ドイツに来て驚いたことの1つに、ハーブティーの多さがあります。単に香りを楽しむ物から体調を整える効果のある物まで、その種類や用途も実に多様です。今回はそんなドイツの生活に深く根付いているハーブティーと、その気軽な取り入れ方について紹介します。
自然な治療方法として活用される薬用ハーブ
ドイツ人にとってハーブティーはまさに生活の一部。リラックスしたい時に飲むのはもちろん、ちょっとした体調の不調なら、まずは薬に頼らずに自然の植物の力を借りて改善します。薬は即効性がありますが、服用し続けると効果が薄れたり、薬自体の刺激が強かったり、また副作用が出たりしますよね。私のドイツ人の友人達には、薬は強すぎるからなるべくハーブティーを飲むようにすると言っている人が多いです。
体に負担をかけず、ゆっくり穏やかに働きかけながら体質や体調を改善していこうという考えから、ハーブティーが取り入れられているのですね。私も日本にいた頃は花粉飛散時期の始まる少し前から花粉症対策として漢方薬を服用したり、現在でも風邪のひき始めに葛根湯を飲んだりしますが、それと似た考えです。
現在ではハーブの中でも有効性が科学的に証明されている物は「薬用ハーブ」と定義され、ドイツでは医学部の国家試験にも出題されます。
そんなハーブティーですが、症状によって飲み分けがされています。例えば風邪のひき始めにはカモミールティーを飲んだり、消化不良の時にはフェンネルティーを飲みます。
▼フェンネルティー
また目的ごとに、効果的にブレンドされているハーブティーもあります。
▼こちらは「心地よい眠り」の為に考えられた、メリッサ、オレンジの葉、レモングラス、ブラックベリーの葉、ラベンダー、甘草そしてホップのブレンド。
リラックスタイムにはミントティー
体調不良でなくても、日常的に気軽に飲まれているハーブティー。人気があるのはペパーミントやローズヒップ、サルビアなどです。カフェでは生のミントをグラスに入れてお湯を注ぎ、そこにはちみつを混ぜて飲むミントティーを飲む人も多く見かけます。
▼群生するミントの葉
薬に頼らない自然の治療薬として、またリラックスタイムのお供として、生活に深く根付いているハーブティーについてお伝えしました。ドイツにはバイエルやベーリンガーなど大きな製薬会社もあり、最新の製薬技術が発達する一方で、伝統的な自然療法もこうして残っています。
ドイツ流ハーブティーのライフスタイル、日本でも日常に気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。
文:アサミ セベリーニ(ドイツ在住ライター)
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