皆さんは、テキサスというとどのようなイメージを抱かれるでしょうか。私が日本の友人たちに「テキサスに住んでいる」と言うと、名前は知っているし場所もだいたいわかるけど、どんなところなのか想像がつかないという人がほとんどです。カウボーイのイメージしかないという方も多いのでは?
たしかにテキサスは観光地としてそこまでメジャーではなく、日本からの旅行客も多くはありません。しかし、アメリカンたちの間でもテキサスは独特な州という共通認識があり、特に歴史的な面においてユニークで魅力のある場所なのです。
本記事ではテキサス在住の筆者が、きっとテキサスに行きたくなるこの土地の魅力をご紹介します。
1. カウボーイの街
テキサスといえばカウボーイ。カウボーイの歴史は1800年代に遡ります。その頃野生化していた牛を集め、市場へ移送する仕事をしていた労働者のことをカウボーイと呼ぶようになったことが起源です。
現在では、西部開拓時代の歴史を模したショーやロデオがテキサスに訪れる人たちを楽しませています。テキサスに行ったら絶対に見てほしいもののひとつです。
2. Everything is bigger in Texas
日本列島よりも大きな面積を持つテキサスは、アメリカの中では二番目に大きい州です。しかし、大きいものは土地だけではないのです。
テキサスを語る上でよく使われる言い回しがこちら、Everything is bigger in Texas(=テキサスでは全てが大きい)。意味はそのまま、すべてがビッグサイズということ。広い土地に比例するように道路も広く、車も大きく、そしてそれは食べ物にも当てはまります。
アメリカンサイズというとそれだけでとても大きいイメージですが、テキサスではさらにビッグサイズ。特にBBQは有名です!
これも、19世紀から広大な土地に多くの牛が群生していたテキサスの歴史から来ています。お肉が大好きな人はぜひテキサスへ。本場のボリューム満点のお肉をワイルドに楽しめます。
3. テキサス「共和国」として
すべてのものが大きいことに、テキサス人たちはプライドを持っています。しかしそれ以上に、彼らは自分たちが「テキサス人」であること自体に、非常に強いプライドを抱いているようです。
アメリカへの愛国心にも勝る州のプライド。そこにも歴史的な事実が深く関係しています。
実はテキサスは、1836年からの10年間、独立した「テキサス共和国」という国だった時期があるのです。メキシコ領だった土地に住み着いた人々は、独立運動を起こしメキシコから独立し、テキサスをひとつの国にしました。
この史実から、アメリカ合衆国となった今でもテキサス人たちは、「アメリカンよりもテキサン(Texan)」という気持ちが強いのです。
4. 星条旗と州旗
そしてそのことを如実に表しているのが、こちらの写真。
向かって左が星条旗、真ん中に掲揚されているのがテキサスの州旗です。
アメリカでは至る所に星条旗が掲げられていて、公的施設等にはその州の州旗も一緒に掲揚されますが、州旗は星条旗より低い位置に掲げられることが一般的です。アメリカ合衆国に属する州だからです。
しかし、テキサスではかなりの確率で写真のように星条旗と同じ高さに州旗を掲げます。これは他の州出身のアメリカンから見たら異様な光景とのこと。テキサスの人々の州への強い愛着が見て取れると思いませんか?
▼カウボーイの街フォートワースでは、毎日決まった時間に牛たちが牛舎を移動する。毎日行われ、間近で牛を見られるため観光客に人気。
いかがでしたか?歴史が現代に色濃く残る州、テキサス。観光地としてあまり有名ではありませんが、アメリカの歴史を感じることのできる魅力ある州です。アメリカ旅行の際はぜひ候補のひとつに入れてみてください。
文:中橋明日香(アメリカ・テキサス州在住ライター)
この執筆者の記事一覧
《これらの記事も読まれています》
■ 知っていると便利な『中国の医療事情』
■ ただのリゾート地ではない!「神々の島」バリの魅力
■ 多民族国家マレーシアの国民食
■ 世界でもっとも住みやすい街、パース。最大の魅力は『リラックス』。
■ 自分に合う留学プランを探そう