イギリス中部、サウス・ヨークシャー州シェフィールド市にあるシェフィールド大学(The university of sheffield)。イギリスの名門研究大学が集まるラッセル・グループのメンバー校として、研究分野での実績には定評があります。
ノーベル賞受賞者も輩出し、大学ランキングではイギリス・世界でトップクラスの順位を誇ります。
国際的な側面が濃く、学生の約37%は外国人留学生です。学生同士の活動が盛んなため様々なタイプの学生たちと交流が持て、学生の満足度が高い大学として知られています。
本記事では、シェフィールド大学の学部、強い分野、卒業生をはじめとした基本情報に加え、偏差値やランキング、学費、留学方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『留学プレス』留学生記者/小島なお(イギリス在住フルタイムワーカー兼ライター) テーマ:イギリス、留学 イギリスを含め海外生活は10年以上。 ファッションを勉強したことがきっかけで、イギリス・ロンドンに強い憧れを抱き渡英[…]
シェフィールド大学基本情報
シェフィールド大学の場所
シェフィールド大学は、イギリス中部のサウス・ヨークシャー州シェフィールド市にあります。シェフィールド市中心部から大学までは約1.6km離れています。シェフィールド大学は約1.6kmにわたって複数の大学施設を有する建物で構成され、大学の敷地は小さな町のような雰囲気です。
シェフィールドは坂道の多い緑豊かな丘陸地です。
イギリス第5位の人口を持ちながら、イギリスの主要都市と比べるとゆったりした雰囲気があります。2020年発表の指標では「学生にとって最もリーズナブルな都市」と評されています。(英国金融機関ナットウェスト調べ)
マンチェスターやバーミンガムなど大都市から車で約1時間弱、ロンドンからは電車で約2時間の距離にあり、各地までアクセスがしやすいです。
トップ大学が名を連ねる赤レンガ大学群のメンバー
赤レンガ大学群とは、その名の通り赤いレンガの校舎を特徴とした大学が集まっているイギリスの大学グループです。
メンバーはシェフィールド大学を含め7大学で、すべて1800年代終わり〜1900年代初頭に設立された歴史ある大学ばかりです。
また、メンバーのうち7大学は研究型公立大学24校で形成されるラッセル・グループの加盟校でもあり、研究分野で活躍するイギリストップクラスの大学です。
シェフィールド大学はこうしてできた
昔のシェフィールド大学は、3つの教育機関で成り立っていました。1828年設立の医学学校、当時の主要産業であった鉄鋼業を支えるためのテクニカル・スクール、芸術科学分野のファース・カレッジです。
シェフィールド市はシェフィールド大学へ多額の寄付を行い、それに応えるように大学は地域の経済発展へのサポートを行ってきました。そして、1905年に3つの教育機関から独立した王室御用達のシェフィールド大学が誕生しました。
ノーベル賞受賞者も輩出!
シェフィールド大学は、ノーベル賞受賞者を含む偉大な人物を輩出してきました。以下に著名な卒業生の一部をご紹介します。
- リチャード・ロバーツ(ノーベル生理学・医学賞)
- ハリー・クロート(ノーベル化学賞)
- ジョージ・ポーター(ノーベル化学賞)
- ジム・オニール(BRICs提唱者)
- ヘレン・シャーマン(イギリス人初の宇宙飛行士)
- ジェシカ・エニス・ヒル(オリンピック金メダリスト)
そのほかには政治家、科学者、作家、ジャーナリスト、コメディアンなど多岐にわたります。
スポーツが盛ん
シェフィールドはスポーツが盛んで、主に「クラブ・スポーツ」と呼ばれる公認クラブと、もっと気軽な「キャンパスリーグ」があります。
「クラブ・スポーツ」には57ものスポーツクラブがあります。定期的に地域や他の大学との大会も行われ大変盛り上がります。
そのほか、学生、スタッフ、卒業生なら誰でも入部OKのスポーツアクティビティ「キャンパスリーグ」もおすすめです。学期中に毎週試合がありますが、練習は義務ではないため気軽に参加できます。
アクティビティを通してクラスの外でもたくさんの人たちと交流が持て、特別で忘れがたい経験となるはずです。
シェフィールド大学の学部
Arts and Humanities Hub by John Lord
