アメリカの5月最終月曜日は、メモリアルデー(Memorial day・戦没将兵追悼記念日)です。その名のとおり戦争で亡くなった方を悼む日であるこの日、アメリカではどんな風に過ごすか、私の住むアリゾナ州からお届けいたします。
Photo: The mound by Mark Gunn
メモリアルデーとは
今では戦争で亡くなった方すべてを弔う記念日であるメモリアルデー。当初この日はメモリアルデーという名前ではなく、南北戦争で亡くなった方のみを弔う日でした。
1868年に、北軍退役軍人の組織のジョナサン・ローガン大将が、5月30日を祖国の為に命を捧げた軍人を称える日「デコレーションデー」と定め、それをきっかけに死者追悼だけではなく、アメリカ統一・和解の日となったのです。以来、アーリントン墓地の南軍・北軍の両方の墓に花が捧げられるようになりました。
1882年、デコレーションデーからメモリアルデーに改名。南北戦争だけではなく、すべての戦争で亡くなった兵士たちを称える日となりました。
象徴は赤いポピーの花
アメリカでは、1922年以来、メモリアルデーには海外戦争退役軍人会(VFW)が、傷痍退役軍人の作った紙製のポピーを、売っています。売上は戦争孤児などに寄付されます。
Photo:Red Popies By Dalibor Tomic
国旗の位置は午前と午後で変わります
メモリアルデーには、アメリカの国旗が揚げられます。午前中は、半旗で真ん中まで。戦争で亡くなった命の犠牲を忘れないという意味があります。午後からは、通常の位置。その命の犠牲を無駄にしない、これからも自由と正義を守っていくと言う意味です。
たくさんの人が、お墓参りに行き、花輪、アメリカ国旗、十字架などを捧げます。各地で、記念式典が行われ、退役軍人の方たちの、パレードなども行われます。基地周辺では、祭典が開催される所もあります。川で、軍艦や護衛艦のパレードや戦闘機の”Missing Man Formation”(慰霊飛行)もあります。
メモリアルデー、アリゾナでの過ごし方
初夏に入り、私の住んでいるアリゾナ州のメモリアルデーは、春を一気に終わらせて夏真っ盛りです。この時期の平均気温は、35度近くまで上がります。(怖いことにまだ最高気温ではありません。でも、住んでいると、体が慣れてくるんです。)
メモリアルデーの週末は3連休となり、BBQやピクニックなどをして多くの人が家族で過ごします。この時期は、”メモリアルデーセール”と銘打つお店も増え、BBQグッズやピクニック用品が安くなります。
▼記念式典パレードにハーレーダビットソンで集う退役軍人の方たち。壮観ですね。
photo: Rolling Thunder DC_5-27-07 by Jim Brickett
夏の始まりとも言われるメモリアルデー。この日を境に本格的にサマーシーズンに入ります。これからは各地で様々なスポーツイベントが始まります。
文:泉 恵(アメリカ在住ライター)
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