南イタリアの結婚事情。「指輪は友人が買う」「濡れると幸運」

数ヶ月前に南イタリアで結婚いたしました。遠く離れた地で結婚するんだから何かしら驚く事やイタリアならではのことがあるんだろうなぁと少し覚悟はしておりましたが、色々ありました。

たとえば、結婚指輪。日本では結婚する本人たちが用意するものですが、イタリアでは必ずしもそうではありません。

その他にも、結婚に納得のいかない人からの申し出を受けるための猶予期間があったり、イタリアならではの言い伝えがあったり、イタリアの結婚事情は日本で見聞きしていた結婚とは違う点があります。

本記事ではその経験を踏まえて、南イタリアの結婚事情をお届けいたします。

コムネ(市役所)との取り決め

私たちは宗教の関係もあり、教会で挙式を挙げずにコムネ(イタリアの市役所)で結婚をしようということに決めました。

婚姻のための書類を提出すると場所を選択するようにと言われました。1箇所はその役所の中、もう1箇所は近くの街の広場にある建物の2階でした。

その2階というのが、んーどう見ても会議室。役所の方はこの場所がオススメのようでしたが、兎にも角にも、役所の中よりは良いと言うことで、会議室を選びました。

記念日の関係で、土曜日に婚姻をしたかった私達。申し出たところ、市役所婚であっても「土日は2倍のお値段です」とのこと。さながらホテルや飛行機です。

イタリアの結婚には掲示期間というものがあります。書類提出後2週間は婚姻ができません。その期間に私たちの婚姻に納得がいかない人は申し出ができるのです。

コムネのウェブサイトに私達の名前があがっておりました。私達はありがたく、何の連絡も受けず無事に結婚することができました。

ドレスについて

さて、女の子の楽しみのひとつがドレス選びです。イタリア人のお友達に付き合ってもらいいくつかのお店を回りました。

日本では結婚式場や結婚式会社でドレスをレンタルできますが、イタリアでは基本レンタルはされません。

価格的には物によるものの、日本よりは安価な物が多くあります。

お好みのドレスをいくつか選んだ私は、店員さんと共に試着室へ。恥ずかしいなんて思っている暇がないほどの手際の良さですっぽんぽんにされ、そそくさとドレスを着させられました。

指輪について

日本では結婚指輪は本人たちが買うのが一般的。ところがここイタリアでは必ずしもそうではないのです。

私たちの婚姻の証人であるお友達から「結婚指輪を買いたい」と申し出がありました。

「これは私たちの結婚の証だから、もちろん私たちが買う」と断りましたが、友達も引きません。それが伝統的なやり方なのだそうです。

言い伝え、迷信(superstition)

たとえば、“結婚式当日、式までは絶対に顔を合わせてはいけない”など、結婚にまつわる言い伝えは様々な国に存在します。日本でも、おばあちゃんたちはよく気にしていているものです。

イタリアでは私たちの年代でもみんなこの言い伝えをしっかり守るようです。“濡れた花嫁は幸運”と言う言い伝えもあり、たまたま婚姻後に雨が降って少し濡れた私はラッキーだとイタリアのマンマ(彼のお母様)が教えてくれました。

決まりよりも思いやり

役所から、コロナが蔓延しているので証人の方々と新郎新婦のみになりますと言われていました。しかし親が結婚式に出席出来ないとは、流石にコロナ禍でも…と問い合わせたところ、両親はオッケーですとのこと。

当日はさらにお姉さん夫婦、おばさん、仲良い友達の家族まで出席できました。

会議室で開催予定だった挙式は、彼の希望で素敵なバルコニーにセットされていました。日本では決まりは決まりです。イタリアの方々は決まりよりも感情を大切にすることが度々見られます。

場所が違えば文化も違う。文化が違えば私たちが当たり前と思っていることも違うことを婚姻を通して実感させられました。

もしイタリアで結婚式に遭遇したら「あのドレスはどんな風に試着したのかな?」「みんなから納得されて2週間の掲示期間を終了できたのかな?」など、そんなことも思いめぐらせてみてはいかがでしょうか。

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