アイルランドの国技、ハーリング(Hurling)とゲーリックフットボール(Gaelic Football)。日本では、あまり知られていないスポーツでしょう。しかし、アイルランドでは、国民が熱狂する2大スポーツです。
自国の伝統的なスポーツと文化を普及させることを目的とするゲーリック体育協会が、ハーリングとゲーリックフットボールの各州別対抗の大会を運営しています。9月に行われるそれぞれの決勝戦では、アイルランド最大で8万人収容のクロークパークが満席になるほどの熱狂ぶりです。
ハーリングが盛んなのは、平地が比較的多い地域で、ゲーリックフットボールは、岩場などの多い地域といわれています。
本記事では2回に渡って、この2大ゲーリックスポーツ、ハーリングとゲーリックフットボールをご紹介していきます。初回の今回はハーリング。迫力満点のハーリングについてお届けいたしましょう。
驚きのスピードは時速150km!世界最速のフィールドスポーツ、ハーリング
ハーリングの魅力はそのスピード感。ボールを打った時のスピードは、なんと時速150kmに達するとも。そのため、世界最速のフィールドスポーツといわれています。
女性版のハーリングは、カモギー(Camogie)と呼ばれています。
ハーリングの概要
■人数
1チーム15人
■用具
長いしゃもじのような木のスティック
テニスボールより少し大きい革のボール
■時間
前半35分、後半35分 計70分
■コート
サッカー、ラグビーより大きいフィールドを使用
■得点
ゴールネットの上に、H型クロスバーが設置
打ったボールがクロスバーを越えれば1点、ゴールすれば3点
ハーリングのルール
ボールを手に持って移動できるのは、4秒、または4歩。ボールをスティックに乗せていれば、何歩でも自由に走ることができます。但し、かなりのスキルが必要となる技です。
地面に落ちたボールは、手ではなく、スティックで拾い上げなくてはなりません。また、タックルは可能ですが、スティックで相手をたたくことは禁じられています。
しかし、故意ではなくても、硬いスティックが顔や体に当たってしまうと、流血することも。そのため、強制ではありませんが、ヘルメットを着用する選手が多いです。
ハーリングの強豪チーム
毎年のように上位を争うのは、キルケニー(Kilkenny)、ティペラリー(Tipperary)です。キルケニー州の色は、琥珀と黒。ティペラリーは、青と黄。
最近は、ダブリン郊外の公園などでも、ハーリングのスティックを持って遊ぶ子供たちの姿を目にします。サッカーやラグビーだけでなく、ゲーリックスポーツに興味を持つ人が増えているようです。
・Hurling Moments – Championship 2019
試合時間ラスト5分で同点になった手に汗握る強豪同士の対決
・Last 5 Minutes Of Kilkenny v Tipperary – 2014 Hurling Final
迫力満点のハーリング。日本で目にする機会はまだ限られていますが、ぜひ動画サイトやCSチャンネルなどで楽しんでみてください。