シェフィールド大学には芸術/人文科学、工学、医学/歯科/ヘルス、サイエンス、社会科学の5つの学部があります。
そのほか国際学部が提携先のギリシャ・テッサロニキ市にあります。
各学部の内容は以下をご覧ください。
芸術/人文科学 | 考古学 東洋学 英語 歴史 言語/文化 音楽 哲学 宗教 |
工学 | 自動制御/システム工学 土木/構造工学 化学/生物工学 コンピューターサイエンス 電子/電気工学 機械工学 材料科学/工学 |
医学/歯科/ヘルス | 健康/人間科学 看護 視能訓練 会話/言語療法 ヘルスケア 歯科衛生/歯科治療 |
サイエンス | バイオサイエンス 化学 数学/統計 物理学/天文学 心理学 |
社会科学 | 建築 経済 教育 地理学 ジャーナリズム 法学 マネージメント 政治/国際関係 社会学 都市研究/計画 |
国際学部 ※ギリシャ・テッサロニキ市 | 経営/経済学部 コンピューターサイエンス学科 心理学研究科 英語学科 エグゼクティブMBA |
強い分野
シェフィールド大学の図書館情報学は2024年度QS科目別世界ランキングでトップに選出されています。
▼世界TOP50に入っている科目
・図書館情報学
・考古学
・建築
▼イギリス国内TOP10に入っている科目
・建築
・看護・助産
・都市計画および景観デザイン
・製造・生産工学
・コミュニケーションとメディア研究
・児童・青少年学
・材料技術
・航空・航空宇宙工学
・一般工学
・言語療法
・機械工学
・アジア研究
・電気・電子工学
・生物医学
・音楽
・歯科学
・検眼学・眼科学・矯正学
シェフィールド大学の研究力
シェフィールド大学の生理学・医学の研究分野には長く定評があり、私たちの生活に役立つ研究が日々行われています。
6年ごとに発表されるリサーチ・エクセレンス・フレームワーク(REF*)2014年版では、シェフィールド大学はイギリス国内大学のうち上位10%の評価を得ました。この評価はラッセル・グループのメンバーの中でトップ10内です。
(*REFは研究成果と質、研究の影響力、研究環境の質、貢献度などを軸に評価しています。)
抗生物質・ペニシリンを抽出したことで知られるハワード・フローリーも、シェフィールド大学で研究を行いました。
シェフィールド大学の研究者からは、以下にご紹介するノーベル化学賞受賞者や、偉大な作家や政治家、考古学者、哲学者も生まれました。
▼ノーベル化学賞受賞者
- ハワード・フローリー(ペニシリン抽出/ノーベル生理学・医学賞)
- ハロルド・クロトー(フラーレン発見/ノーベル化学賞)
- ハンス・クレブス(ノーベル生理学・医学賞)など
シェフィールド大学の研究機関は、優れた教育、研究活動に贈られるクイーンズ・アニバーサリー賞も受賞しています。同賞は2年に一度エリザベス女王によって授与され、イギリスの教育機関に与えられる大変格式の高い賞で、国家栄誉賞にあたります。
シェフィールド大学のレベル/偏差値
Firth Court entrance, by Lee Haywood
偏差値の概念がないイギリスでは、大学の質や格付けについては大学ランキングが参考になります。
シェフィールド大学のイギリス国内ランキングと世界ランキングを以下にご紹介します。
シェフィールド大学のランキング
【国内ランキング】
【世界ランキング】
難易度
シェフィールド大学は、イギリス国内はもとより世界ランキングでもトップ100位以内にも選ばれていることから、ハイレベルな大学です。
日本とは入試制度が異なるため単純比較はできないものの、シェフィールド大学と近いランキングの日本の大学には東北大学(QSランキング107位)、名古屋大学(QSランキング152位)などがあります。
日本からの留学経験者の中には、「クラスメイトたちの知識・学力レベルがとても高く驚いた」「自立心としっかりとした志を持って学業と向き合っている学生が多い」との声もありました。
大学合格への最短ルートを知ろう!
世界にはトップランク大学から比較的入学しやすい大学、仮合格制度がある大学、芸術大学、公立と私立…などなど、いろんな大学があります。
予算や学部、校風に合わせた大学選び、そしてその大学に合格できる最短ルートを作れるよう、あなたに適した留学資料を留学各社からお届けします!
