イギリスの歴史的陰謀事件を思い出す日「ガイフォークスナイト」とは?~中島香(フィリピン在住ライター)

イギリスでは年に一度、各地で花火が行われる日があります。語学学校で英語を勉強していたり、長期滞在していると必ず聞くことになる名前がガイ・フォークス(guy Fawkes)にちなんだイベントです。
 
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Photo from Flickr Guy Fawkes’ Fireworks (2)( Kristina D.C. Hoeppner)
 

ガイ・フォークスナイトとは?

時はさかのぼり1605年、ロンドンのウェストミンスター宮殿内の議事堂にて王と政府要員人物殺害を図った火薬陰謀事件が起きました。ロバート.ゲイツビー率いるカトリック陰謀グループの一員として、火薬の管理、爆弾の導火線に火をつける筈だったのがこのガイ・フォークスです。11月5日に議事堂の隣の地下室にて逮捕され、その後処刑されたというイギリスの歴史上欠かせない存在です。
 
イギリスでは、この事件が陰謀で終わった事によって爆破される事もなく、王も無事だったことを祝い、毎年11月5日をガイフォークスナイトと称して焚き火をする習慣があります。
 
有名な所はイースト・サセックス州ルイスで行われる祭りです。今ではガイ・フォークスなる藁で作られた人形を篝火で焼くという昔ながらの祭典をしています。出店や屋台なども出て本格的なお祭り騒ぎです。
 

現在のお祭り模様

最近では街も改装され、住宅街では焚き火禁止令等が相ついている為、ひっそりとこの祭りを楽しむ人々が増えています。
 
大きな街などでは仮装している方や打ち上げ花火などをする所もあるようです。しかし、ガイフォークスナイトの前週に行われるハロウィーンと比べると、仮装行列は少ない模様。元々イギリスではアメリカのようなハロウィーンの盛り上がりはほとんど無かったのですが、最近のパブではハロウィーンかガイ・フォークスの装飾かで悩むことがあるそうです。
 

時代背景、思考の変化

昔はガイ人形なるものを作り、火で燃やすという習慣でした。しかし、やはり時代と共にヒューマンライト・自由思考を持つイギリス人にとっては、たとええ文化とはいえ人のなりをした人形を燃やす事に対して反感を持つ人々もいるのが現実。文化伝承に関してはきちんと子供たちに歴史背景の説明をしていますが、実際に人形を燃やす場面を見せる事はしない傾向が出てきているようです。
 
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Photo from Flickr Lewes Bonfire Night 2007 – Burning Crucifixes(Dominic Alves)
 
そのため、とても有名な割にはとても地味でもあるという、不思議なお祭りになりつつあるようです。
 
よく見られる光景としては、各家族や友人と共に集まってバーベキューをしたり花火を楽しむ姿。子供たちにとってはとても楽しい祭りで、このガイフォークスナイトにはパン食い競争や、バケツにりんごを浮かして口でりんごを取るゲームなどをしたり、りんご飴を食べながら花火を楽しむイベントです。
 

イギリスの時代背景から楽しむ

有名な日でありながら祭り実態の少ないこの11月5日。日本から来た私たちは、どのように過ごしたら良いでしょう。
 
西洋歴史に興味のある方なら是非とも近所にあるパブへ繰り出して、色んな人にガイ・フォークスについて聞いてみてください。
 
このイギリスで有名なガイ・フォークスには色々な説があり、話し手によっては自分が描いた人物像とははるかに変わってしまう程面白い発見があったりもします。
 
幾度となくタイムスリップが可能なイギリスの建築物を眺めながら、時代を越えて陰謀説を想像しても面白いのではないでしょうか。
 
文:中島香(フィリピン在住ライター)
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