イギリスといえば紅茶、と思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。そのイメージ通り、イギリス人は紅茶をとてもよく飲む習慣があります。アフタヌーンティーという名前は一般的ですが、もっとイギリス人の日常に近いお茶の文化が「クリームティー」です。イギリスならではのお茶の文化を、ちょっぴり取り入れてみませんか?
イギリスといえば紅茶!レモンティーは存在しない?
日本で紅茶というと、ミルク、レモン、ストレートという飲み方がありますが、イギリスで「ティー」というと、それはミルクティーのことです。イギリス人にお茶に呼ばれると、「砂糖入れる?」とは聞かれますが、それ以外は聞かれません。ミルクの量と紅茶の濃さ、砂糖の分量に好みはあるものの、みんなミルクティーのことを「ティー」と言うのです。
レモンティーという風習はなく、アイスティーもあまり見かけませんし、イギリス人は好みません。基本的に夏でも涼しく、冬は長く寒いので、暖かい部屋でほっこりとミルクティーを飲む、という文化が、しっかりと根付いているのです。
種類は色々ありますが、イギリス人は基本的に「イングリッシュブレックファースト」という紅茶を好みます。いわゆる普通の紅茶で、香りが高く深い味わいのある紅茶です。
イギリスのカフェでの定番!「クリームティー」って何?
クリームティーという名前を最初に聞いた時は、紅茶に生クリームを入れて、ロイヤルミルクティーのような味がするものかと想像しました。けれど、実はクリームティーというのは、普通の紅茶とスコーンのセットのことなのです。
スコーンというと、日本のスターバックスなどでチョコレートチップなどが入ったお菓子を想像するかもしれませんが、イギリスのクリームティーのスコーンは、レーズン入り、プレーンなものが主流で、イチゴジャムとクロテッドクリームというクリームがセットになって付いてきます。
スコーンを半分に切り、クロテッドクリームとジャムをたっぷりと塗って食べるのがイギリス流です。このクロテッドクリームというのが、とにかく濃厚で美味しいのです。イギリスの南西、コーンウォール地方で昔から作られてきた特別なクリームですが、スコーンには必ず欠かせないものなのです。
どっしりとして甘さ控えめのスコーンに、濃厚なクロテッドクリームとイチゴジャムが絶妙にマッチしていて、紅茶にぴったりと合うのです。
ティーケーキも人気!イギリスのスイーツは美味しい!
さらに、ティーケーキというのも存在します。クリームティーと並んで、庶民の紅茶タイムに欠かせないメニューです。
これも、最初に聞いた時には「紅茶のケーキかな?」と思いましたが、実は違うのです。普通の紅茶と、レーズンパンをカリッとトーストしたものにバター、イチゴジャムのセットなのです。注文すると、コッペパンのようなレーズンパンを半分にスライスし、カリッとトーストして出てきます。それにバターとイチゴジャムをたっぷりと塗って、紅茶と一緒に食べるのです。
Photo from Flickr Tea Cake at MOO (Richard Moross)
味はちょっと豪華なコッペパンのような感じで、ケーキではありません。けれどこの素朴さと、バターとイチゴジャムの味が、なんともほっこりするのです。
クリームティーもティーケーキも、イチゴジャムは小さな小瓶がそのまま出てくることが多いので、たっぷりとつけて食べることができるのも嬉しいですね。
そのほかにも、カフェには色々な紅茶のお供が並んでいます。イギリスの伝統的なケーキ、ヴィクトリアスポンジや、ベークウェルタルトなど、美味しいスイーツがイギリスにはたくさんあるのです!
Photo from Flickr Victoria sponge cake (Kelly Hunter)
Photo from Flickr May-2011 Ritas and Francescas bakewell tart (David Joyce)
イギリス流のお茶の時間に、ぜひお試しくださいね。
文:首藤 加奈子(フリーランスライター)
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