シェフィールド大学への留学方法①大学・大学院準備コース
Spiral staircase in The Diamond
Inside the University of Sheffield’s new £81M learning space
by artq55
「日本で高等学校を卒業し、すぐにイギリスの大学へ進学したい!」という人は、まずはファウンデーションコースと呼ばれる大学準備コースを経てから学士課程へ進学することになります。
「ファウンデーションコース(Foundation Course)とは、高校を卒業した学生が海外の大学に進学する際に必要となる準備コースのこと。大学に入学する前に受講する1年間のプログラムです。 特に、日本と異なる教育制度を持つイギリ[…]
シェフィールド大学が提供する大学準備コース(インターナショナル・ファウンデーション・イヤー)は1.5学期〜2学期の期間の集中コースです。
優秀な成績でファウンデーションコースを修了することで、学士課程1年次へ進学できます。
このコースでは主に、英語力と大学の授業についていくためのスキル(リサーチの方法や、エッセイの書き方など)を鍛え、志望学部についての知識を深めていきます。大学入学前にイギリスの教育システムや大学生活に慣れることもできます。なお、シェフィールド大学の大学準備コースは、日本の提携機関での受講も可能です。
シェフィールド大学の大学院へ進学を希望する21歳以上の人へは、修士課程準備コースも用意されています。
内容と出願要件
インターナショナル・ファウンデーション・イヤー
①ビジネス/社会科学/人文科学
英語力 | 1.5学期コース:IELTS 6.0、全項目で5.0以上 2学期コース:IELTS5.0、ライティング5.0以上、その他の項目で4.0以上 |
成績 | 高等学校の成績が平均3.0 数学Aのグレード4もしくは数学2のグレード3 |
②歯科学
英語力 | IELTS 6.5、全項目で6.0以上 |
成績 | 高等学校の成績が平均3.0 数学Aのグレード4もしくは数学2のグレード3 |
③サイエンス/工学
英語力 | 1.5学期コース:IELTS 6.0、全項目で5.0以上 2学期コース:IELTS5.0、ライティング5.0以上、その他の項目で4.0以上 |
成績 | 高等学校の成績が平均3.0 数学Aのグレード4もしくは数学2のグレード3 |
修士学準備コース
①ビジネス/社会科学/人文科学
②サイエンス/工学
英語力 | 1.5学期コース:IELTS 6.0、全項目で5.5以上 2学期コース:IELTS5.5、全項目で5.5以上 |
成績 | GPA2.5/学士号成績平均60% |
大学/修士号準備コース出願者のための英語コース
シェフィールド大学では、大学準備コースへ出願するのに必要な英語スコアが足りない学生のための英語集中コースも設けています。
期間は1学期または2学期で、大学準備コースからいきなりスタートする自信がない方にはぴったりのコースですので、検討してみてください。
▼大学準備コース前の英語コース
英語力 | 1学期コース:IELTS 4.5、全項目で4.5以上 2学期コース:IELTS4.0、全項目で4.0以上 |
成績 | 高等学校の成績が平均3.0 数学Aのグレード4もしくは数学2のグレード3 |
▼修士号準備コース前の英語コース
英語力 | 1学期:IELTS 5.0、全項目で5.0以上 2学期:IELTS4.5、全項目で4.5以上 |
成績 | GPA2.5/学士号成績平均60% |
シェフィールド大学への留学方法②直接学部に進学
Endcliffe Village, the University of Sheffield
by Andrew Green
学士課程・修士課程に直接出願する場合の条件について、以下にご紹介します。
学士課程
英語力 | IELTS6.0以上 各項目で5.5以上 |
資格 | ・国際バカロレア・ディプロマ取得者 ・最低3つのAレベル保持者 ・認定大学のジュニア・カレッジ・ディプロマ保持者 |
※コースにより追加の出願要件を求められることもあります。
修士課程
英語力 | IELTS6.5以上 各項目で6.0以上 |
資格 | 日本の認定大学で優秀な学士号を取得 |
※コースにより追加の出願要件を求められることもあります。
シェフィールド大学のMBAコース進学希望の方は、大学卒業後に関連する職種で3年以上の職務経験がある場合に出願可能です。
シェフィールド大学の学費
学士課程、修士課程の学費はコース内容によって変わります。数あるコースの中からいくつかをピックアップしてご紹介しますので、参考にしてみてください。
シェフィールド大学では、優秀な学生に対しては奨学金制度も受けていますので、気になる方はぜひ選択肢として検討してみてください。
学士課程(1年間)
修士課程(1年間)
※2021年12月現在1ポンド149円で計算
シェフィールド大学で充実のイギリス留学生活を実現しよう
研究成果が高く評価され、過去にノーベル賞受賞者も輩出しランキングではイギリス国内・世界でトップクラスのシェフィールド大学。ハイレベルな教育のほか、スポーツなど盛んなアクティビティを通し学生同士の交流から人間力を高められることも期待できます。
大学準備コースへの出願が不安な場合でも、集中英語コースからはじめてしっかりと英語力を伸ばしてから大学生活をスタートできます。
志の高い世界中の仲間と一緒に、シェフィールド大学でかけがえのない大学留学生活を送ってみませんか?