7月1日の「カナダ・デー(Canada Day)」 はカナダという国が生まれた日(カナダの建国記念日)。国民の祝日に制定されているこの日、カナダ人はどんなことをして過ごすのかをご紹介しましょう。
Canada Day当日。カナダ人は「真っ赤」に染まる。
まずはカナダ人の旦那にCanada Dayは何をする日か尋ねてみました。すると「何か赤い物を身につけて、ビールを浴びる程飲む日」という答えが返ってきました(笑)。
Canada Dayは街中にカナダ国旗が掲げられます。顔にメープルリーフのペイントを施した人、普段絶対着ないような「CANADA」と大きく書かれたTシャツを着た人、赤い服やスカーフを身につけた人、国旗をそのままマントにしている人など、大勢の「真っ赤な人」が街に繰り出します。パレードやお祭り、野外コンサート、カナダ軍による航空ショー、花火など国中至る所でイベントが目白押し。
首都オタワにある国会議事堂前のパーラメント・ヒルでは、カナダ総督と首相が参加する記念式典が行われ、毎年ではないもののエリザベス女王を始めイギリスの王族が参加されることもあるとか。夜には2000発以上の花火と音楽を使ったショーが予定されています。
トロントのアッシュブリッジズ・ベイパークで行われる花火も人気のイベントの一つ。カナダで花火が楽しめるのは祝日など限られた日だけ。そのためCanada Dayにはここぞとばかりに、沢山の花火が打ち上げられます。バンクーバーのグランビルアイランドやカナダプレイスも、一日中イベントで大賑わい。この日は、普段火の消えたオリンピックの聖火台に火が灯されるそうですよ。
またお祝いのイベントだけではなく、新しくカナダ国民となった移民の公民宣誓式もこの日に行われるそうです。カナダの誕生日に新しいカナダ国民の誓いを立てるというのは、当事者に取って感慨深いものがありますね。
カナダが生まれたのはいつ?
1800年代まで、カナダはイギリスの植民地でした。1867年7月1日、イギリス議会が定めた英領北アメリカ法によって当時そこにあった3つの植民地が統合され、「自治領」に認定されました。
これは「国家元首はイギリス国王とするが、独自の議会と政府を持って自治を行っていいですよ」ということです。このことを記念して制定されたのがCanada Day。今年で149歳のカナダは、日本に比べるとまだまだ若い国なのですね。
今でもカナダはイギリス連邦の一員であり、「連邦立憲君主制」の国家。現在のカナダ国王はイギリス女王のエリザベス2世で、カナダの紙幣や硬貨には女王の肖像画がデザインされています。恥ずかしながら私は旦那と結婚するまでカナダのことを何も知らなかったので、初めてカナダドルを手にした時「何故エリザベス女王?!」と不思議に思ったものです。
【番外編】Canada Dayは引っ越しの日。
国中がお祭り騒ぎに包まれるCanada Dayですが、ケベック州では別のことで大忙し。この日は「引っ越しの日(Moving Day)」と呼ばれ、新居への引っ越しトラックで街中がいっぱいに。ケベックではほとんどの賃貸物件の契約期限が6月末に設定されているため、この日に引っ越しをする人が多いのだそうです。
多くのカナダ人にとってCanada Dayは、国民としての誇りと嬉しさが詰まった大切な日。来年の記念すべき150歳の誕生日には、更に盛大なイベントが用意されること間違いなし。是非、現地で体験してみてくださいね!
文:Ayako Laboucane(元英会話講師トレーナー)
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