。その積み重ねがヒュッゲなライフスタイルに繋がっていくのかもしれません。
「個人」を大切にし、自分と向き合うことが得意なデンマーク人から生まれたヒュッゲの文化。皆さんも忙しい毎日にブレーキをかけ、自分なりのヒュッゲな時間を持ってみてはいかがでしょうか?