海外に長期滞在していると、気になるのは病気になった時はどうするかということです。留学生ならば保険に入っているべきですが、受診の仕方や保険の活用法を知っておくことが大切です。今日は、私の住むドイツのケースを紹介します。いざという時のために病気になった時の対応を考えていきましょう。
まずはかかりつけ医に受診する
ドイツでは、まずはかかりつけ医を受診します。
しかし、海外でかかりつけ医がいない方も多いでしょう。そのときは近所で評判のいい医療機関を訪ねます。ドイツでは予約制のところも多いので、緊急でない場合は予約した方が無難です。
予約なしで受診できる時間は限られているので、ホームページで調べてから行きましょう。
▼筆者のかかりつけ医の受診時間。
「Sprechzeiten ohen Termin」と表記されているのが、予約なしで受診できる時間です。
日本の保険加入者は病気になる前に確認しておく
ワーホリ中や語学学生の方は、日本の民間保険に入っていますよね。その方は保険会社と提携している日本語ができる医者を手配してもらえる場合もあります。 緊急でなければ保険会社のサポートを受けると安心です。時間がかかることもあるので、ご注意を。
できるだけ早く受診する必要があるのであれば、事前に病院に電話をし、民間保険が効くか確認しておくことをおすすめします。また、受診する前に保険会社の規約を見て、後日の治療費の請求に必要な書類を確認しておくことも大切です。
救急を受け付けている病院をチェック
ドイツでは救急車が有料なので、救急車を呼ぶときは基本的に重症の場合に限られます。そのため、救急車を呼んで病院を手配してもらうことはあまり多くありません。
夜間に体調不良になったときなどに備えて、近所の救急外来を受け付けている大型の病院はあらかじめチェックしておきましょう。その時のために、タクシーを呼ぶ番号を控えておくとより安心です。
専門医は紹介状がないと受診できない
日本だと、アトピーなら皮膚科、骨折なら内科、など専門が分かれていますが、ドイツだと専門医の元に初診で直接行くことはあまりありません。最初にかかりつけ医に受診して、専門医へ紹介状を書いてもらうことが主流です。
わたしは甲状腺に疾患があるのですが、甲状腺の専門医にかかるときも紹介状が必要でした。また、虫に刺されて炎症した日の夜に救急外来を受診した時も、後日のために皮膚科の専門医を紹介されました。
とにもかくにも、ドイツではまずはかかりつけ医、なのです。
薬には処方箋が必要
市販の風邪薬などは処方箋がなくても購入できますが、多くの医療品には処方箋が必要になります。その処方箋も、必要となればかかりつけ医が書いてくれるので、それを持っていけば問題ありません。
日本では処方箋がなくても買えるアレルギーやホルモン系の薬でも、ドイツでは処方箋が必要なこともあります。専門的な医療品が必要な場合はまずはかかりつけ医にかかりましょう。
▼「APOTHEKE=薬局」。「A」という大きな目印も薬局のマーク。
住んでいる国のの医療システムを理解しておこう
健康第一とはいえ、生活している中で予期せぬトラブルはつき物です。事前に調べられることを調べておいた方が安心ですね。いざという時に慌てずに済むように、「かかりつけ医」と「保険」、ぜひすぐに調べてください。
文:雨宮紫苑(ドイツ在住フリーライター)
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