アメリカ車社会に渡米した日本人がなじんでいくためには?(第2回) ~ワイズりか(アメリカ在住ライター、イラストレーター)

『アメリカ車社会に日本人がなじんでいくためには?(第1回)」に引き続き、アメリカの車社会についてのお話をする。今回は実際に日本人がアメリカに住む場合に、車の免許取得から所有、そして実際に利用するまでについて具体的にお話してみることにしよう。
 
ハワイ高速道路
 

まず免許はどうする?

さて、車を運転すると言っても、まずは免許を持っていないと何も始まらない。短期滞在ならば、国際免許を取得しておけば、アメリカでの運転は問題ないと思う。*ただし州によって、180日以上居住の場合、免許証を取得する法律があるようなので注意。
 
長期滞在ならば、免許取得をアメリカでするほうがいいだろう。免許はとかくID代わりになるからだ。
 
日本で運転をしていなかった人は、免許取得することになる。後に帰国した際は、アメリカの免許を日本の免許に書き換えが可能だと言う。
 
アメリカの自動車免許取得方法は、日本のそれとちょっと異なる。
 
まず路上運転の練習のための仮免が必要だが、筆記試験をパスすると取得できる。試験は英語だが、日本語の受講も可能。しかし、なぜか英語のほうが日本語のよりもわかりやすいと言う意見が多い。私も筆記試験を受ける前に見本を取り寄せたところ、やはり同じ印象だった。
 
日本語は、英語の直訳のため、文章が明確でない箇所もある。英語のほうは平易な英語でわかりやすい。英語で受験することをお勧めする。
 
試験問題は、全部で48問。6問以上間違うとパスしない。練習問題は、DMV(Department of Motor Vehicles 陸運局)のサイトに行くか、または日本語練習問題を掲載したサイトがいろいろあるので、参考にするとよい。

仮免を取得後は、すぐに路上運転の練習ができる。前回でも少し触れたが、運転の練習は通常家族が横に乗って教える場合が圧倒的に多い。しかし、留学先などで家族の協力が得られない場合は、ドライビングスクールの利用も可能。スクールに出かけてゆくのではなく、スクールから講師が自宅まできて、自宅から路上練習がスタートする。通常2時間くらいの練習を1回分として、60~70ドルくらいが相場だと思う。どのくらいの回数やるのか、もちろん人によって異なるだろう。自信がついたら、DMVで実地試験を受ける。
 

免許の次は車

晴れて免許を取得すれば、今度は車の購入である。新車をポンと買う余裕がある人は別だが、アメリカでは中古車を購入する人も多い。
 
中古車の購入と一口に言っても、慎重に行わないと、調子の悪い代物を掴まされることもある。そこでまずチェックしたいのが、日本スーパーなどの入り口によく置いてある日本語のフリーペーパー。今時なら、このフリーペーパーはインターネットからもアクセスできるだろう。
 
こちらで、「売ります・買います」のような情報欄に、よく駐在などの期間を終えて帰国される方が車を売る告知が出ていることがある。駐在ならおそらく4年程度の在米期間なので、メーターもそれほど使用しておらずほとんど新車のような状態で売る家族もいる。数は多くないが、なかなか掘り出しものがあるのでお勧めだ。
 
また、友人や留学先の家族に、車を最近売りたい、誰か知り合いがいるかどうかを尋ねておくのも、ひとつの方法。知り合いであるため、不具合なものを不正に売りつけられることは少ないと思う理由である。
 
個人の売買はかなり盛んに行われていて、インターネットで検索すると、膨大な量の車が検出される。ただし、アメリカには車検が存在しないため、見ず知らずの他人からの購入には、注意を払う必要がある。
 
それでも中にはお買い得なものもある。ちなみに、アメリカではcraigslistと呼ばれるサイトに、かなり多く掲載されている。もちろん、カーディーラーから中古車を購入する方法もあるが、個人売買より高めである。
 
さて、実際に気に入った車があれば、さっそく連絡を入れてみる。個人から購入する場合は、広告に掲載されている連絡先にコンタクトをして、実際の車を保持している自宅などに出向く。まず、現物を見て、実際近所をちょっと試運転させてもらうのも忘れてはいけない。中古なので、どこか壊れている可能性もある。まずなぜ売りたいのか理由を尋ねたほうがいいだろう。

