留学中に友達ができるか不安な人は少なくないでしょう。そんな方のためにこの記事では留学中に友達を作る方法をご紹介。具体的に5つの簡単な友達作りについてガイドします。
筆者:Saito Akane(アメリカ留学生)
マインドセット「友達を作るのは大して難しくない」
まずは「友達ができないかも」という概念をとっぱらいましょう。
アメリカのカレッジには長期間の固定のクラスというものがありません。毎学期(セメスター制の学校なら一学期は約四か月)ごとに取る授業が変わるため、卒業するまでにたくさんのクラスメートができます。
クラス初日にはみんな友達を作ろうとするものです。その分友達を作れる機会が豊富にあるとも言えます。
また、日本の大学の暗黙の了解である「入学の年齢制限」がありません。友達・グループという概念がいい意味で低く、休み時間になればクラスにいる人とは顔見知りであろうがなかろうが話をします。
さらに、年齢層が広く、国が違う人が集まることもあるアメリカ。みな自分の経験を話すことが好きであり、会話の内容を無限大に広げることができます。だからなのか、一度話し始めるとすぐに距離が縮まるのが常。
アメリカ人の多くははとても気さくであり、フレンドリーなので、スーパーで働く店員や学校のフードコートで働く人たちと挨拶後に話をすることで顔見知りになることもあります
目標づくり「1授業に1人」
日本にいた時は友達作りなんて特に気にしてなかったのに、学校が始まってからは委縮してしまってなかなかうまくいかないという人もいるでしょう。
いきなり友達10人というのはなかなか難しいもの。最初は簡単な目標を設定し、少しずつ上げていくことがカギとなります。
日本人は特に空気を読みすぎ、人に頼りがちになってしまう部分があります。待っているだけでなく自分から進んで行動するためにまずは「毎授業の休み時間、必ず1人とは会話をする」という低めの目標を立てましょう。一週間はその目標を続けてみて、次の週は一人増やしてみるなど、少しずつ目標を上げればよいのです。
実は「1授業で1人」をクリアすると、あとはとても簡単なのです。アメリカの人は難しいグループ概念がないので一人と話をしている最中にその会話の内容に興味がある人は自然に寄ってくるからです。
名前を知っているかどうかなんて関係ありません。一対一で話していた話題が広がっていき最後には5~6人になっていることはよくあります。そこで新しいクラスメートと出会い顔見知りが増え、次の日の朝には挨拶をしてまた会話が始まる。それを繰り返すうちに友達は自然とできていきます。
休み時間の有効活用
私のカレッジの場合、通常学期(春・秋)は4~5つもしくはそれ以上のクラスを取ります。たとえば、英語が第一言語ではない人たちが必ずとらなくてはならない英語(=ESL 、English as Second Language)のクラスは2時間半ほどで、授業中に15分ほどの休憩をはさみます。
慣れない英語で行われる長時間の授業、15分の休憩はゆっくりとしたいところです。ですが、その隙間時間こそが大事なのです。たった15分の休み時間、授業のように難しい話題を話すことはないのです。気分転換のために外に出てベンチに座り、クラスメートに話しかけてみてはどうでしょう。
話はごく簡単に。まずは名前を聞き(What is your name?) 次に自分の名前を名乗ります。日本人だということを言うと、それが話題になることがあります。 (I’m ○○. I’m from Japan.)
アメリカにいる人で日本を知らない人はほとんどいません。そして、多くの人は日本という国、文化に興味を持っています。
相手の名前を聞き自分の名前と出身国を話すことで、相手が日本についての質問を返してくれます。東京などの有名都市、日本の食べ物やアニメ・ゲーム・・・答えに困るようなマニアックな質問はほとんどされることがありません。簡単に答えることができます。
たまに「日本語で○○はなんていうの?」と質問されることもあります。友達との会話は授業ではありません。難しいことを英語で話す必要も文法がきっちり正確である必要もありません。気を張りすぎず、リラックスして話をしてみましょう。
ESL(English as Second Language)の生徒と積極的に話をしてみる
もしも、いきなりネイティブの人と会話するのが怖いという人はESLの人たちと話すのが良いでしょう。双方ともに母国語ではないため早口で話されることはまずありません。
全くわけのわからないボキャブラリーが多発することもないので、会話をしながら自分が焦ったり混乱したりすることも少ないものです。
さらに、ESLの生徒は英語の上達を強く望んでいるため、みな積極的に話をします。他国から来た人たちの集まりであるため、話の内容が多く豊かで、一回の休み時間では時間が足りないくらいです。
学校のサービスを有効に活用してみよう。
キャンパス内には多くのクラブやESLの生徒のためのワークショップなどが設けられています。たとえば、私の学校にはESLの生徒と数人のネイティブの生徒がフードコートに集まり会話をするワークショップが毎週金曜日2時間程度開かれています。
ほかにもESLの生徒で構成されたクラブ、留学生が所属しているインターナショナルスチューデントクラブ(ISC=International Student Club)などがあります。ISCではみんなで海や山、美術館に出かけたり、各国の食べ物や伝統衣装を持ち合い紹介するなどたくさんのイベントが開かれています。
もちろん、ネイティブのクラブに参加することもできます。このような学校にあるクラブや開催されるイベントに参加し、新しい人々と出会うことは上手な友達作りの一つの方法です。
最後に
全く知らない国に住むということは誰かの助けと正しい情報が必要になるということです。アメリカでは自己責任能力が強くないと物事に流されることがあります。
学校のシステムに関して情報を持っているのはたいてい、学校を運営している職員よりも実際に経験してきた友達です。
言語が違うというのは確かにハンデかもしれません。しかし、それをいつまでもハンデだと思っているとそこで物事は終わってしまうのです。
まずは、アメリカで言語も文化も違う人たちと友達になるのは難しいという概念を捨ててください。アメリカ人は移民に慣れています。わからないことを聞いたり、聞き取れなかったことを尋ね返しても嫌な顔などされません。友達を作る上で、言語のことは頭から削除し、肩の力を抜いてたくさんの友達を作り、アメリカでの生活を楽しんでください。