クリスマスツリーの準備はお済みですか?「例年とはちょっと違ったクリスマスツリーで楽しみたいな」「ふだんツリーは飾らないけど今年は飾ってみようかな」なんて方がいらっしゃるかもしれません。
そんな方に、今回はチェコ家庭のクリスマスツリーをご紹介します。実はチェコにおけるクリスマスツリーの存在はとっても重要。大きな役割が課されているんです。
ツリーに向いてる3種の木
もし「今年は本物の木で飾ってみようかな」と思われたら、チェコ流が参考になるかもしれません。チェコでは本物の針葉樹をツリーに使うのが一般的です。ツリー用に売られている針葉樹は次の3種類です。
■松(ボロビツェ)
針が長く、落ちにくい。枝葉が下から上に向いている。
■トウヒ(スムルック)
枝が上から下に生え、見た目が可愛い。しかし乾くと針葉がよく落ち、とげのように痛い。
■もみ(イェドゥレ)
ツリーの定番、もみの木。枝はほぼ横にまっすぐ生え、針が柔らかく落ちにくい。またとても香りがよく、3種の中で一番高級。
大きさ、形、まっすぐ立っているかをよくよく観察して選びます。切り口を細く削ってもらい、その場で木をネットに入れてもらって、車に積んで帰ります。
家についたら、三脚の調整。木が入るように、斧やナイフで微調整するのはお父さんの大事なお仕事です。
ツリーを飾るのは23日
チェコの多くの家庭では、12月23日、または22日にツリーを飾ります。
この日にちを選ぶ理由は24日朝のサプライズ。目覚めた子どもたちの目の前に、巨大なクリスマスツリーが現れるのです。部屋には針葉樹の香りが漂い、ツリーには素敵な飾りやチョコレートがたくさん。ついにやってきたクリスマスに子供たちは朝から大はしゃぎです。
ちなみに子どもたちは、ツリーをイエジーシェック(クリスマスの日にプレゼントを持ってきてくれる幼いキリスト)が運んできてくれたと信じています。夢を壊さないようにね!
チェコのツリーはチョコレートがいっぱい
チェコ人、チョコレート大好き。
イースターもチョコレート、ミクラーシュもチョコレート、クリスマスもやっぱりチョコレート。家庭のツリーにも沢山のチョコレートが欠かせません。
ツリーの点灯はドラマティックに!
24日に家族でクリスマスディナーを楽しんだあと、子どもたちは部屋で窓の外を眺めます。イェジーシェックがプレゼントをもって夜空に飛んでくるからです。
今か今かと待っていると、カランカランカランと鐘の音がツリーの辺りから聞こえます。ツリーの元に走り寄ると、点灯されたツリーの下に埋もれそうなほどのプレゼント。子供たちの瞳が驚きと喜びに輝く瞬間です。
この瞬間が、初めてツリーが点灯されるとき。チョコレートを食べていいのもそれからです。
ツリーも突如として現れるなら、プレゼントもまたしかり。驚きと喜びの連続がチェコ流です。
プレゼントには名前の書かれた小さなカードがつけられていて、一番小さな子が沢山のプレゼントを1つずつみんなに配ります。
そこから子供たちの眠れない夜がやってきます。プレゼントを開けるのに大忙しですからね。
これがチェコのマジカルクリスマス。ツリーは子どもたちのドラマを盛り上げてくれる、大事なパートナーなんです。今年は皆さまも、クリスマスツリーでサプライズなクリスマスを過ごしてみては?