そして、気に入ったら、書類をオーナーからその場で入手して、そのまま自宅まで運転して車を持ってくる。
 
▼日本では車庫証明がいるけれど、アメリカは不要で青空駐車がOK。だから、1台をガレージに、もう一台はこんな風に家の前に駐車している住宅街をよく見かける。
アメリカは車社会
 

保険の加入は必須

車の準備が出来たところで、今度は自動車保険の加入のことを考えなければならない。自動車保険は法律で義務付けられている。また、州によって法律が異なるので、留学先や駐在先の州の法律を確認する必要もある。
 
アメリカの主な保険会社は、All States, Geiko, AAA, Progressive, State Farm があげられる。保険料はインターネットから見積もりを出して、それぞれの個人の条件にあったものを選ぶ。値段も、その条件によって異なってくる。例えば。年齢、既婚・未婚、家族、運転暦、車種、年式等、いろいろな質問が列挙されている。
 
さらに、車を所有する場合、AAA(アメリカ自動車協会:トリプルエーと呼ぶ)に加入しておくと便利。こちらに加入しておくと、例えば、途中車が故障した、ガソリンがなくなってしまった、車の鍵を車内に入れたまま鍵を閉めてしまった等、さまざまな非常時に対処できるサービスを受けられる。また非常時ばかりでなく、ホテルやレンタカー、あるいはアトラクション等の割引サービスも、トリプルエーによって旅行時の楽しさを倍増する内容も含まれている。車を所有している人の、おそらくほとんどが携帯していると思われる。日本でJAF (日本自動車連盟)に加入している場合は、アメリカのAAAと提携しているので、そのままアメリカでAAAのサービスが受けられるようだ。
 
ところで、もしアメリカの保険会社に直接申し込むのが不安と感じる場合は、日本語でアメリカの自動車保険を扱うサイトもある。私個人では利用したことがないが、こういったサイトをチェックするのも、もっと簡単に、フラストレーションなしで出来る、ひとつの方法かもしれない。
 

運転中、注意したい独特のルール

アメリカには、日本にはない独特の運転ルールがある。
 
■ カープールレーン
カープールレーン(Car Pool Lane)と呼ばれるレーンは高速道路を走る際に知っておかなければならないルールだ。こちらのレーンはダイヤモンド型のサインが入ったレーンで、2人以上が乗車していなければ利用することはできない。このレーンは交通渋滞を出来るだけスムーズにするためにデザインされたルールで、1人1台の車で乗るより、2人以上で利用していたほうが車の台数を減らし、排気ガスも減じることが出来る対策となっている。通勤時間には、このレーンがとても効果的で、より早く目的地に着くことが出来るのだ。
 
■ 赤信号でも右折OK
アメリカでは、右側通行で日本とは逆になるが、車が赤信号でも右折することが出来る。ただし、左から車が来るかどうかをチェックして、安全であればに限る。
 
ただし、これも州によって異なるところもある。そのため、他の州に車で旅行した場合、その州のルールをあらかじめチェックしたほうがいいだろう。(赤信号でも右折が出来ると、結構動きやすいため。)
 
■ Open Container Law に注意!!
アメリカには、Open Container Law と呼ばれる法律がある。もしも、車の中にキャップの空いたアルコール飲料のビンが見つかった場合、法律で取り締まりを受けるというものだ。
 
パーティに出かけた際に、こういったものが車の中に置いてあれば、運悪く取り締まりを受けて罰金を払わされる羽目になるかもしれない。アメリカでは、アルコールの飲酒に関することは、とても厳しい法律が設けられている。車を運転する際も、十分に注意する必要がある。
 

車社会にどっぷり浸かって、効果的に利用しよう!!

車を所有して、実際使うまで、手続きなどで少しばかりめんどうくさい思いをすることもあるかもしれない。しかし、車は使い始めるとなんとも便利で、日常生活には欠かせないものとなる。なにしろ、一日に何か所にも行け、その日のうちに用事を済ますことが簡単になる。行き先、かける時間等、うまくプランを立てて、思いっきりアメリカ生活を楽しんでほしいと思う。
 
>>『アメリカ車社会に渡米した日本人がなじんでいくためには?(第1回)』はこちら
 
文:ワイズりか(ライター、イラストレーター)
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