国民の75%以上がキリスト教徒であり、そのうちの9割弱がローマ・カトリック教徒というメキシコでは、クリスマスは大事な文化。キリスト生誕日にあたる12月25日はとても重要な日ですが、その前の9日間もメキシコ国民にとって、心沸き立つお祝い期間となります。
それが「ポサダ」。ポサダが行われる期間は、クリスマス前の12月16日から12月24日までの9日間です。
ポサダは、キリストが生まれる前に、マリアとヨセフが宿を探している様子を再現して祝う行事ですが、宗教的なお祝いというよりはメキシコの文化的なお祝いと言えるでしょう。
ポサダでは料理を持ち寄ったり、歌を歌ったり、友人やご近所さんと集まってパーティーをします。留学生も、ポサダに参加する機会があるでしょう。伝統的に行われるポサダの流れを知れば、ポサダの楽しみ方も変わってきますので、今回は、この「ポサダ」の流れや欠かせないアイテムなどをご紹介します。
近所の人と祝う伝統的なポサダの流れ
伝統的なポサダでは、まずキリストの誕生にまつわる歌を歌います。
▼Para pedir Posadas
▼Posadas Song in English
参加者は家の中にいるグループと、家の外に出るグループに分かれます。外に出るグループは、玄関先でマリアとヨセフが宿を探している内容の歌を歌い、家の中にいるグループも答える形で歌を歌います。
歌を歌った後は、子供も参加しているポサダであれば、星形のピニャタと呼ばれるくす玉が割られます。ピニャタを割ったあとに食事が始まります。食事の後は歌ったり踊ったり、近所の人や仲間と交流を深めます。
ポサダは、伝統的には近所の人たちと祝うお祝いです。メキシコ中央部などでは、今日でも近所の人達と祝うことが多いようです。しかし、友人だけでポサダを開くこともあれば、大人は子供だけのポサダを開くこともあり、メキシコでも場所によって異なります。最近ではどちらかというと、クリスマス前の友人と行うパーティーのようになってきている傾向があります。
ポサダで必ず見るアイテムや飲み物
ポサダでは、タマレスというコーンフラワーで作る蒸し料理が出されることも多いです。タマレスは定番ではなく、参加者がそれぞれ何らかの料理を持ち寄る形で、ポサダを計画することも多いです。
飲み物は、「ポンチェ」と呼ばれる温かい飲み物がよく出されます。ポンチェは、オレンジやグアバ、梨やリンゴなどの果物をブラウンシュガーとシナモンで甘く煮たおいしい飲み物です。メキシコでは、ポンチェはポサダを含めたクリスマスシーズンによく飲みます。
また、星形のくす玉『ピニャタ』も欠かせません。ピニャタの中にはキャンディーが入っていて、子供の誕生日パーティーには必ず登場します。子供用のピニャタはプリンセスやスーパーヒーローなど、子供が好きなキャラクターがあります。
ポサダで使われるピニャタは伝統的な星形のピニャタと決まっています。参加者は、棒でピニャタを叩いて割り、中のキャンディが落ちたら、できるだけ多くのキャンディを拾います。
こ留学生もポサダに参加しよう
クリスマス前のポサダは、メキシコ人にとっては大切な行事です。留学生もポサダに誘われる機会もあるでしょう。
ポサダは企画者が全て用意するというよりは、参加者全員が何かを持ち寄ることが多いため、誘われたら自分の担当は何かを聞いてみるといいでしょう。留学生同士でポサダを開いてもきっと楽しいはずです。
大人だけのポサダなら星形のピニャタがなくても、ポンチェと料理があればいいでしょう。
大人用のポンチェには、ラムやテキーラをよく入れます。クリスマスホリデー期間は留学生もゆっくり休み、メキシコの伝統的なクリスマスを楽しんでください。